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夫「冬の間だけだよ」換気口を8枚の段ボールでふさいだまま忘れた夫婦→工務店が床下を見て告げた"光景"

  • 2026.11.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「床下を見てもらったら、工務店の方に『土台にカビが出ています。換気口をふさいでいませんでしたか』と言われて。最初の冬に夫が段ボールでふさいだまま、外すのを忘れていたんです」

そう話すのは、一昨年の秋に郊外の住宅地で中古の一戸建て(築22年・4LDK・延床約98㎡/土地約140㎡、約2,900万円)を買ったHさん(30代女性・会社員、夫と二人暮らし)です。結婚3年目の共働きで、子どもはいません。

買う前に、建物状況調査を受けています。検査員は「床下は乾いていて、傷みはありません。ただ、床に断熱材が入っていないので、冬は床が冷えます。寒さをしのぐために換気口をふさぐ人がいますが、おすすめしません。床の断熱の工事を考えてください」と伝えました。

床の断熱工事は約35万円でした。夫婦は「まず一冬住んでから」と見送り、入居します。最初の冬、フローリングの冷たさは靴下を二重にしても足にこたえました。

夫は、基礎の換気口を8枚の段ボールでふさぎました。Hさんが「換気口、ふさいで大丈夫?」と聞くと、夫は「冬の間だけだよ。春になったら外す」と答えています。換気口の前に鉢を並べていたこともあり、段ボールは目に入らないままでした。春が来ても外されず、夏が過ぎ、昨年の秋にリビングの床がきしみ、カビ臭くなりました。

床下は、換気で乾かす造りになっている

木造の家の床下は、地面からの湿気に常にさらされています。そのため、床下は換気で乾かす造りです。建築基準法施行令では、床下をコンクリートで覆わない家の外壁の床下部分に、壁の長さ5m以下ごとに300㎠以上の換気孔を設けることが決められています。

水分は、木が腐ることとシロアリの被害を左右する最大の要因です。換気の悪い床下では、土台や床束(床を支える短い柱)に被害が出やすくなります。特にヤマトシロアリは、日当たりが悪く湿気の多い暖かい場所を好むため注意が必要です。

換気口をふさぐと、床下の湿気の逃げ場がなくなります。外構の土で換気口を埋める、植え込みで覆うのも同じです。新しい家には基礎と土台の間のすき間で換気する造りもあり、こちらも物でふさがないことが前提です。

建物状況調査の結果は、購入時の重要事項説明でも伝えられます。Hさんもその内容を聞き、検査員の助言を受けていました。ただ、冬の寒さをどうしのぐかまでは、住む人に委ねられています。

段ボール8枚で、床下のカビに25万円

工務店が床下に入ると、土台と床束に白いカビが広がり、木はしっとりと湿っていました。幸い、シロアリの跡はありません。カビの除去と防カビの処理、傷んだ床束の交換で、費用は約25万円でした。

検査員が勧めた約35万円の断熱工事は、換気口をふさがずに寒さをしのぐための手立てでした。夫は「春に外すつもりで、失敗しました」と話しました。

換気口は開けたまま、寒さは床の断熱で

カビの処理のあと、夫婦は床の断熱工事を頼みました。床下から断熱材を入れる工事で、昨年の冬は換気口を開けたまま過ごせたそうです。断熱の工事は補助の対象になることがあり、条件は年度や自治体で異なります。

夫は「自分が忘れてたせいだ。ごめん」と謝り、カビの処理と断熱の費用を自分の貯金から出しました。床下点検口から年に一度のぞいて確認するのは夫の係になり、Hさんは換気口の前に物を置かないよう、庭の鉢を離しました。

古い家の床下は、年に一度のぞく

築年数の経った家は、手の届く価格で庭付きの暮らしを始められます。木の床は、冬の冷たささえ対策すれば、長く使える造りです。

一方で、床下の乾き具合は、住む人の手入れに左右されます。だからこそ、寒さの対策は換気口をふさぐのではなく、床の断熱で考えることが欠かせません。

・木造の床下は換気で乾かす造り。外壁の床下部分には、壁の長さ5m以下ごとに300㎠以上の換気孔を設けることが決められている(建築基準法施行令第22条)
・水分は腐りとシロアリの最大の要因。換気口をふさぐ、土で埋める、植え込みで覆うと、床下の湿気が逃げない
・床の寒さは、床下からの断熱工事で対策する。換気口をふさぐのは、冬の間だけでも避ける
・床下点検口から年に一度、木の湿り具合とカビを確認する。腐りやシロアリの有無は専門家に診てもらう

床下の換気口の前に、鉢や物を置いていないか一度見てみてください。

参考:
建築基準法施行令(e-Gov法令検索)
木造住宅の長期使用に向けた屋根、外壁、床下のメンテナンスガイドライン(抜粋版)(国土技術政策総合研究所)
建物でしろありの被害にあいやすい場所はどこですか?
(公益社団法人日本しろあり対策協会)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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