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奥行き4.5mの駐車場に全長4.7mの車→中古戸建てを買った40代一家、“たった20cm”のために約30万円を払ったワケ

  • 2026.10.11
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。戸建ての敷地は、境界の内側なら自由に使えるという認識の方が、多いのではないでしょうか。

ところが家の前の道路が狭いケースでは、自分の土地でも道路として空けておかなければならない部分があります。今回は、このルールの影響で、駐車スペースを広げる工事に約30万円を払ったGさん一家のお話を紹介します。

道路沿いの50cmは、自分の土地でも道路として扱われる

会社員のGさん(40歳)は、妻(38歳)と子ども2人の4人家族で、3年前に築22年の中古戸建てを買いました。家の前の道路は幅3mで、車がすれ違うことができない狭さです。

建物を建てるときは建築基準法により、前面の道路幅が4m以上でなければなりません。それより狭い道路沿いでは、道路の中心から2mの線まで敷地を下げて建てる決まりです。

下げた部分は「後退部分」と呼ばれ、個人の土地でも道路として扱われます。Gさんの家では、道路沿いの幅50cmの砂利敷きが後退部分でした。

契約の前には、仲介の担当者から「この50cmは後退部分なので、建物や塀は建てられません」と説明を受けています。このとき「車を停めることは可能なのか」については、気にしていませんでした。

車の先が砂利にかかり、市の職員から空けるよう頼まれる

後退部分を除いた駐車スペースの奥行きは4.5mで、Gさんの車は全長4.7mです。停めると車の前が20cmほど砂利の上に出ますが、通行部分にはみ出すことはありません。

内見のときも前の持ち主の車が同じように停まっていたため、Gさんも気にせず停めていました。今年の4月、向かいの家の建て替え工事に伴い、市の職員が道路の確認に訪れました。

そのときGさんは、職員から「敷地内の道路に接する50cmは空けておいてください」と声をかけられます。後退部分は災害のときの避難や消防の活動に使う場所なので、車を停めるのも控えてもらっていると説明されました。

後退部分にかけずに停めるには、駐車スペースの奥行きが20cm足りません。小さい車に買い替える選択肢もありましたが、まずは外構の業者に相談することにします。

現地を見た業者が提案したのは、奥の花壇をなくしてフェンスを家寄りに移す方法です。Gさん一家はこの工事を依頼することとし、約30万円を払って実施しました。

契約の前に、後退部分に車を停めてよいかを聞く

後退部分に建物や塀を建てられないことは、契約前の重要事項説明で伝えられます。一方、後退部分は原則として駐車できませんが、こうした実生活への影響について説明の場で話に出ないこともあります。

例えば世田谷区などでは、後退部分を駐車場として使えないと案内しています。車を持つ人には毎日の停め方にかかわる話なので、本来は担当者から伝えてもらえると助かる情報です。

契約の前に「今の車を問題なく停められますか」と、自分からも聞いてみましょう。あわせて、後退部分を除いた駐車スペースの奥行きを測り、車検証に書かれた車の長さと比べてみてください。

参考:
2項道路の道路後退(セットバック)について(鳥取市)
狭あい道路拡幅整備工事について(世田谷区)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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