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妻「お金はどうするの?」新居の引き渡し期日が迫るなか、旧居売却が突然白紙に…45歳会社員の“予期せぬ誤算”

  • 2026.10.26
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。家族の成長などに合わせて住まいの買い替えを行う際、今の家を売ったお金を新居の購入に充てる方は多いのではないでしょうか。

そうした買い替えでは、売却と購入の時期をうまく合わせることが大切になります。今回は、新居を契約したあとに旧居の買主も見つかったものの、買主のローンが通らず売却が白紙になり、二重返済になった事例を紹介します。

事前審査を通過していた買主が本審査で落ちて白紙に戻ることに

会社員のRさん(45歳)は、妻と小学生の娘2人の4人家族で、去年の春に築20年のマンションから新築の戸建てへの買い替えを決めました。さっそく気に入った新居の売買契約を結び、引き渡しは4か月後と決まります。新居の代金の一部には、旧居の売却代金を充てる計画でした。

旧居も2か月で買主が決まり、順調に売買契約を結びました。その際、仲介の担当者から「買主様の融資が承認されなければ、契約が白紙に戻るローン特約が付きます」と説明を受けます。買主は事前審査を通っていると聞き、Rさんは安心していました。

しかし1か月後、担当者から「ローン特約により契約は白紙となります」と連絡が入りました。「事前審査は通っていましたよね?」とRさんが確かめると、担当者は理由を説明しました。「本審査では、ローンを借りる人が入る団体信用生命保険の手続きがあります。健康状態の告知で、買主様が加入を断られました」

引き渡し期日が迫る新居の残りの代金をつなぎ融資で払うことに

住宅ローンの事前審査では収入などを確認するものの、健康状態までは見ないケースもあります。ローン特約による白紙解除のため、Rさんは契約どおり、受け取っていた手付金を買主に返しました。

とはいえ、新居の引き渡し期日は迫っており、売却代金が入らないままでは残りの代金を払えません。妻から「引き渡しまで時間がないけれど、お金はどうするの?」と尋ねられます。Rさんは「銀行に相談して、一時的に借りるしかなさそうだ」と答えました。

新居の支払いに旧居の売却が間に合わない場合、審査に通れば、一時的に資金を立て替える銀行のつなぎ融資という仕組みを利用できることもあります。Rさんは急いで手続きを進め、銀行のつなぎ融資で新居の残りの代金を払いました。

旧居が再び売れるまで4か月かかり約60万円の出費が生じていた

その後、再び買主を探しましたが、旧居が改めて売れたのは、新居の引き渡しから4か月後のことでした。結局、その間も旧居のローンに加え、管理費や修繕積立金の支払いが毎月続きます。さらに、つなぎ融資の利息も重なったため、4か月間の出費は約60万円にのぼりました。

買い替えでは、先に旧居を売るほうが資金の計画を立てやすくなります。新居を先に契約する場合は、旧居の売却が遅れたときに残りの代金をどう払うかを、契約の前に銀行へ相談しておきましょう。つなぎ融資を使えるか、利息がどのくらいかかるかが分かれば、旧居が売れるまでの負担を前もって見込めます。

参考:
不動産売買の手引 令和8年度版(一般財団法人不動産適正取引推進機構)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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