1. トップ
  2. 暮らし
  3. 妻「旅行前に点検したんじゃなかったの?」帰ろうとした瞬間に…40代男性が旅行先で直面した“数万円”の誤算

妻「旅行前に点検したんじゃなかったの?」帰ろうとした瞬間に…40代男性が旅行先で直面した“数万円”の誤算

  • 2026.10.18
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

旅行や帰省の前には、普段より念入りに愛車を点検しておきたいものです。しかし、点検で部品の劣化を指摘されても、「今は普通に走れているから」と交換を先延ばしにしてしまうこともあります。

今回は、筆者の仕事関係者である40代男性のMさんから聞いた、旅行先でバッテリー上がりに見舞われたケースを紹介します。

「エンジンは普通にかかるから大丈夫」と判断

Mさんは妻との旅行を控え、出発前に愛車の点検を受けました。その際、バッテリーの性能が低下していることを指摘されたそうです。

「バッテリー、そろそろ交換したほうがいいと言われたんです。でも、そのときは普通にエンジンがかかっていました」

点検時点では、バッテリーの性能低下は確認されたものの、直ちにエンジンが始動できなくなるような状態ではありませんでした。そのため、Mさん自身も「まだ大丈夫だろう」と考えたようです。また、交換費用についても気になっていました。

「旅行もあるし、できれば出費を抑えたかったんです。次の給料が出てから交換しようと思いました」

車のメンテナンスを後回しにしてしまう背景には、こうした事情があります。交換を勧められても、「本当に今すぐ必要なのか」「営業トークではないのか」と迷ってしまう人もいるでしょう。また、バッテリーの状態を数値で見ても、それがどの程度危険なのか判断しにくいこともあります。

そして旅行当日。自宅では問題なくエンジンが始動しました。

「ほら、やっぱり大丈夫だった」

Mさんはそう安心して、妻と旅行へ出発しました。

帰ろうとした瞬間、エンジンがかからない

ところが、観光地で車を駐車し、観光を終えて帰ろうとしたときのことです。「さあ帰ろう」とエンジンをかけようとしても、セルモーターが弱々しく回るだけ。何度か試してもエンジンは始動しません。

「そのとき妻から『旅行前に点検したんじゃなかったの?』と言われまして」

結局、Mさんはロードサービスを利用することになりました。

ロードサービスによる応急処置でエンジンが始動できる状態にはなったものの、そのまま安心して帰宅できるとは限りません。特に遠方でのトラブルでは、再びエンジンを停止すると始動できなくなる可能性もあります。

さらに、その後あらためて点検を行ったところ、バッテリーだけでなく、充電系統についても確認が必要な状態であることが分かりました。つまり、単純に「弱ったバッテリーを新品に交換すれば終了」とは限らない状況だったのです。

バッテリーが劣化している場合でも、エンジンがかかることは珍しくありません。逆にいえば、「昨日まで普通に始動できていた」という事実だけでは、バッテリーの状態が十分であるとは判断できない場合があります。

Mさんの場合も、交換を先延ばしにしたことで旅行先で立ち往生し、予定変更に加えて、充電系統まで含めた追加点検が必要になりました。

旅行前は「かかるか」だけでなく状態を確認

バッテリーの点検では、単にエンジンが始動するかどうかだけを見るのではなく、電圧や始動性能、使用年数などを確認することが重要です。一般的な12V車では、エンジン停止時の電圧だけでなく、始動時にどの程度電圧が低下するのかなども状態を判断する材料になります。ただし、数値だけで良否を決められるわけではないため、点検機器による診断結果や使用年数なども合わせて判断したほうが安心です。

また、バッテリーを交換するときは、充電系統にも問題がないか確認してもらうとよいでしょう。オルタネーターなどに異常があれば、新しいバッテリーに交換しても十分に充電されず、再びトラブルにつながる可能性があります。

旅行や帰省など長距離を走る予定があるなら、出発前に「エンジンがかかるから大丈夫」と判断するのではなく、始動時にいつもよりセルモーターの回り方が重くないか、ライトが暗く感じないか、アイドリング中に電装品の状態がおかしくないかなども確認しておきたいところです。

バッテリー交換の費用は車種やバッテリーの種類によって異なりますが、一般的な乗用車なら1万円台から数万円程度かかります。アイドリングストップ車や輸入車などでは、さらに高額になる場合もあります。Mさんも「交換だけならまだ何とかなると思っていた」と話していましたが、結果的には旅行先でのロードサービス利用に加え、予定変更や追加点検まで必要になりました。

「普通にエンジンがかかる」は安心材料のひとつではあっても、劣化していないことの証明にはなりません。特に旅行や帰省の直前なら、費用だけで判断せず、点検で指摘された内容を確認したうえで、必要なメンテナンスを計画しておくことが、旅先での思わぬトラブルを避けるためにも大切です。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


【エピソード募集】運転中、駐車場で…「えっ!」と思った体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ