1. トップ
  2. 住まい
  3. 「200万円多くかかります」裏が斜面の中古戸建てを購入して3年…4人家族を襲った“予想外の宣告”

「200万円多くかかります」裏が斜面の中古戸建てを購入して3年…4人家族を襲った“予想外の宣告”

  • 2026.10.19
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。家を買ったときに確かめた条件が、住んでいるうちに変わることがあります。

土砂災害の区域もその一つで、買ったときは区域の外だった家が、あとから区域に入る場合があります。今回は、買って3年目に家の裏の斜面が区域に指定され、子ども部屋の増築に200万円の上乗せが必要になったYさんのお話です。

買うときは区域外だった裏の斜面が、3年目に指定された

Yさん(42歳・会社員)は、妻と小学生の息子2人の4人家族です。3年前に、裏に斜面がある築20年の中古の一戸建てを買いました。重要事項説明では、仲介の担当者から「土砂災害の区域には入っていません」と説明を受けています。

ところが去年、県が斜面を調べた結果をもとに、家の裏側を含む範囲を「土砂災害特別警戒区域」に指定しました。土砂が流れ込むと建物が壊れ、命に危険が及ぶおそれがあるとして、県が決める区域です。

指定のもとになった調査の結果は、Yさんが家を買う半年前に、県のウェブサイトで公表されていました。

部屋を増やす相談で、斜面側の外壁を強くする工事が加わった

今年、Yさんは息子たちの部屋を分けるため、斜面側に1部屋増やそうと工務店に相談しました。区域に入ったことは知っていたものの、増築にどう関わるのかまでは分かりません。そこで担当者に「区域に入っていると、増築で何が変わりますか」と尋ねます。

返ってきたのは「斜面側の外壁を、土砂に耐える強い造りにしなければなりません」という答えでした。工事の前には、建物の造りが基準に合っているかを確かめてもらう手続きも要るそうです。

斜面側の外壁を強い造りにする分、増築の費用は普通の造りより200万円ほど多くかかります。その夜、Yさんが費用の話をすると、妻は少し考えてから「それでも、2人にはそれぞれの部屋が要るよね」と言いました。夫婦は、増築を進めることに決めます。

区域の外の家でも、県の調査結果で指定の見込みが分かる

土砂災害の区域は、一度決まれば変わらないものではありません。県が斜面を調べる「基礎調査」が進むにつれて、Yさんの家のように、買ったときは区域の外だった場所が新しく指定されることがあります。

県は指定の前に、この調査の結果をウェブサイトなどで公表しています。斜面の近くの家を買うときは、県のウェブサイトで、その家の周りが調査の結果に入っていないかを確かめましょう。入っていれば、いずれ区域に指定され、増築や建て替えのときに斜面側の外壁を強くする費用がかかると考えておく必要があります。

その費用まで見込んでおけば、買うか見送るか、価格が見合うかなどを判断できるでしょう。

参考:
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)内の法的規制について(特定開発行為の許可制度、建築物の構造規制)(東京都建設局)
土砂災害特別警戒区域内における建築物の構造規制にご注意ください。(新潟県)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


【エピソード募集】ご近所・引っ越し・内見で…「えっ!」と思った体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ