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整備士「乗り続けるのはおすすめしません」30代男性が忠告をスルーした結果…修理費“約80万円”に膨れ上がった大誤算

  • 2026.10.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

「カラカラ」という小さな異音。走行できているからと、そのまま乗り続けてしまう人もいるのではないでしょうか。

しかし、異音は車から発せられる重要なサインのひとつ。音が小さいからと放置した結果、修理費が大きく膨らんでしまうケースもあります。

今回は、筆者の知人である30代男性Yさんが、愛車の異音をきっかけに思わぬトラブルに遭遇したときの話です。

「カラカラ」と聞こえていたものの、Yさんが修理を先延ばしにした理由

Yさんは車好きで、普段から愛車で彼女とドライブを楽しんでいました。

あるとき、エンジン付近から「カラカラ」という聞き慣れない音が出るようになったといいます。気になったYさんは整備工場で点検してもらうことに。すると、エンジン周辺に異常の兆候が確認されました。

整備士からは、

「このまま乗り続けるのはおすすめしません。原因を確認したうえで、早めに対応したほうがいいでしょう」

と説明されたそうです。ただ、修理にはそれなりの費用がかかる可能性がありました。Yさんは、

「今すぐ壊れるわけじゃないなら、もう少し様子を見よう」と修理を先送りすることに。「もっと音が大きくなったら修理しよう」と考えていたそうです。

車のメンテナンスを後回しにしてしまう背景には、こうした心理があります。修理費がいくらになるのか分からない不安や、「本当に今すぐ必要なのか」「少し大げさに言われているだけでは」といった疑念もあるでしょう。

特に車に詳しくない人にとっては、専門家から交換や修理を勧められても、緊急性を判断するのは簡単ではありません。

彼女とのドライブ中に異音が急変 高速道路でまさかの事態に

それから数週間後、Yさんは彼女との遠出を予定していました。出発時にも、例の「カラカラ」という音は聞こえていたそうです。

「前よりちょっと大きくなったかな。でも、普通に走れてるし大丈夫だろう」

そう考えて、そのまま出発しました。ところが、高速道路を走行していると、次第に異音が大きくなっていきました。

「さっきより明らかに音が大きい」

そう感じた直後、エンジンの調子にも変化が出始めます。Yさんは危険を感じ、近くの非常駐車帯の安全を確保できる場所へ車を停車。自走を続けるのは危険と判断し、レッカー搬送を依頼しました。

ここで重要なのは、整備工場で異常を指摘された時点では、ただちに走行不能になるような状態だったとは限らないということです。異音が一時的に出るだけなど、症状によっては、その場で車が動かなくなるわけでも、ただちに違法な状態になるわけでもありません。だからこそ、「まだ走れる」という判断につながりやすいのです。

しかし、走行できることと、問題がないことは同じではありません。

最終的に修理費は約80万円に 異音が出たら「音の記録」を

レッカー搬送後、詳しい点検を受けたところ、エンジン内部の部品にまで損傷が及んでいることが判明。結果的に、Yさんの修理費は約80万円に達しました。

車種やエンジンの種類、損傷箇所によって金額は大きく異なりますが、異音の原因が内部部品の摩耗や破損などの場合、軽微な部品交換で済むケースから、エンジン本体の修理・交換が必要になり数十万~100万円近くかかるケースまであります。

では、異音が出たときには何をすればいいのでしょうか。

まず確認したいのは、「いつ音が出るのか」です。エンジン始動直後の冷間時だけなのか、暖まってからも鳴るのか。アイドリング中なのか、アクセルを踏んだときなのか。それとも車速に比例して音が変化するのか。こうした情報は、整備士が原因を絞り込むうえで重要な材料になります。可能であれば、安全な場所に停車したうえでスマートフォンなどで音を録音・録画しておくのも有効です。ただし、走行中にスマートフォンを操作するのは危険なので避けましょう。

そして何より、「音が大きくなってから修理する」のではなく、「異音の原因を確認してから、そのまま走行してよいのか判断する」ことが大切です。小さな異音でも、原因によっては重大な故障につながる可能性があります。

「まだ走れるから大丈夫」と自己判断せず、いつ、どのような条件で音が出るのかを伝え、専門家に診断してもらう。それが結果的に、大きな出費や旅先での立ち往生を防ぐことにつながるのではないでしょうか。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


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