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妻「たった3cm足りないだけで?」実家の建て替えで発覚、3階建てを諦めた50代夫婦の“誤算”

  • 2026.10.7
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。親が一人で暮らす実家を、同居のために建て替えるか検討するケースがあります。

今回は、実家の建て替えを計画したものの道路に接する幅が3cm足りず、3階建てをあきらめたMさん夫婦のお話を紹介します。

通路の幅が2mに3cm届かず建て替えができない事態に

都内の賃貸マンションで暮らすMさん(52歳・会社員)と妻(50歳)は、一昨年に父を亡くし実家を相続しました。築46年の木造2階建てで雨漏りや床のきしみがあり、母(78歳)が一人で暮らしています。

母を一人にしておく心配や家賃の負担を考え、実家を建て替えて3人で暮らそうと決意しました。建て替えを行うなら、各自の部屋がとれる3階建てにしたいと考えます。そこで、希望する建て替え方法が可能であるか、ハウスメーカーに相談したところ担当者から測量を勧められました。手元の図面は46年前のもので、隣との境界もはっきりしないためです。

実家は道路から幅2mほどの細い通路を8m入った奥で、左右を隣の家の塀に挟まれています。土地家屋調査士が左右の隣家の方に立ち会ってもらって測ると、図面で2mだった通路の入り口の幅は1m97cmでした。

「法律で家を建てる土地は道路に2m以上接していないといけません。あと3cm足りません。このままでは建て替え工事ができません」

このように担当者から告げられ、Mさんが帰宅して妻に伝えると、妻は「たった3cm足りないだけで、建て替えができないの?」と腑に落ちない様子でした。

隣家の土地購入を断られ区の許可で2階建てに変更することに

担当者は「隣の家に通路沿いの土地を3cm分だけ買わせてもらえないか相談してみましょう」「その場合は代金と測量・登記の費用はMさんにご負担いただくことになります」と提案します。幅が2mになれば、計画通り3階建ての家が建てられます。

Mさんは担当者と左右の隣家を訪ね、事情を話してお願いしました。しかし、両家とも土地が減ることに難色を示し、断られてしまいました。そこで担当者は「区に特別な許可を申請すれば建て替えられる場合がある」とMさんに提案します。

ただし、建てられる家には条件が付きます。Mさんは担当者と区役所の建築指導課へ行き、条件を聞きました。主な条件は以下のとおりです。

  • 2階建てまでの一戸建て
  • 燃えにくい造り
  • 建物の大きさの上限が通常より小さいこと

結局、2階建てで設計し直して許可を申請しました。去年の10月に許可が下り、当初の予定より半年遅れの11月に着工。工事の間、母は夫婦のマンションで暮らし、今年の春に新居が完成しました。

建て替え許可の条件を窓口で聞いておく

相続した実家の建て替えや売却を行う際は、通路の入り口などの幅を専門家に計測してもらいましょう。とくに古い家は、境界が確定しない状態で建っていることがあります。とくに古い家は、境界が確定しない状態で建っていることがあります。

もし道路に接する幅が2mに足りなくても、役所の許可で建て替えられる場合があります。新宿区では、道路に1.8m以上接し通路の長さが10m以下、2階建て以下の一戸建てなどが対象です。

条件は自治体ごとに異なるため、市区町村の建築指導窓口で確認しましょう。

参考:
無接道敷地の建替え許可基準(新宿区)
建築基準法施行規則第10条の3第4項第2号及び第3号に関する基準(新宿区)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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