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妻「現場に誰もいなかったよ」800万円を前払いした注文住宅、基礎工事のあと工務店の社長と連絡が途絶えた結果…

  • 2026.10.9
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。注文住宅を建てるときは、複数社の話を聞いて、担当者との相性も見て依頼先を決める方が多いのではないでしょうか。

今回は、人柄で選んだ工務店が基礎工事のあとに破産し、前払いしたお金の多くが戻らなくなってしまったEさん一家のお話を紹介します。

基礎工事が終わったあと、現場に誰も来なくなった

会社員のEさん(36歳)は、妻(34歳)と子ども1人の3人家族で、賃貸マンションに住んでいました。新居を建てるため、地元の工務店3社と打ち合わせを重ねます。そのうちの1社は、打ち合わせのたびに社長が自ら図面を引いてくれました。

打ち合わせの帰り道、妻が「あの社長さんにお任せしたいね」と言い、Eさんも同じ考えでした。その会社に依頼することとし、請負金額は2,800万円で契約時に300万円、工事を始めるときに500万円、合わせて800万円を先に支払いました。

翌年の3月に基礎工事が終わったあと、現場に人が来なくなりました。見に行った妻から「現場に誰もいなかったよ」と聞いたEさんは、社長の携帯電話にかけます。ところが、何度かけてもつながりません。

破産の通知が届き、工事費は1,000万円増えることに

連絡が途絶えて1週間後、Eさんのもとに弁護士から、工務店が破産手続きに入ったという通知が届きます。そこには「支払ったお金が戻る見込みはほとんどない」と書かれていました。

Eさんが工事を引き継いでくれる別の工務店に現場を見てもらうと、済んでいた工事は基礎の200万円分ほどでした。支払った800万円のうち600万円分は、工事が行われていなかったのです。

再度見積もりを取ると、残りの工事費は3,000万円で、当初の契約より1,000万円増えてしまいます。悩んでいる様子を見た引き継ぎ先の担当者から「前の工務店は、住宅完成保証制度の保証書を出していましたか」と聞かれました。

Eさんにとっては、初めて聞く制度の名前です。担当者に尋ねると、工務店が工事の途中で倒産したときに、引き継ぎで増えた工事費などを保証する制度だと説明されました。

Eさんは家に戻って契約のときに受け取った書類を見返しましたが、保証書は入っていません。結局、借り入れを増やして工事を続け、新居に入れたのは予定より7か月後でした。

契約の前に、完成保証の有無と支払いの時期を相談する

住宅完成保証制度は、制度に登録した工務店が、工事ごとに申し込むことで保証が付く仕組みです。保証には上限があり、払ったお金が全額戻る仕組みではありませんが、Eさんのような負担を小さくできます。完成保証は、費用を負担して工務店が自分で選んで登録する制度です。

登録していない工務店との打ち合わせでは、話に出ないこともあります。とはいえ、依頼先を選ぶうえで大切な情報なので、本来は工務店のほうから伝えてもらえると、施主としては助かります。

契約の前に「住宅完成保証制度に登録していますか」と、自分からも聞いてみましょう。また、Eさんは200万円分ほどの工事しか済んでいない時点で、800万円を払っていました。

工事を始める前に支払う額を小さくし、骨組みが建ったときや完成したときに多く支払えないかどうかも、契約の前に相談してみてください。

参考:
特徴・商品概要|住宅完成保証制度(住宅保証機構株式会社)
手続き|住宅完成保証制度(住宅保証機構株式会社)
住宅会社が破産。完成保証制度を利用していたのですが、適用外と言われた。(住まいるダイヤル)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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