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妻「失敗しました」10分の掃除を忘れただけで…3連休明けの帰宅後、30代夫婦が絶句した惨状【一級建築士は見た】

  • 2026.10.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「3連休の最終日に、管理会社から電話があって。帰ってみると、バルコニーに水がたまり、リビングの床まで濡れていました」

そう話すのは、2年前に新築の分譲マンション5階(3LDK・72㎡、約5,800万円)を買ったBさん(30代女性・会社員、夫と子ども1人の3人暮らし)です。結婚6年目で、子どもは4歳になります。

入居時の説明会では、管理会社から「バルコニーの排水口は、月に1回は掃除してください。詰まると雨水がたまり、室内に入ることがあります」と案内を受けていました。最初の1年はBさんが掃除をしていましたが、この春、子どもが遊べるようにバルコニーに人工芝を敷いてからは、排水口が芝の下に隠れ、掃除は途絶えていたのです。

10月の3連休、家族3人は夫の実家へ2泊3日で出かけました。最終日の午後から大雨の予報が出ていましたが、家を空けるだけなので、気にしていませんでした。

バルコニーの排水口は、多くのマンションで住む人が管理する

マンションのバルコニーには、雨水を流す排水口が1〜2か所あります。排水口がふさがると、水はどこにも逃げられず、バルコニーにたまっていきます。1時間に30mmの激しい雨なら、10㎡のバルコニーに1時間で約300Lの水が降る計算です。

バルコニーの床とリビングの掃き出し窓の下枠との段差は、10〜15cm程度の建物が多いです。隣のバルコニーとの間の隔て板の下にはすき間があるため、水は隣のバルコニーへも流れますが、そこも屑などで塞がるとたまった水がこの高さを超え、窓の下から室内へ流れ込みます。

バルコニーは、住む人が専用に使えるものの、建物全体の共用部分です。国土交通省がモデルとして示すマンション標準管理規約では、第21条で、排水口の掃除のような「通常の使用に伴う」管理は、専用使用権を持つ住む人の責任と負担で行うとしています。多くのマンションがこれにならった規約を採用していますが、すべてのマンションに当てはまるわけではありません。最終的には、自分のマンションの管理規約や使用細則で確かめてください。

詰まりの原因は、風で運ばれた枯れ葉やほこり、鳥の羽、そして人工芝やすのこの下にたまる屑です。秋は落ち葉が増えるため、留守にする前は特に、排水口を見ておく必要があります。

帰宅したら、床に水の筋

異変に気づいたのは、在宅だった隣の方でした。連休最終日の夕方、隔て板の下から、水が人工芝の屑と一緒に、隣の家のバルコニーへ流れ込んできたのです。Bさんの家はインターホンに応答がなく、隣の方は管理会社の緊急窓口に電話をかけました。

管理会社は、入居時に届け出てあったBさんの携帯に連絡しました。「お隣の方から、お宅のバルコニーから水が流れ込んでくると連絡がありまして」という内容でした。バルコニーには部屋を通らないと入れないため、管理会社も手を出せません。室内まで濡れていることは、帰宅するまで誰にも分かりませんでした。

夜に帰宅すると、バルコニーにはまだ水が残り、人工芝が浮いていました。排水口を覆っていたのは、人工芝の屑と枯れ葉です。雨のピークには隣へのすき間も屑で塞がれて水が窓の下枠を越えて室内へ入り、その後、隣のバルコニーの排水口から抜けていったのでした。隣の排水口は詰まっていなかったものの、流れ込んだ人工芝の屑が残っていました。

翌日、管理会社が下の階も確かめましたが、天井のしみはなく、被害は自宅の床だけです。それでも1週間後、窓際の床が波打ってきました。業者に見てもらうと、6畳分の張り替えが必要で、費用は約25万円でした。

Bさんは「排水口の掃除は私が見ると言っていたのに。10分の掃除を忘れただけで25万円、失敗しました」と夫に謝り、隣の家にも謝りに行っています。

人工芝を外し、出発前に排水口を見る

床の張り替え費用は、火災保険で補えるかを確かめました。Bさんの保険では、排水口の詰まりによる雨水の浸入は補償の対象外でした。補償の範囲や条件は商品によって異なるので、証券や約款で確かめてください。

費用は自分たちで払い、人工芝は外しました。子どもの遊び場は、排水口を避けて敷ける小さなジョイントマットに替えています。

そして、旅行や帰省の前には、排水口をのぞいてから家を出るようにしました。掃除にかかる時間は、10分ほどです。

連休前に見る場所は、玄関の鍵だけではない

バルコニーに人工芝やすのこを敷くと、子どもの遊び場や洗濯物を干す足元が快適になります。避難の妨げにならない範囲であれば、マンションの外の空間を、暮らしの一部として使える工夫です。

一方で、その下にある排水口は、多くのマンションで住む人が掃除を任されている設備です。だからこそ、留守にする前には、鍵や蛇口と一緒に、排水口の上に何も載っていないかを見ておくことが欠かせません。

・バルコニーの排水口の掃除など、通常の使用に伴う管理は、標準管理規約(第21条)では住む人の責任。自分のマンションの規約と細則で確かめる
・排水口がふさがると、たまった水は掃き出し窓の下から室内へ入る。窓の下枠との段差は10〜15cm程度の建物が多い
・人工芝やすのこの下には屑や落ち葉がたまりやすい。秋は月1回、留守にする前にも排水口を見る
・雨水の浸入は火災保険の対象外のことが多い。補償は商品で異なるので、証券で確かめる

次の連休の前に、バルコニーの排水口を一度のぞいてみてください。

参考:
マンション標準管理規約(国土交通省)
バルコニー<排水口(ドレン)>(住まいるダイヤル)
雨の強さと降り方(気象庁)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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