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新車価格480万円のトヨタ「ランクル70」→再販から約3年、いま中古車サイトで検索してみると…?

  • 2026.10.11
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

2023年11月に再々販されたランドクルーザー70。新車価格は480万円ですが、中古車市場では約1.5倍の700万円台で取引される状態が続いています。

ランクル250の中古相場が下落し、新型FJも適正価格で落ち着きを見せる中、なぜ70だけが高値を維持しているのでしょうか。月販基準台数から読み解く供給規模、新車購入のハードル、特有の指名買い需要という3つの視点から謎を解き明かします。

新車480万円に対し、中古車は700万円台。ランクル70の現在地

2026年9月末時点の中古車市場を確認すると、ランドクルーザー70はおおむね83台ほどが掲載されており、新車に近い低走行車を中心に700万円から750万円前後で販売されている状況が確認できます。この価格帯は、新車価格である480万円に対しておよそ1.5倍、金額に直すと約250万円も高い計算になります。

自動車という商品は、通常であれば時間が経つにつれて流通量が増え、少しずつ価格が下がっていく傾向にあります。憧れのランクル70を手に入れたいと日々中古車サイトを眺めつつも、一向に下がらない価格にため息をついている方もいるかもしれません。

国内への再導入から約3年が経過しようとしている現在でも、これほどまでの高値を維持していることには、少なからず驚く方も多いのではないでしょうか。初期の熱狂が過ぎ去り、時間が経過してもなお、なぜこれほどのプレミア価格が崩れないのか不思議に思うはずです。その背後にある理由を探るために、まずは同じ名前を持つ他のモデルの現状と比較していきます。

250やFJとは違う? 中古車価格は人気だけで決まらない

価格が下がらない理由を紐解くにあたり、他のランドクルーザーシリーズと比較してみます。たとえばランドクルーザー250も、発売直後は非常に高いプレミア価格がつけられており、一部では1000万円を超えるような車両も見られました。ところが、時間の経過とともに中古市場への流通台数が増加していくと、2026年現在では新車価格に近い水準の中古車も見つかるようになっています。

また、新しく登場したランドクルーザーFJについても、すでに中古車市場では車両本体価格499万円から518万円ほどで販売されている車両が確認できます。これらは走行距離が数十キロ程度の登録済み未使用車であり、オプションや登録諸費用などが含まれていることを考慮すると、ある程度妥当な適正価格だと言えます。

つまり、ランドクルーザーFJについてはプレミア価格がほぼついていない状況に落ち着いています。これらの事例から分かることは、中古車価格は単純な人気の有無だけで決まるわけではないということです。どれほど欲しいと思う人が多くても、市場への供給が十分であれば価格は自然と落ち着いていく傾向にあります。

では、なぜランドクルーザー70だけはいつまでも価格が落ち着かないのでしょうか。

答えは400台。月販基準台数から見える供給規模の決定的な差

需要と供給のバランスを考えるうえで重要な手がかりとなるのが、メーカーが発表している月販基準台数です。これは販売計画上の基準となる数字ですが、各モデルの供給規模を知るひとつの大きな目安となります。

ランドクルーザー各モデルの月販基準台数を比較してみると、ランドクルーザー250が月に約2250台、より幅広い層に向けられたランドクルーザーFJが月に約1300台となっています。それに対して、ランドクルーザー70は月にわずか約400台にとどまっています。単純な計算をすると、ランドクルーザー250は70の約5.6倍、ランドクルーザーFJでも約3.3倍の規模で市場へ送り出される計画となっているわけです。

同じランドクルーザーというブランドであっても、市場に流通する絶対数が根本的に異なるため、70には時間が経っても中古市場において希少性が薄れにくい構造があると言えます。ただ、流通量が少ないのであれば、無理に高い中古車を買わずに新車を注文して気長に待てばよいのではないかと思う方もいるかもしれません。しかし、現実の販売現場ではそう簡単な話ではないのです。

480万円で買えるのではなく、480万円では今すぐ買えない現実

新車を待てばよいという疑問に対する答えは、カタログ上の新車価格と実際の販売状況のギャップにあります。現実問題として、ランドクルーザー70は480万円という価格でいつでも自由に購入できる状況にはありません。

販売会社や地域、あるいは時期によって状況は異なりますが、新規の注文受付を停止している店舗があったり、注文できる機会自体が限られていたりすることが多く報告されています。

つまり、新車価格と中古車価格が単純な横並びで競争しているわけではないということです。新車を注文したくてもできない、あるいはいつ納車されるか見通しが立たない方にとって、今すぐ手に入るという条件を満たした中古車のランドクルーザー70は、非常に価値の高い存在となります。

その結果として、手に入らない新車の代わりに即納できる中古車の付加価値に対してプレミアムが支払われ、700万円台という価格が形成されているのです。そこで最後に気になってくるのが、そこまで高い金額を支払ってでも、なぜ70を選びたい人がいるのかという点です。

他のモデルでは代替できない。70ならではの指名買い需要

ここまで供給規模の小ささや新車購入の難しさについて触れてきましたが、それだけが価格を支えている要因ではないと言えそうです。ランドクルーザー70そのものが持つ、唯一無二のキャラクターも大きな役割を果たしています。

70シリーズは1984年から続く系譜を持ち、耐久性や悪路走破性、そして整備性を重視したヘビーデューティ用途としての立ち位置を現在も守り続けています。角張った無骨なデザインや、ラダーフレーム構造、前後リジッドアクスルといった本格的な仕様に魅力を感じる方は少なくありません。

ランドクルーザー250がシリーズの中核を担い、FJがより多くの人に楽しんでもらうモデルであるのに対し、70にはこのクルマでなければならないという強いこだわりを持つファンが存在します。そのため、ランドクルーザー250やFJが市場に流通して中古車相場が落ち着いたとしても、どうしても70が欲しいという需要がそれらのモデルに完全に流れるとは限りません。

極めて限られた供給体制と、新車を自由に注文しにくい環境、そして他のクルマでは代わりにならないという強い指名買い需要。これら3つの要素が合わさることで、ランドクルーザー70の中古車価格は、再導入から約3年が経とうとする今でもなお、強気な相場を維持し続けているのではないでしょうか。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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