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洗車の前、車内で必ずしていたこと…平成初期の車では当たり前だった、令和の車では見かけない“習慣”

  • 2026.10.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

今の車では見かけなくなりましたが、かつては「洗車の前に、まずラジオを切る」という手順がありました。私が2010年頃に乗っていた180SXもその一つで、洗車前には必ずアンテナが引っ込んだかを確かめてから洗い始めていたものです。

この伸び縮みするアンテナには、子どもの頃に家族が乗っていたR32型スカイラインの懐かしい思い出が重なります。

家族の車で眺めていた、伸びるアンテナ

家族のR32型スカイラインでは、ラジオをつけると細いアンテナが伸び、切ると車体の中へ収まりました。大きな車から細い棒が出てくる姿が、ラジコンカーのように見えたものです。

車内のスイッチに合わせて、車の外でアンテナが伸び縮みする。子どもの私には、それが面白く、不思議でした。ラジオを聞くための装備なのに、その動きまで記憶に残っています。

これは、モーターで棒状のアンテナを伸縮させる電動アンテナです。手で引き出さなくても、ラジオの操作に連動して動く仕組みでした。

こうした装備は、昭和末期の車にも採用されていました。1988年(昭和63年)に発表されたホンダ・コンチェルトの資料にも、オーディオなどと連動するオートアンテナが紹介されています。

R32型スカイラインと180SXが登場したのは、どちらも1989年(平成元年)。私が家族の車で眺め、のちに自分でも愛用することになったこの電動アンテナは、昭和から続く伝統的な装備でした。

自分の車では、洗車前に気にするように

自分で180SXに乗るようになると、同じ装備でも見方が変わりました。子どもの頃はアンテナが伸びるのをただ眺めて楽しんでいましたが、自分の車となれば手入れも自分の役目です。伸びた棒のことを気にする場面が、ラジオを聞くとき以外にもありました。

私の180SXでは、ラジオを切るとアンテナが引っ込みました。洗車前には、収まったかを確かめてから洗い始める。洗車機を使うときだけでなく、手洗いのときも同じでした。細い棒が伸びたままでは、洗うときにその部分へ気を使います。音を止めるための操作が、洗車前にはアンテナをしまうための操作にもなっていたのです。

屋根の低い駐車場では、車体が通っても「伸びたアンテナの先端が当たらないか」とヒヤヒヤしたものです。車の高さだけでなく、あの細い棒の分のゆとりまで意識する必要がありました。

伸び縮みするアンテナには、手動式もあります。運転席側のAピラー、つまりフロントガラス横の柱の付近にあるものなど、手で引き出したり押し戻したりするタイプです。

こちらはラジオをつけるだけでは伸びず、切っても引っ込みません。聞くときには棒を伸ばし、洗車前には押し戻す。電動式とは違い、アンテナそのものに手をかけます。

今も、取扱説明書で洗車機や屋根の低い車庫に入る前の収納を案内している車があります。出したままだと、アンテナが曲がったり折れたりするおそれがあるためです。

今は、ラジオをつけても棒が伸びない車も

今は、屋根の上にサメの背びれのようなシャークフィン型アンテナを備えた車もあります。また、内部にコイル状、つまりらせんのように巻いたアンテナを収めた製品も見られます。長い棒を外に立てる代わりに、受信する部分の形や収め方を工夫しているのです。

細く長い棒だったのには、受信するための明確な理由があります。アンテナの長さには受信する電波の「波長(波の山から次の山までの長さ)」が関係しており、日本のFM放送では、その4分の1にあたる約80cm〜1mが設計上の目安の一つとされているからです。これは計算上の長さで、思い出に登場するR32型スカイラインや180SXのアンテナの実測値ではありません。

シャークフィン型などを備えた最近の車では、ラジオをつけても長い棒は伸びてきません。洗車前にラジオを切って、アンテナが引っ込んだかを確かめる手順もなくなります。

子どもの頃は、アンテナが伸びるだけでうれしかったものです。大人になると、ちゃんと引っ込んだだけでひと安心。

車を持つようになって、喜ぶタイミングが逆になっていました。


参考:
CONCERTOプレスインフォメーション (HONDA)
スカイラインGTS-t TypeM (日産ヘリテージコレクション)
180SX TYPE2 (日産ヘリテージコレクション)


ライター:三枝 雄太
自動車アフターマーケットや自動車流通の分野で長年、販売・買取、店舗運営、接客、スタッフ育成などに携わる。カー用品や車のカスタムにも幅広く関わり、現場で培った経験をもとに、クルマに詳しくない人にも伝わりやすい言葉で、カーライフや懐かしい車文化を紹介している。


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