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教習生「思わず左に切ってしまいました」右ウインカーを出したのに… ベテラン指導員が青ざめた“ヒヤッとする瞬間”

  • 2026.11.3
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

前の車が右ウインカーを出しているのに、交差点で左へ曲がっていった。あるいは、ウインカーを出したまま、いつまでも直進し続ける。そんな車を見かけて、ヒヤッとした経験がある人もいるのではないでしょうか?

実は、教習所の路上教習でも、こうした場面に立ち会うことがあります。指導員として体験したひと幕とともに、誤操作を防ぐポイントを一緒に考えていきましょう。

右折の指示のはずが左へハンドルを

路上教習(教習所の外の一般道路を走る教習)で、郊外を走っていたときのことです。「次の交差点を右折してください」と指示を伝えると、ある教習生・Aさんは「わかりました」と答え、右のウインカーを出しました。

信号のない小さな交差点で、合図を出す位置も交差点の30m手前という決まりどおりでした。安心した私は、周りの歩行者を確認するため、一瞬だけAさんの操作から目を離しました。

ところが交差点に入った瞬間、ハンドルは右ではなく左へ。予想とは違う動きに私の体は大きく右に傾き、車はそのまま左折していったのです。

交差点を曲がり切ったところで「今、右折の指示でしたよ!」と声をかけると、Aさんはハッとした様子。

「ウインカーを出すまでは右折だと思っていたのに、思わず左に切ってしまいました」

そう話すときの戸惑った表情が、今も印象に残っています。

幸い、左後方の車や自転車、横断中の歩行者はおらず、大事に至らなかったのが救いでした。ただ、ウインカーの表示と異なる動きの車は周りの車や歩行者から予測しづらく、接触事故などを招きかねません。

路上教習ではときどき起こることなので、普段から気を付けて見ているつもりです。よくあるのは、右折の指示に対して左の合図を出してしまうパターン。今回は正しく右の合図が出ていたため、「大丈夫だろう」と判断してしまったのです。私自身にも油断があったと反省しています。

緊張と慣れというふたつの落とし穴

こうした動きが起こるのは、教習を始めたばかりの時期だけなのでしょうか?確かに、教習の初期は極度の緊張から、とっさに逆の操作をしてしまうケースもあります。

ただ、私の経験では、路上教習に慣れてきた時期にもそうしたケースは少なくないという印象です。運転に余裕が出てくると、指導員と世間話をしながら走る場面も増え、「いつもどおり」という気の緩みが生まれやすくなります。この日の教習生も回数を重ね、運転にゆとりが見え始めた頃でした。

漫然運転(注意が散漫なまま、ぼんやりと運転すること)や思い込みは、運転歴の長いドライバーにとっても他人事ではありません。考え事をしていたり、同乗者との会話に夢中になっていたりすると、同じことが起こるおそれもあるでしょう。

合図の切り忘れも、こうした漫然運転から起こりがちなミスのひとつ。緩やかな交差点を曲がったあとや進路変更のあと、合図を出したまま走り続ける車を見かけることも少なくありません。

思い込み操作を防ぐために心がけたいこと

慣れてきた時期こそ、漫然運転と思い込みに注意しましょう。走り慣れた道でも、「次にどこを曲がるか」「どちらに曲がるのか」を、その都度意識することが大切です。

ナビの案内や同乗者の指示に気づくのが遅れたときは、無理に曲がらず、そのまま通過してください。次の交差点から回り道をすれば、問題はないはずです。気持ちに余裕を持てば、焦りによる操作ミスも防ぎやすくなります。

見落としやすいのが、合図の切り忘れです。ウインカーはハンドルを戻すと自動で消えるのが一般的ですが、曲がる角度が小さいときや進路変更では戻らないこともあります。曲がり終えたら、メーターの矢印表示や「カチカチ」という音で、合図が消えているかを確認しましょう。

合図を出す側だけでなく、見る側の意識も欠かせません。周りの車が、ウインカーとは違う動きをする可能性もゼロではないからです。交差点では相手の合図だけに頼らず、速度の変化や前輪の向きなど、実際の動きをよく見て判断してください。

合図を過信せず思い込みを捨てる

ウインカーを出したからといって、車がそのとおりに動くとは限りません。緊張しているときも慣れてきたときも、周囲の交通状況を正しく受け止め、落ち着いて操作することを心がけたいものです。

「いつもどおり」が、誤操作の入り口になることもあります。曲がる前はひと呼吸置いて、合図と行きたい方向がそろっているかを、曲がり終えたら合図が消えているかを確かめる。その小さな意識が、自分と周りの安全を守ることにつながります。


ライター:ちだてつし
自動車教習所の指導員・技能検定員として、23年間にわたり現場で安全運転の指導・検定を担当。現在はその専門知識と現場での実務経験を活かし、安全運転やドライブテクニックに関するWebライターとして活動中。また、ペーパードライバーや外免切り替えの事業を展開し、運転に自信のないライダーを対象に、実践的なツーリングを通して運転技術を身につける「日本ツーリングサポート協会」を設立・運営。「安全で楽しいカー&バイクライフ」を伝える発信を行っている。日本二輪車普及安全協会の二輪安全運転指導員として活躍中。


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