1. トップ
  2. 住まい
  3. 新築購入も「最初の2年だけで…」ウッドデッキを選んだ40代夫婦が直面した“誤算”

新築購入も「最初の2年だけで…」ウッドデッキを選んだ40代夫婦が直面した“誤算”

  • 2026.11.7
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、元注文住宅営業マンのホリカワです。

長雨や日差しがやわらぎ、お庭で過ごしやすい季節になりました。新築やお庭リフォームを検討中で、「天然木のデッキが欲しい」と考えている方もいるでしょう。

天然木のデッキは、木ならではの風合いが魅力です。そのかわり、木を守るために「塗装」を続けていく手間がかかります。

若い世帯が家を建てるときは、その手入れを「自分たちでできる」と思いやすいものです。ただ、10年後の休日に、思ったとおりの時間が取れるとはかぎりません。

営業をしていたころに聞いた、手入れが続かなくなったお宅の話を紹介したいと思います。

塗装が2年で止まった、天然木のウッドデッキ

10年ほど前、外壁塗装の相談で40代のご夫婦のお宅に伺ったときの話です。庭先に、天然木のウッドデッキがありました。

「立派なウッドデッキですね」と声をかけると、「じつは、手入れが難しくて困っている」という答えが返ってきました。

たしかに、デッキは黒ずみ、床板の数枚は抜け落ちそうなほど頼りない状態でした。

床板の一部は、シロアリの食害を受けているとのことでした。実際に見てみると、食われたような跡がありました。

旦那さんの話では、新築のとき、施工した会社から人工木(樹脂を含む、木に似せた材料)をすすめられていたそうです。

天然木は毎年塗らないと腐る、という理由でした。旦那さんは本物の木の風合いを選び、塗装は毎年の休日に自分でする、と決めたといいます。

塗装をしたのは、最初の2年だけでした。その後は手が回らず、雨水が染みて徐々に傷んだそうです。

「子どもが小さいうちは塗ってたんですけどね。忙しくなって放置したら…あのとき樹脂にしておけば…」と奥さんは話していました。

デッキは傷んだままで、ご夫婦は手入れに困っていました。床板を張り替えるか、人工木に替えたほうがよさそうな状態でした。

人工木に替えるなら、撤去と新設で80万円ほどかかるのでは、というのが当時の私の見立てでした。

デッキのことも気軽に相談してほしいと伝えてみましたが、その後、デッキの相談は来ませんでした。

原因は素材の良しあしではなく、手入れと暮らしがずれたこと

じつは、このご夫婦と似たようなエピソードは、私の経験では少なくありません。

デッキの材料を選ぶときは、風合いのよい天然木にしたくなるのも、休日に自分で塗れると考えるのも自然なことです。

一方で、10年後の余暇の時間までは読みにくいのも事実です。

忙しくなる時期と、塗り直しが要る時期は重なりやすい

とくに40代は、仕事で任されることが増え、子育ての用事も重なりやすい時期です。休日の予定が埋まり、塗装の時間と気力が残らないのは、よくあることです。

しかし、屋外の天然木は、塗り直さずにいると傷みが進みやすくなります。天然木を風雨や紫外線から守る塗装が劣化してしまうからです。

長野県林業総合センターは、デッキの床のような水平の面について、夏を2回ほど過ごすと塗装のはがれが目立つと説明しています。

腐った木は、シロアリのえさにもなる

傷みが進んで腐った木は、シロアリを呼び寄せる原因にもなります。東京都世田谷区の案内でも、ヤマトシロアリが腐った木材を食べ、庭先から建物へ侵入する可能性が示されています。

一連の経緯を振り返れば、デッキが傷んだのは、天然木という素材のせいではないと私は思います。手入れの要る材料と、変わっていく暮らしが、かみ合わなくなったのではないでしょうか。

手入れが続かなくなる時期に、「保険」を掛けておく

では、デッキを長く使うには、どうすればいいのでしょうか。建てる前に、手入れが続かなくなる時期への保険を掛けておきたいところです。

掛け方は2つあります。

手入れの間隔が長い材料を選ぶ

1つは、手入れの間隔が長い材料を選ぶことです。たとえば、人工木。表面が水をほとんど吸わないため、ふだんの手入れは水拭きが中心です。

ただ、人工木は夏の強い日差しで熱くなります。LIXILは、やけどのおそれがあるとして、必ず履き物を履くよう人工木デッキの取扱説明書で注意しています。

天然木にも、イペのように、防腐処理をしなくても腐りにくい木があります。値段は上がることがありますが、木の風合いは残せます。

塗れなくなったときに頼める業者を押さえておく

もう1つは、塗装を頼める業者を、建てる前に押さえておくことです。忙しくなってから探そうとすると、腰が重くなり、デッキの放置につながりやすくなります。

施工した会社に、塗装も頼めるかを聞いておきたいですね。

すでに傷みが出ているデッキは、まず点検を

すでにデッキが傷んでいるなら、施工した会社や外構の業者に、点検と補修を頼みましょう。床板が沈む所やぐらつく所があれば、そこには乗らないでください。

シロアリが心配なら、防蟻(シロアリを防ぐ処理)の専門業者に見てもらうと安心です。

10年後の自分たちの暮らしに合う材料を選ぶ

天然木にも人工木にも、それぞれ長所と短所があります。どちらが合うかは、暮らし方しだい。休日に塗装の時間を取り続けられるなら、天然木の風合いを長く楽しめるでしょう。

家族それぞれの年齢に10を足して、そのころの休日を思い浮かべてみてください。「10年後も、手入れを続けられるかな?」と想像しながら、材料を選びましょう。


参考:
技術情報 No.110 エクステリアとしての木材利用(長野県林業総合センター)
シロアリについて(世田谷区)
人工木デッキ 取扱説明書(株式会社LIXIL)


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、SEOライターとして独立。500組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


【エピソード募集】ご近所・引っ越し・内見で…「えっ!」と思った体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ