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妻「その分高く売れるよね」助言を聞かず150万円のリフォームをした50代夫婦…購入希望者が放った“ひと言”に絶句…

  • 2026.11.5
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

大切に使ってきた物を手放すとき、「きれいにしてからのほうが、よい値段がつくのでは?」と考える方は多いでしょう。自宅の売却でも、壁紙の汚れや古くなった設備が気になり、先に直しておきたいという相談をいただきます。

しかし、きれいにした部分が、購入を検討する方の好みや改装の予定に合うとは限りません。よかれと思って手を加えても、かけた費用に見合う評価を得られないケースもあります。

今日は、少しでも高く売ろうと自宅のリフォームに150万円をかけた50代のAさん夫婦が、内見に訪れた購入希望者の言葉で、思わぬ誤算に気づいたエピソードをご紹介します。

売却前に気になった壁紙の汚れと設備の古さ

知り合いの不動産会社の社長から聞いた話です。

50代のAさん夫婦は、長年暮らした戸建てを売却することにしました。売却に向けて室内を片づけ始めると、気になったのが壁紙の汚れや設備の古さです。

家具を動かした場所には壁紙の日焼けの跡があり、トイレにも長年使ってきた分の傷みが見られました。

「毎日住んでいると気づかないけど、こうして見ると結構古くなったね」

妻の言葉に、Aさんもうなずきます。

「このまま見せたら、安く買われてしまいそうだな。売る前に直しておこうか」

「そうだね。きれいにすれば、その分高く売れるよね」

夫婦は、リフォームで印象をよくすれば、売却価格も上げられると考えていました。一方、相談していた不動産会社からは、こんな助言を受けていました。

「買う方にも好みや改装予定があるので、工事費をかけた分だけ高く売れるとは限りません。まずは清掃や必要な補修にとどめて、売り出す方法もありますよ」

それでも夫婦には、古いまま見てもらうことで、購入を見送られたり、大きく値下げを求められたりするのではないかという不安が残っていたのです。

高く売れると期待し、150万円のリフォームを実施

不動産会社の助言を受けても、夫婦の考えは変わりませんでした。話し合った末、壁紙の張り替えやトイレの交換など、合計150万円のリフォームを行うことにします。

「先にお金はかかるけど、その分高く売れれば取り戻せるよね」

妻の言葉に、Aさんも同意しました。室内の印象がよくなれば、大きな値下げを求められずに済むだろうと考えていたのです。

壁紙には、夫婦が気に入った柄物も一部に取り入れました。無地でそろえるより、おしゃれに仕上げたほうが、購入希望者にも喜んでもらえると思ったからです。

工事が終わると、室内は明るい印象になり、トイレも新品に。仕上がりに満足した夫婦は、自信を持って内見を迎えられると、売り出しへの期待を膨らませていました。

内見で分かった、購入希望者との好みの違い

ところが、工事後の内見で、購入希望者から思いがけない言葉が出ました。

「すごくきれいですね!ただ…壁紙は自分たちの好みに張り替えたいです」

張り替えたばかりの壁紙を見ながら、妻は戸惑いました。購入希望者は、置きたい家具に合わせて、壁を落ち着いた無地にそろえるつもりだったのです。夫婦が気に入って選んだ柄物も、その方の希望には合いませんでした。

また、別の購入希望者は、購入後にキッチンや浴室などの水まわりをまとめて改装する予定でした。新品のトイレにも夫婦が期待したほどの反応はなく、購入の決め手にはなりません。

自分たちがよいと思った仕上がりでも、買う方が同じように評価するとは限らない。夫婦は、内見を通じてその違いに気づき始めました。

売却はできても、150万円の上乗せはかなわず

最終的に、購入後に一部を改装する予定の買主と売買契約がまとまりました。しかし、夫婦が期待したように、工事費150万円を売却価格へ上乗せすることはできませんでした。周辺の売却事例や購入希望者の反応を踏まえ、価格を調整したうえでの成約です。

夫婦には、かけた費用の分だけ高く売りたいという思いがありました。それでも、その価格で購入したい人が見つからなければ、売却は進みません。

「工事に使ったお金まで、売るときに戻ってくると思っていたんだけど…」

妻の言葉に、Aさんも、工事を頼む前に必要な範囲や価格への影響をもっと相談すればよかったと後悔しました。

リフォームによって、内見時の印象がよくなった可能性はあります。工事をしなかった場合の成約価格とは比較できないため、150万円すべてが損だったとはいえません。それでも、工事費を売却価格で取り戻すという夫婦の見込みは外れてしまったのです。

工事をするかは、売却後に手元に残る金額で考える

売却前のリフォームは、見栄えや売却価格だけでなく、工事費などを差し引いて手元にいくら残るかを考えることが大切です。

例えば、150万円の工事によって売却価格が100万円上がったとしても、ほかの条件が同じなら、工事をしなかった場合より手元に残る金額は50万円少なくなります。高く売れたとしても、費用を回収できるとは限らないのです。

工事を決める前に、不動産会社へ、現状のまま売る場合とリフォームして売る場合の価格の見込みを確認しましょう。そのうえで、清掃や部分的な補修で十分なのか、設備の交換まで必要なのかを検討してください。

地域や価格帯、物件の状態によって、購入希望者が求めるものも異なります。購入後に好みに合わせて改装したい方もいれば、手を加えずに住める家を探している方もいます。どのような方の購入が見込まれるかも不動産会社に聞き、工事の範囲と費用を判断しましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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