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「抱っこしてみる?」廊下で何度も犬を近づける隣人。僕が一歩下がって伝えたお願い

  • 2026.9.30
「抱っこしてみる?」廊下で何度も犬を近づける隣人。僕が一歩下がって伝えたお願い

廊下で何度も近づけられる小さな犬

僕の部屋の隣には、50代くらいの女性が住んでいる。

3年ほど前から茶色のトイプードルを飼いはじめ、朝の廊下で顔を合わせることが増えた。

犬はおとなしく、吠えることもない。ただ僕は、子どものころの出来事がきっかけで、小さな犬でも近くに来ると体がこわばってしまう。

ある朝、玄関の鍵をかけていると、隣のドアが開いた。女性は犬を抱いたまま僕のほうへ寄ってきた。

「おはようございます。ほら、抱っこしてみる?」

「いえ、すみません。僕、犬が苦手なんです」

「えー、こんなに可愛いのに。みんな犬好きでしょ」

女性は笑いながら、犬を僕の胸元へ近づけてきた。僕は思わず一歩引き、会釈だけしてエレベーターへ向かった。

数日後の夕方にも、似たことがあった。

「頭だけでもなでてみて」と犬を近づけられ、苦手だと伝えると、女性はまた「こんなに可愛いのに、みんな犬好きでしょ」と笑った。これで2度目だった。

それから僕は、出かける前に廊下の物音を確かめるようになった。

昼休みにその話をすると、向かいの席の同僚が弁当を食べる手を止めた。

「ちゃんと苦手だって言ったんだよね?」

「うん。でも理由までは話してない」

「じゃあ、どれくらい苦手なのか伝わってないのかも。次に会ったら、もう少しはっきり言ってみたら?」

一歩下がって、はっきり伝えた

翌週の朝、ドアを開けると、ちょうど女性が散歩から戻ってきたところだった。犬を腕に抱えたまま、いつものように僕のほうへ一歩近づいてくる。

「ほら、今日はご機嫌なのよ。抱っこしてみる?」

僕は反射的に一歩下がった。

少し迷ったものの、このままでは何度も繰り返すと思い、女性の顔を見て伝えた。

「すみません。本当に犬が苦手なんです。子どものころにかまれたことがあって、今も近くに来ると体がこわばってしまって。僕のほうには犬を近づけないでもらえますか」

女性の笑顔が消えた。差し出しかけていた腕を戻し、犬を自分の胸元へ抱き直す。

「……ごめんなさい。そんなことがあったなんて知らなくて」

「いえ。今までちゃんと説明していなかったので。分かってもらえれば大丈夫です」

エレベーターの前では、上の階の年配の男性が扉が開くのを待っていた。僕と目が合うと、男性は何も言わず、小さくうなずいた。

それ以来、女性は廊下で僕と会っても、犬をこちらへ近づけなくなった。すれ違うときには、犬を胸元に抱いたまま少し壁ぎわへ寄ってくれる。

今朝も廊下の先で女性と顔を合わせた。女性は犬を抱き直して半歩横へ寄り、いつもの調子で声をかけてくれた。

「おはようございます。いってらっしゃい」

僕も「いってきます」と返し、そのままエレベーターへ向かった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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