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不動産会社を名乗る男「山林が200万円で売れる」82歳父が仲介手数料25万円を振り込むと…待っていた悲劇

  • 2026.10.13
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。親が持っている財産の中には、何がどこにあるのか、子どもが知らないものもあるでしょう。

昔買ったまま使っていない土地は、その代表格といえます。今回は、今回は、一人暮らしをしているWさんの父が山林の売却を持ちかけられ、仲介の手数料として「先に振り込んだ25万円が戻らない」という詐欺にあった話を紹介します。

山林の買い手がいるという電話で、父は手数料を振り込んだ

会社員のWさん(55歳)の父(82歳)は、隣の市で一人暮らしをしています。父は40年前に「将来値上がりする」と勧められ、隣県の山林300㎡を買っていました。

しかし値段は上がらず、現在も使い道がないままです。この時点でWさんは、父が山林を持っていることを知りませんでした。4月、父のもとに不動産会社を名乗る男性から電話が入ります。

男性は「お持ちの山林を欲しがっている方がいます」と言い、200万円で売れると話しました。数日後には、会社案内と、宅地建物取引業の免許番号が入った名刺が郵送で届きます。

将来子どもに山林を残すことで、子どもに迷惑をかけたくなかった父は、売却することを決めました。次の電話で、男性から契約の前に仲介手数料25万円を振り込むよう求められ、父は指定の口座に振り込みます。

電話がつながらなくなり、消費生活センターへ

その後、父が男性に電話をかけても、つながりません。名刺にあった会社の番号も使われていませんでした。5月、Wさんが月に一度の用事で実家を訪ねると、父が「山の買い手の話が先月から止まっていて、電話もつながらないんだ」と切り出します。

振り込みの控えを見せられたWさんは「もう振り込んだの?」と聞き返しました。親子はすぐに、市の消費生活センターへ相談に行きます。相談員によると、昔「値上がりする」と言って山林などを売った手口を、原野商法と呼ぶそうです。

その土地の持ち主に「売ってあげる」と持ちかけ、手数料を先に払わせる手口も、原野商法の二次被害の一つです。親子は警察にも相談しましたが、25万円は今も戻っていません。

契約前の手数料は払わず、親が持つ土地を聞いておく

不動産会社が仲介手数料を受け取れるのは、売買の契約が成立したときです。国が示す契約書のひな形でも、そう定められています。契約の前にお金を求められたら払わずに、家族や消費生活センターに相談しましょう。

免許番号の入った名刺が届いても、それだけでは本物の不動産会社とはいえません。今回、Wさんが事態を知ったのは、父がお金を振り込んだ翌月でした。手遅れにならないよう、日頃から「親が昔買った土地がないか」「どこにあるか」を聞いておき、売却する際は事前に知らせてほしいと頼んでおくと、この話のような被害を防ぎやすくなります。

迷ったときは、消費者ホットライン「188」にも相談できるので、情報を共有しておきましょう。

参考:
土地売却のため? 金銭を請求されたら要注意 原野商法の二次被害(国民生活センター)
より深刻に!「原野商法の二次被害」トラブル-原野や山林などの買い取り話には耳を貸さない!契約しない!-(国民生活センター)
宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款(国土交通省)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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