1. トップ
  2. 住まい
  3. 「えっ、身内なのにですか」実家売却を任せた52歳男性→1か月後、叔父の申し出で知った“契約の落とし穴”

「えっ、身内なのにですか」実家売却を任せた52歳男性→1か月後、叔父の申し出で知った“契約の落とし穴”

  • 2026.10.31
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。親から実家を相続した際、誰も住む予定がなければ、売却を検討する方が多いのではないでしょうか。

売却を不動産会社に頼むときは、3種類ある媒介契約の中から1つを選びます。今回は、相続した実家を親戚が買うことになったものの、結んでいた契約のために約105万円の仲介手数料がかかったエピソードを紹介します。

売り出しから1か月後に届いた叔父からの連絡

都内で家族と暮らす会社員のIさん(52歳)は昨年母を亡くし、隣の県にある実家を兄と2人で相続しました。兄弟ともに実家に住む予定はなかったため、地元の不動産会社に売却を頼むことに決めます。

契約の前に、担当者から3種類の媒介契約の違いについて説明を受けました。1社だけに任せる「専属専任媒介契約」は、販売の状況を週1回以上報告してもらえるうえ、不動産会社同士で物件の情報を共有する仕組みにも早く登録してもらえます。一方で、ほかの会社に重ねて頼むことはできず、自分で買い手を見つけても会社を通さずに取引することはできない契約だそうです。

東京から実家の様子を見に行くのは難しいため、Iさんは報告の多さを重視しました。知り合いに購入を希望する人もいないだろうと考え、専属専任媒介契約を結びます。

実家は3,000万円で売り出され、担当者からは毎週、販売活動の報告が届きました。売り出しから1か月たったころ、実家を売りに出したと兄から聞いた叔父から、電話で「近くで暮らす息子の家族に、あの家を買ってやりたいんだよ」と申し出がありました。

叔父と直接売買したいと伝えると手数料の話になった

親戚が実家を買ってくれると聞き、Iさんはすっかり安心します。さっそく担当者へ連絡し、叔父と直接売買したいと伝えたところ、電話口で予想外の言葉が返ってきます。

「専属専任なので、ご親戚の方でも手数料をいただきます」と告げられたのです。Iさんは「えっ、身内なのにですか」と聞き返しました。

担当者によると、契約の期間中に会社を通さず自分で見つけた相手と取引すると、仲介手数料と同額の違約金がかかるそうです。契約のときに説明は受けていましたが、親戚が買い手になる場面までは考えていませんでした。

Iさんはすぐ兄に電話で「叔父さんと直接取引すると、違約金が発生するらしい」と事情を話しました。兄は少し考えてから「契約でそう決まっているなら、仕方ないな」と応じます。結局、兄弟で不動産会社を通して叔父と契約を結び、約105万円の仲介手数料を2人で半分ずつ負担しました。

親戚や近所の人が買う可能性があるなら専任媒介契約を選ぶ

実家の売却では、Iさんのように親戚や近所の人が買い手として名乗り出ることがあります。身内や知人に売る可能性を残したい場合は「専任媒介契約」を選ぶのがおすすめです。

専任媒介契約も1社だけに任せる契約で、報告は2週間に1回以上となりますが、自分で見つけた相手とは不動産会社を通さずに契約を結べます。

もちろん、親族間の売買であっても、プロに調査や書類作成を任せることで後々のトラブルを防げるという利点があります。媒介契約を結ぶ前に、報告の頻度だけでなく、自分で見つけた相手と直接取引できるかも比べて選びましょう。

参考:
宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款(国土交通省)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


【エピソード募集】ご近所・引っ越し・内見で…「えっ!」と思った体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ