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6年住んだアパートの退去費用が「12万円」→管理会社から請求された30代夫婦がとった“行動”

  • 2026.10.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

賃貸住宅を退去するとき、思っていたより高い費用を伝えられて驚いた経験はありませんか?東京都には、こうしたトラブルを防ぐための「賃貸住宅紛争防止条例」通称「東京ルール」があります。

今回は、都内の賃貸管理会社に勤める筆者が、お客さまから聞いた退去費用をめぐるエピソードを紹介します。

「この説明書に助けられたんです」

筆者が勤める賃貸管理会社に、30代のYさん夫妻が新しい部屋の契約に来ました。子どもの誕生を機に、6年住んだアパートから広い部屋へ住み替えるそうです。

契約前に「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書」の内容をお伝えしていると、妻が「前のアパートの退去のとき、この説明書に助けられたんです」と話し始めました。

立ち会いで伝えられた「全部で12万円」

Yさんが以前住んでいたアパートは管理会社の事務所から離れていたため、退去の立ち会いには、管理会社から依頼を受けた業者が来たそうです。夫婦2人で立ち会うと、業者は部屋を見て回り、日焼けした壁紙の張り替え、画びょうの穴の補修、ハウスクリーニングで「全部で12万円ほどのご負担になります」と伝えました。

妻は思わず「日焼けの分まで払わなきゃいけないの?」と聞き返しました。Yさん夫妻は内容を確かめてから返事をしようと、その場ではサインをしませんでした。書類のファイルを開くと、契約書と一緒に入居時に受け取った説明書が入っていました。そこには、日焼けなど普通に暮らしていてできる劣化は貸主負担という原則と、特約として「ハウスクリーニング費用は借主負担」という内容が金額とともに書かれていたといいます。

管理会社に連絡すると、担当者は「業者の見積もりは部屋全体の工事費で、負担の区分はこちらで確認します」と説明してくれました。精算では日焼けした壁紙と画びょうの穴が貸主負担となり、夫婦の負担は特約どおりハウスクリーニング代の約4万円に落ち着いたそうです。

「その場でサインしなくてよかったです」と、Yさん夫妻は振り返っていました。

退去費用で慌てないために押さえておきたいこと

東京都では条例によって、不動産会社が契約前に、退去時の原状回復や入居中の修理の費用負担の考え方を書面で説明することになっています。これが、いわゆる「東京ルール」です。退去のときに慌てないよう、以下の点を押さえておきましょう。

  • 契約前の説明で、原状回復の考え方と特約の内容・金額を確認する
  • 立ち会いで負担額を伝えられても、納得できなければその場でサインしない
  • 負担の区分は管理会社に確認する
  • 困ったときは東京都や消費生活センターの相談窓口を利用する

普通に暮らしていてできる劣化は、説明書の有無にかかわらず貸主負担が原則です。ただし、特約で決められた費用は借主の負担になります。退去のときに「そんな約束は知らなかった」とならないよう、契約前の説明では特約の内容と金額を必ず確認し、分からない点はその場で質問しておきましょう。

参考:
賃貸住宅紛争防止条例(東京都住宅政策本部)
賃貸住宅トラブル防止ガイドライン(東京都住宅政策本部)



ライター:岩田みちる(宅地建物取引士)
都内の賃貸管理会社で3年、賃貸借契約の締結・更新から入居者対応、退去精算、オーナーとの調整まで幅広い実務に携わる。現場で見聞きしたトラブルや住まいの悩みをもとに、住む人も貸す人も安心して暮らせるための知識をわかりやすく届けることを大切にしている。


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