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築25年のマンションを売った58歳、見学者は来るのにローン審査で話が止まる…売れるまで10か月のワケ

  • 2026.10.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。子どもが独立したあと、駅に近い小さな住まいへの住み替えを考える方もいるのではないでしょうか。

今回は、定期借地権付きのマンションを売りに出したMさんのお話です。借地の残りの期間が買い手の組める住宅ローンの期間を短くし、買い手が見つかるまで10か月かかりました。

土地を借りる分だけ安く買えた、定期借地権付きのマンション

Mさん(58歳・会社員)は、妻と2人で暮らしています。25年前に買った新築マンションは「定期借地権付き」でした。ふつうのマンションは部屋と一緒に土地の持ち分も買いますが、このマンションの土地は地主から借りたもので、買ったのは部屋だけです。

土地の代金がかからない分、近くのマンションより価格が安く済みました。借地の期間は50年で、期間が終わったら原則として建物を取り壊し、土地を返す契約です。年数がたつほど残りの期間が減り、売るときの価格に影響することは、購入のときの説明で承知していました。

借地の残りは25年、買い手が組めるローンも最長25年に

子どもが独立したことで、夫婦は駅に近い小さな部屋へ住み替えることにしました。築25年になったマンションを、仲介会社を通じて売りに出しました。

売り出すと見学者は来るものの、購入希望者の住宅ローンの審査で話が止まってしまいます。Mさんが理由を尋ねると、仲介の担当者はこう説明しました。

「住宅ローンは、借地の残りの期間を超えて組めないことが多いんです。こちらは残りが25年なので、買う方は35年のローンを組めません」

例えばフラット35も、借りられる期間は借地の残りの期間までと決まっています。買い手が組めるローンは最長で25年になり、35年で組むより毎月の返済額が高くなります。

そのため、買える人が限られていたのです。Mさんは妻と相談し「急ぐ住み替えではないから、価格は下げずに待とう」と決めました。25年で返済できる買い手が見つかったのは、売り出しから10か月後のことです。

借地の残りの期間を確かめ、長いうちに売り出す

定期借地権付きのマンションは、借地の残りが短くなるほど、買い手が組めるローンの期間が短くなり、売りにくくなります。売り出しが1年遅れれば、買い手が組めるローンの期間も1年短くなる計算です。

これから定期借地権付きのマンションを買う方は、何年ほど住んで売ることになりそうかを考え、そのときの借地の残りの期間を計算しておきましょう。50年の借地で25年住めば、Mさんと同じく残りは25年です。価格の安さだけでなく、売るときに買い手が組めるローンの年数まで考えて選ぶことをおすすめします。

参考:
定期借地権の解説(国土交通省)
敷地が借地の場合(【フラット35】)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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