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「丸5年」持ったマンションを売った48歳→確定申告で発覚、税金が想定より“290万円”増…何を見落とした?

  • 2026.10.13
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以来、10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。不動産を売って利益が出たとき「持っていた期間が5年を超えると税金が安くなる」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

今回は、契約から丸5年たったので税率の低い「長期」になると考え、貸していたマンションを売ったEさんのお話です。実際には「短期」と判定され、税金は約594万円になっています。

契約から丸5年、税率の低い「長期」になるはずだった

都内に住むEさん(48歳・会社員)は、6年前の12月に中古マンションの売買契約を結び、翌年の1月に引き渡しを受けました。自分では住まず、賃貸に出すための部屋です。

去年の秋に入居者が退去したのをきっかけに、Eさんはこの部屋を売ることに決めました。仲介会社を通じて買い手が見つかり、去年の12月に引き渡しが完了しています。

税金の計算上の利益である売却益は「1,500万円」でした。契約から丸5年たっていたので、Eさんは税率の低い「長期」になると思い込んでおり、税金のことは仲介会社にも相談していません。

確定申告の会場で、所有期間は「売った年の1月1日」で数えると知る

今年の3月、Eさんは確定申告の相談会場を訪れました。職員に書類を見てもらうと、税額は税率の高い「短期」で計算されています。「契約から丸5年たっていますよ」と尋ねるEさんに、職員はこう説明しました。

「所有期間は、売った年の1月1日の時点で数えます。去年の1月1日の時点では、まだ5年に届いていないんです」

契約をした6年前の12月から数えても、去年の1月1日の時点で持っていた期間は4年と少しです。Eさんが数えていた「丸5年」は、売った日までの年数でした。

所得税・住民税・復興特別所得税の合計で、短期の税率は39.63%となり、税額は「約594万円」です。長期の20.315%なら「約305万円」で済んでいました。

職員によると、買った日は契約の日で数えることもできるそうです。その場合、買い手への引き渡しが年明けの1月なら、その年の1月1日の時点で5年を超え「長期」になっていました。

引き渡しの日がひと月違うだけで、税額は約290万円変わっていたのです。

売る前に、買った日から売る年の1月1日までを数える

不動産を売った利益にかかる税金は、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わります。所有期間は買った日から売る年の1月1日までで数えるため、カレンダーの上で丸5年たっても「長期」とは限りません。

5年の境目が近いときは、仲介会社に売却を頼む段階で、引き渡しを年明けにできるかどうかを相談してみましょう。仲介会社との打ち合わせは価格や引き渡しの日程が中心で、税金の話まで及ばないことも多いため、自分から切り出すことが大切です。

参考:
No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)(国税庁)
No.3211 短期譲渡所得の税額の計算(国税庁)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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