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教習生「えっ…分かりません」初日にアクセルペダルの位置を知らない若者たち→ベテラン指導員が痛感した“現代の車事情”

  • 2026.10.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

技能教習(実際に車を操作しながら運転を学ぶ教習)の1時間目、ハンドルを握る前に確かめていることがあります。それは、足元のペダルに指を差し、「アクセルペダルはどれですか?」と質問することです。

運転経験のある方なら、考えるまでもないと感じるのではないでしょうか?ところが近年、「分かりません」と答える教習生に出会うことが増えてきました。

今回焦点を当てるのは、ふだんあまり意識しないペダル。教習初日のエピソードとともに、指導員の視点からひもといていきましょう。

教習初日に行う足元の確認

1時間目は基本的に、模擬運転装置(運転席を再現したシミュレーター)を使います。指導員1人につき5人まで、同時に教習を受けられるのが特徴です。シートに座ってもらったら、本題に入る前にこう尋ねます。

「アクセルペダルはどれでしょうか?」

教習で使うAT車(オートマチック車)の場合、運転中に足で操作するペダルは2つ。右がアクセル、左がブレーキです。

「えっ…分かりません」と戸惑う教習生

これは免許を持っている人が考えると単純な質問に思えますが、すぐに回答をもらえるとは限りません。「えっ…分かりません…」と戸惑う教習生も少なくないのです。

正解を伝えたときに返ってくるのは、「聞いたことがありません…」という気まずそうな声。でも、恥ずかしいことでもなんでもありません。教習所は、知らないことを一つずつ学ぶための場所なのですから。

私の実感では、以前はこうした場面はまれでした。それが今では、珍しくない光景になってきています。

初心者がペダルの位置に戸惑う理由

なぜ、ペダルの位置に戸惑うのでしょうか?教習生と話していて私が感じるのは、教習所へ通うまでに運転席を意識して見る機会が少なかったということです。

子どもの頃は、安全面から後部座席のチャイルドシートに座ることが多いもの。後ろの席からは、運転席の足元はなかなか見えません。かつては、運転に興味を示す子どもを助手席に乗せ、操作を教えてくれる大人もいたものです。

また、現代の車は装備が充実していることもあり、成長してからも運転する人の様子には関心が向きにくいのではないでしょうか。

「分かっている前提」を手放して基礎から伝える

ペダルの踏み間違いは、重大な事故につながるおそれがあります。JAF(日本自動車連盟)によると、踏み込む操作のアクセルとブレーキが並んでいるため、とっさのときに間違えやすいそうです。

踏み間違いは初心者だけに起こるのでしょうか?同じJAFの解説によると、踏み間違いによる事故は65歳以上のドライバーに多く、特に後退時の割合が高い傾向にあります。要因として挙げられているのは、体を後ろにひねった無理のある姿勢など。とっさのペダル操作に慣れない初心者とは、事情が異なるといえるでしょう。

実は教習中にも、踏み間違いはたまに起こります。コース内だけでなく、路上教習(公道で行う教習)の最中にも。そんなときは、助手席の指導員が補助ブレーキ(指導員用のブレーキ)を踏んで車を止めます。

だからこそ指導員に必要なのは、「知っているだろう」という前提を手放す姿勢です。私自身、ペダルの位置と役割を基礎から丁寧に伝えるよう、意識を切り替えました。

周りにはペダル操作に慣れない初心者もいる「かもしれない」

公道では、仮免許(路上で練習するための免許)で運転中の車や、初心者マーク(初心運転者標識)を付けた車も見かけます。こうした車の周りでは、「予想外の動きをするかもしれない」と考え、車間距離に余裕を持ちましょう。その心構えが、事故を防ぐ力になるはずです。

ペダルの位置の確認を

いつもと違う車を運転する場合、ペダルの位置を確かめてみましょう。

いつもの車とペダルの距離が違ったり、デザインが違ったりして、踏み慣れないことがあります。アクセルペダルの下側が床に固定されたオルガン式(床側を支点に動くタイプ)も、その一つ。AT車でも、MT車(マニュアル車)と同じくらいブレーキペダルの面積が小さいモデルがあります。

アクセルとブレーキは、右足で操作するのが基本。アクセルは、かかとを床につけて踏みます。ブレーキは、かかとを床から離し、足の指の付け根でペダルの真ん中を踏むのが基本です。

ペダル操作は、自分と周りの人を守る安全運転の第一歩です。

参考:ペダルの踏み間違いを防止するには?(JAF)


ライター:ちだてつし

自動車教習所の指導員・技能検定員として、23年間にわたり現場で安全運転の指導・検定を担当。現在はその専門知識と現場での実務経験を活かし、安全運転やドライブテクニックに関するWebライターとして活動中。また、ペーパードライバーや外免切り替えの事業を展開し、運転に自信のないライダーを対象に、実践的なツーリングを通して運転技術を身につける「日本ツーリングサポート協会」を設立・運営。「安全で楽しいカー&バイクライフ」を伝える発信を行っている。日本二輪車普及安全協会の二輪安全運転指導員として活躍中。


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