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妻「そんなにかかるんですか…」60万円かけて洗面所に収納を増やしたのに…数年後、40代女性が負った“痛手”

  • 2026.10.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

洗面脱衣室には、タオル・洗剤・家族の着替えなど、意外と多くのものが集まります。そのため、空いた場所に収納を増やして「すっきり片付けたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

しかし、家具を置けそうに見える場所でも、家の点検や修理のために空けておく必要がある場合があります。

今日は、洗面脱衣室の収納を増やそうと、業者の忠告を聞かずに造作収納を設置した40代女性Aさんのエピソードをご紹介します。

洗面脱衣室の収納不足を解消するため、造作収納を計画

夫と戸建てに暮らす40代のAさんは、洗面脱衣室の収納不足に悩んでいました。

洗濯機の横には洗剤のストックが並び、棚にはタオルが収まりきりません。家族の着替えを置く場所もなく、入浴のたびに別の部屋から持ってきていました。

「ここに収納があれば、すっきりすると思わない?」

Aさんが夫に示したのは、洗面脱衣室の壁際です。設置場所に合わせて製作する造作収納なら、限られたスペースにも必要なものをまとめてしまえそうだと考えました。

そして業者に相談し、扉付きの収納を設置する計画が進みます。見積額は60万円。Aさんにとって大きな出費でしたが、毎日使う場所を使いやすく整えたいと、設置を前向きに検討していました。

業者の提案に「点検するときに何とかすればいい」

ところが、現地を確認した業者から、配置について提案がありました。

「ここには床下点検口があります。開けられるように、収納の位置を変えるか、動かせる収納にしましょう」

床下点検口とは、床下の配管や木材の状態などを確認するための出入り口です。Aさんが希望する位置に収納を固定すると、そのふたを開けられなくなるといいます。

しかし、位置をずらすと、思い描いていた収納の幅を確保できません。Aさんは、壁際にぴったり収まる見た目も気に入っていました。

夫が「点検のとき、大丈夫なの?」と尋ねると、Aさんはこう答えます。

「毎年使うわけでもないでしょう。点検するときに何とかすればいいと思う」

業者から別の配置や動かせる収納を提案されても、Aさんは希望を変えませんでした。最終的に、点検口の上を固定収納で覆う計画を選んだのです。

完成後、洗面脱衣室は見違えるほど片付きました。タオルも洗剤も扉の中に収まり、Aさんは満足していました。

数年後、点検担当者から「ここから入れません」

困ったことが起きたのは、それから数年後。住宅の床下点検を依頼した日のことでした。点検担当者に床下点検口の場所を尋ねられ、Aさんは収納を指さします。

「この下です。中のものを出せば大丈夫ですか?」

担当者が確認すると、収納は壁などに固定され、底板も点検口にかかっていました。棚の中身を出すだけでは、ふたを持ち上げられません。

「収納があるため、この点検口から入れません」

そのひと言に、Aさんは戸惑いました。壁に固定するといっても、自分たちで少しは動かせると思い込んでいたのです。

「家具を少しずらすだけでは、だめなんですか?」

「固定されているので、この場ですぐに動かすことはできません。施工した業者さんに相談していただく必要があります」

その日は、この点検口を使った床下の確認を進められませんでした。「点検のときに何とかすればいい」とそう考えていたAさんでしたが、点検担当者がその場で収納を外してくれるわけではなかったのです。

60万円の収納に、さらに20万円の追加工事

Aさんは、収納を施工した業者に連絡しました。現地で対応を検討した結果、収納の一部を作り替え、点検口のふたを開けて人が出入りできるスペースを確保することになりました。

提示された追加工事費は20万円。

「点検できるように直すだけで、そんなにかかるんですか…」

収納はすでに完成しており、一部を解体して加工し、周囲を仕上げ直す作業が必要でした。

夫からは「最初に位置を変えていれば、この工事はいらなかったんだよ…」と言われ、Aさんも返す言葉がありません。

結局、Aさんは20万円を支払い、収納の一部を作り替えました。60万円で整えた収納に、さらに20万円。収納自体は使い続けられるものの、当初は考えていなかった出費です。

毎日すっきり片付く快適さに目が向き、数年後に必要になる作業まで考えていなかったことを、Aさんは悔やんでいました。

収納を作る前に、点検や修理ができるか確認する

床下点検口は、普段使わなくても、住まいを維持管理するために必要な場所です。日本住宅保証検査機構の点検案内でも、床下点検口などを確認するため、事前に点検箇所の荷物を移動するよう案内されています。

造作収納を設置する際は、点検口のふたを開けられるか、人が出入りできるかを業者に確認しましょう。配管の修理や設備交換に必要なスペースも確保できるか、あわせて尋ねてください。

業者から配置の変更を提案されたら、その理由や、変更しなかった場合に必要になる工事・費用まで説明してもらうことが大切です。施工業者にも、専門知識のない依頼者が判断できるよう、暮らしへの影響を具体的に伝えることが求められます。

収納量や見た目だけでなく、将来も点検や修理ができる配置かを確認して計画しましょう。

参考:アフターハウス点検(株式会社日本住宅保証検査機構)



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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