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80歳母と同居するため建替えも…築52年実家を相続した50代男性を襲った“思わぬ落とし穴”

  • 2026.10.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。親が高齢になり、実家を建て替えて一緒に暮らすことを考える方もいるのではないでしょうか。

今回は、土地を借りて建っている実家を相続し、建て替えの条件が地主と折り合わず、裁判所の手続きで着工が1年近く遅れたOさんのお話を紹介します。

母と暮らすための建て替え、借地には地主の承諾が必要だった

Oさん(53歳・会社員)は、妻と高校生の息子の3人家族です。3年前に父を亡くし、借地に建つ築52年の実家を相続しました。ここでいう借地とは、自分の家を建てる目的で、地主から借りている土地のことを指します。

実家で一人暮らしをする80歳の母と同居するため、Oさんは建て替えを考え、ハウスメーカーに相談しました。すると担当者から「建て替えには地主さんの承諾が要ります」と言われます。

借地の契約書を確認すると、確かにそう書かれていました。Oさんは地主を訪ね、承諾料を払うので建て替えを認めてほしいと頼みます。地主も建て替えそのものに反対はしませんでした。ただ、地主が求める承諾料と、Oさんが用意できる金額には開きがあります。

Oさんは金額を上げて何度か話し合いましたが、半年たっても折り合いがつきませんでした。

裁判所が承諾料を決めて許可を出すまで、1年近くかかった

困ったOさんは、弁護士に相談しました。弁護士からは「話がまとまらないときは、裁判所に承諾料の額を決めてもらい、承諾に代わる許可を受ける手続きがあります」と説明を受けます。Oさんは地主にもこの手続きを取ることを伝えたうえで、裁判所に申し立てを行いました。

裁判所は、地主とOさんの双方から事情を聞いたうえで承諾料の額を決め、地主の承諾に代わる許可を出しました。Oさんは、その承諾料を地主に払いました。ただ、許可が出るまでには1年近くかかり、建て替えの着工もその分遅れました。

弁護士費用もかかっています。Oさんが母に「工事が始まるのは来年になりそうだ」と伝えると、母は「この家にもう少し住めると思えばいいわね」と答えました。

借地の家を相続したら、まず契約書の建て替えの条件を読む

借地の家を相続したら、まず契約書を開いて、建て替えに関する条件を読んでおきましょう。地主の承諾が必要と書かれていれば、自分たちの都合だけで建て替えの時期を決めることはできません。

それを踏まえたうえで、建て替えを考え始めた段階で地主に相談しておきましょう。承諾料などの条件で話がまとまらないときは、裁判所に条件を決めてもらう手続きもありますが、Oさんのように許可が出るまで時間がかかります。

親との同居など時期の決まった計画があるなら、なおさら早めに話を始めるようにしてください。

参考:第1 借地非訟とは(東京地方裁判所民事第22部)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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