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代引きの荷物を届けようとすると…「は?聞いてない!持ってこないで!」→数時間後、配達員にかかってきた1本の電話

  • 2026.10.20
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

皆さまこんにちは。元宅配員のmiakoです。

ネットショッピングで注文したあと、何を頼んだのか忘れてしまった、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

今回は、事前の電話で「心当たりがありません」ときっぱり断られた代金引換の荷物が、数時間後に思わぬ展開を迎えたお話です。

事前確認の電話で告げられた一言

あれは、代金引換の荷物をお届けしようとしたときのことです。
午後2時から4時の時間指定で、A様という女性宛ての荷物がありました。

A様のお宅へは何度かお届けしたことがありますが、落ち着いた印象の女性だったと記憶しています。

代金引換の荷物は、お届けの前に電話で事前確認をします。
このあとの在宅状況や、代金の用意ができているかを確かめるためです。

午後2時半ごろにお電話すると、聞こえてきたのは淡々とした印象を受ける女性の声でした。

「宅配便です。A様宛てに代金引換の荷物が来ているのですが」

すると、代金引換の荷物と聞いた途端、電話口の声色が変わりました。

「は?代引き?聞いてないけど!どこからの荷物?」

先ほどより声のトーンが落ち、口調も強くなっていきます。

「〇〇商店様からのお荷物です」
「〇〇商店?全然心当たりがないんだけど。それって詐欺じゃないですよね?」

疑うような口ぶりでした。

「私は頼んでいませんので持ってこないでください!」

あまりに強い言い方だったので、少しびっくりしました。
以前、代引きの荷物で何かトラブルがあったのかもしれません。

荷物を配達していると、「心当たりがない」と言われることはこれまでにもありました。
ただ、ここまで強く受け取りを拒まれたり、疑われたりしたことはなかったため、戸惑いよりも驚きの方が強く残りました。

一度は差出人様への報告に

「お客様にお心当たりがないのであれば、差出人様に確認いたします。大変失礼いたしました」

そう伝えて電話を切り、「受取人様心当たり無し」と差出人様へ報告しました。
差出人様からの指示を待つことになり、そのままほかの配達へ向かいました。

夕方6時すぎ、一転した連絡

それから3時間半ほどが過ぎた、夕方6時すぎのことです。
私の携帯電話が鳴りました。

出るとA様でした。

「昼間に電話をもらった荷物なんだけど、やっぱり受け取ります。この後持ってきてください」

荷物は受け取ってもらえることになりました。
ただ、声は「心当たりがない」と言われたときと同じ、低いままでした。

ほかにも配達が残っていたため、「あと1時間ほどお待ちください」と伝えると、声色は変わらず「わかりました」と返事をされ、電話は切れました。

なぜ受け取る気になったのか、理由は聞いていません。
注文したことを思い出したのか、注文履歴を見つけたのか、差出人様から連絡があったのか。
真相は分かりませんでした。

注文したことを忘れていた可能性も考えられます。
声が低いままだったのは、きまりが悪かっただけだったのかもしれません。

無言のまま受け取り、最後に「ありがとう」

午後7時ごろ、A様のお宅に伺いました。
緊張しながらチャイムを鳴らすと、インターホンからA様の声がします。

「宅配便です。代金引換のお届け物です」

そう伝えると、返事はなくインターホンが切れました。
電話でも機嫌の悪さがうっすらと伝わっていたため、玄関のドアが開くまで、身構えて待ちました。

ドアが開き、A様が出てきます。

「お待たせいたしました。代引きのお届け物です」

伝票を渡してサインをいただくと、A様は無言のままお金を差し出しました。
お釣りが必要だったため、先に荷物をお渡しし、そのあとでお釣りをお渡ししたときでした。

「ありがとう」

小さな声でした。

怒られる覚悟をしていただけに、A様がお礼を口にされたことに正直驚きました。
こちらも「ありがとうございました」とお伝えすると、A様はそのまま家の中へ戻っていきました。

身に覚えのない代引きの連絡が来たら

人はうっかり忘れてしまったり、ミスをしてしまったりすることがあります。
怒りの感情が抑えきれず、誰かに当たってしまうこともあるでしょう。
中には、対面しても最初から最後まで一言も発さずに受け取られる方もいらっしゃいます。

それでも、お礼の一言をいただけるのは、宅配員にとって何よりの励みになります。

身に覚えのない代金引換の連絡を受けると、戸惑ってしまう方も多いと思います。
心当たりがなければ、受け取りを断って問題ありません。

ただ、ご家族が注文している場合や、注文してから結構な時間が経って届くものもあるため、すぐに断らず「一旦確認します」とお伝えいただくのも一つの方法です。
注文履歴などをご確認いただいた後に改めてお届けすることで、安心して受け取っていただけることもあります。

それでも心当たりのない荷物であれば、返品も申し出ていただいて大丈夫です。
受け取る方が注文した覚えのない荷物は、多くの場合、宅配業者でもお調べして返品対応することができます。

玄関先などに荷物を置いて届ける置き配や、対面せずに荷物を受け取る非対面配達が増え、宅配員と直接話す機会は減っているかもしれません。それでも、荷物は人の手によって届けられています。

もし、お客様と宅配員の間で顔を合わせる機会があった際には、小さな「ありがとう」が、小さな励みにつながります。
そんな小さな優しい世界がこれからも続くよう、心から願っています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた“宅配のリアル”を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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