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76歳母が1,300万円で実家を売却→家賃8万円のリースバックで住み続けるはずが…4年後に待っていた“落とし穴”

  • 2026.10.19
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。親が一人で暮らす実家の修理費や生活費について、心配している方も多いのではないでしょうか。

今回は、母が自宅を売ったあとも家賃を払って住み続ける「リースバック」を選んだWさんのお話です。4年後に家賃の値上げを示され、母は住み慣れた家を出ることになりました。

修理費と生活費のため、母は自宅を売って借りる道を選んだ

都内に住むWさん(49歳・会社員)の母(76歳)は、千葉県の自宅で一人暮らしをしていました。4年前、母は屋根や水回りの修理費と生活費のため、自宅を売ることを考えます。

住み慣れた家を離れたくなかった母は、売ったあとも家賃を払って住み続けられるリースバックを選びました。電話で知らせてきた母は、Wさんに「売っても住み続けられるから」と話します。

家は1,300万円で売れ、家賃は月8万円です。賃貸の契約は2年の「定期借家」で、期間が終わると契約も終了し、住み続けるには契約を結び直す必要があります。母は契約の前に、この仕組みの説明を書面で受けていました。売ったお金で屋根と水回りを直し、残りは生活費にあてました。

2回目の結び直しで、家賃は10万5,000円になると示された

2年後の1回目の結び直しでは、家賃は8万円のままでした。

ところが今年の春、2回目の結び直しの条件として「家賃は10万5,000円になります」と提示されました。応じなければ契約は終わり、家を出ることになります。

母から連絡を受けたWさんは、千葉の家を訪ね、2人で今後のことを話し合いました。毎月2万5,000円上がる家賃を払い続けるのは難しく、母はWさんの家の近くの賃貸アパートへ引っ越すことに決めます。引っ越しの日、母は家を見上げて「住み続けるために売ったのに、ここを出ることになるなんてね」とWさんに話しました。

結び直すときの家賃の決め方を、契約の前に書面で確かめる

リースバックは、売ったあとも住み続けられる仕組みですが、国民生活センターも、売却後もずっと住み続けられるとは限らないと注意を呼びかけています。定期借家の場合、結び直すときの条件しだいで、家賃が上がったり、住み続けられなくなったりします。契約の前に、賃貸の契約の種類と期間、結び直すときの家賃の決め方を書面で確かめておきましょう。

もう一つ、契約の話し合いには家族も同席してください。家賃がいくらまで上がりうるのか、何年住めるのかを、その場で親と一緒に確かめるためです。大きな決断を伴う説明を一人で聞いて、その場で細かい条件まで問い返すのは、誰にとっても難しいものです。

参考:
自宅の「リースバック」トラブルにご注意!(国民生活センター)
住宅のリースバックに関するガイドブック(国土交通省)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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