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妻「買ったときのままの床なのに…」入居1年後に下の階から苦情が…38歳夫に突きつけられた“80万円の代償”

  • 2026.10.20
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験があり、マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。中古マンションの部屋には、前の持ち主がリフォームで手を入れているケースがあります。

今回は、買った部屋の床が、管理組合の承認を受けずに張り替えられたものだったRさんのお話です。

入居1年後の苦情で、床の工事に承認の記録がないと分かった

妻と2人で暮らすRさん(38歳・会社員)が、築22年の中古マンションを買って移り住んだのは去年の春です。リビングの床は傷みの少ないフローリングだったので、手を入れずにそのまま使っていました。

それから1年ほどたったころ、管理会社から「下の階の居住者が、天井から椅子を引く音や物を落とす音が響いて困っている」との連絡がありました。床を見に来た担当者の確認に立ち会ったRさんは「この床は分譲時のものではなく、あとから張り替えられたものでした」と説明を受けます。

このマンションの管理規約では、床を張り替えるときは管理組合の承認を受けることになっています。床材には、下の階への足音や物音の伝わりにくさを表す「遮音等級」があり、規約で決めた等級以上の床材を使うことが承認の条件です。

後日、管理会社から、この部屋の床の工事を承認した記録は残っていないと連絡があり、理事会からは規約に合う床材に張り替えるよう求められます。知らせを聞いた妻は「買ったときのままの床なのに」と戸惑った様子です。

張ったのは2代前の持ち主で、売主の責任の期間も過ぎていた

Rさんは仲介会社を通じて、売主に事情を尋ねました。すると、フローリングを張ったのは売主ではなく2代前の持ち主で、売主も承認を得ていないことを知らなかったと分かります。

売買契約では、売主が責任を負う期間を引き渡しから3か月と決めていました。入居から1年がたっていたため、張り替えの費用を売主に請求することはできません。

Rさんは理事会と話し合い、規約に合う床材で張り替えることにしました。床を張ったのは2代前の持ち主でも、張り替え費用の約80万円は、いまの持ち主であるRさんの負担になります。

中古の部屋は、前の持ち主たちが手を入れたところも引き継ぐ

中古の部屋を買うということは、前の持ち主たちがリフォームで手を入れたところも、そのまま引き継ぐということです。Rさんの場合は床でしたが、国の標準管理規約では、ユニットバスの設置や配管の取り替え、間取りの変更なども、管理組合の承認が必要な工事の例に挙げられています。

売主が住む前に行われた工事は、今回の売主のように、売主自身も知らないことがあります。買う前には仲介の担当者を通じて、これまでにどんなリフォームが行われたかを売主や管理会社に確かめてもらいましょう。

規約に沿っていない工事が見つかったときは、直す費用の分だけ価格を下げてもらえないか売主と相談するか、条件が合わなければ買うのを見送るという選択もあります。

参考:
マンション標準管理規約(単棟型)(国土交通省)
「不動産取引の手引き」10 引渡し後に不具合・欠陥が…(東京都住宅政策本部)



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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