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夫「どうすればいいんだ…」旅費節約のために“整備士の指摘”を放置した50代男性→家族旅行中に見舞われた“悲劇”

  • 2026.10.21
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

車の下にオイルが少し垂れている。エンジン周辺が湿っているけれど、走行には問題がなさそう。そんな理由で、オイル漏れの修理を後回しにしていないでしょうか。

筆者の知人である50代男性のSさんも、整備工場でオイル漏れを指摘されながら、修理を先延ばしにしてしまった一人です。ところが、家族旅行で長距離を走行した結果、エンジンの警告灯が点灯。安全な場所に停車せざるを得なくなり、思いがけない出費につながってしまいました。

「少し漏れているだけ」修理を後回しにした理由

Sさんは妻と子どもを連れて、遠方への家族旅行を計画していました。出発前に車の点検を受けたところ、整備士からエンジン周辺にオイルのにじみがあると指摘されたそうです。

「オイルが漏れているのでしょうか?」

Sさんが尋ねると、整備士は漏れている箇所や程度を確認したうえで、原因を特定し、必要な修理をしたほうがよいと説明しました。

しかし、Sさんは修理費用が気になっていました。旅行の出費も控えており、できれば余計な出費は避けたいという気持ちがあったのです。

「地面に少し跡が付くくらいだし、今すぐ走れなくなるわけでもないだろう。旅行から帰ってきてから考えよう」

そう判断したSさんは、修理を先延ばしにしました。

実際、オイル漏れがあっても、漏れる量や箇所によっては、すぐに走行不能になるとは限りません。だからこそ、危険性を実感しにくいことがあります。また、修理費用がいくらかかるのかわからない不安や、「念のため交換を勧められているだけでは」という疑念から、判断を保留してしまう人もいるでしょう。

しかし、外から見えるオイルの跡だけでは、漏れている量や内部への影響までは判断できません。少量に見えても、放置してよいとは限らないのです。

家族旅行の途中で警告灯が点灯!そのまま走れない事態に

旅行当日、Sさんは妻と子どもを乗せて出発しました。普段の買い物や通勤とは違い、高速道路を利用して長距離を走行します。出発直後はとくに問題がなく、Sさんも「やっぱり大丈夫そうだ」と感じていたそうです。

ところが、高速道路を走行中に、エンジンの警告灯が点灯しました。異変を感じたSさんは、安全を確保できる場所に停車。状況を確認しましたが、そのまま走行を続けるのは危険と判断し、ロードサービスに救援を依頼することになりました。

「まさか旅行の途中で止まるなんて。家族にも申し訳ないし、どうすればいいんだ」

Sさんは困惑したといいます。

車はレッカー搬送され、整備工場で詳しく点検されました。その結果、オイル漏れの原因となっていた部品の修理に加え、オイル量の低下によるエンジンへの影響も確認されました。

エンジンオイルには、内部の部品を滑らかに動かす潤滑作用のほか、熱を逃がす冷却作用や、汚れを取り込む働きなどがあります。油量が不足すると、内部の部品が適切に潤滑されず、摩耗や焼き付きなどの重大な故障につながるおそれがあります。

修理費用は、オイル漏れの原因となった部品の交換だけで済む場合と、油量低下によってエンジン内部まで損傷している場合とでは大きく異なります。Sさんのケースでは、複数の修理と搬送費用が重なり、総額は20万円を超えてしまいました。オイル漏れの原因によっては、パッキンやガスケットなどの交換で数万円程度に収まることもあります。一方、漏れたオイルによって周辺部品に影響が出たり、エンジン本体の修理が必要になったりすると、数十万円以上かかる可能性もあります。

オイル漏れを見つけたら?自分で確認できるサインと注意点

今回のような事態を防ぐには、「少し漏れているだけだから」と自己判断せず、早い段階で原因を確認することが大切です。

まず、駐車していた場所に黒褐色のシミができていないか、エンジンルーム内の部品やその周辺が不自然に湿っていないかを確認しましょう。ただし、地面のシミはエアコンの排水などの水跡に汚れが混ざったものや、オイル以外の液体である可能性もあります。色や見た目だけで断定せず、整備工場で確認してもらうのが確実です。

また、エンジンオイルの量も確認したいポイントです。やけどに注意しながら、取扱説明書に従い、車を水平な場所に止め、エンジンを停止して指定された手順で確認します。レベルゲージがある車では、いったん抜いて拭き取り、差し直してから油量を確認するのが一般的です。確認方法やエンジン停止後の待ち時間は車種によって異なります。

油量が規定範囲を下回っている場合は、取扱説明書に従って対応し、原因がわからないまま走り続けないでください。オイル警告灯が点灯した場合、とくに油圧警告灯であれば、速やかに安全な場所に停車してエンジンを停止する必要があります。警告灯が消えたとしても、安易に走行を再開せず、整備工場やロードサービスに相談しましょう。

旅行前は、普段より走行距離が長くなり、高速道路などでエンジンに負荷がかかる時間も増えます。普段は目立たなかった不具合が、長距離走行をきっかけに深刻化することも考えられます。車の異常は、見た目の小ささだけで危険性を判断できるものではありません。オイル漏れを指摘されたら、費用が心配な場合でも、まずは原因と修理の緊急性、見積もりを確認しましょう。

早めに対処することが、愛車と家族、そして思い出に残る旅行を守ることにつながります。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


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