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妻「ねえ…この100万円って…」修繕積立金が月8,000円のタワマン購入も…3年後、40代夫婦が声を上げた“通知”

  • 2026.10.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

住まいを購入するとき、住宅ローンと合わせて気になるのが、毎月の管理費や修繕積立金です。同じような物件なら「月々の支払いが少ないほうが安心」と感じる方も多いのではないでしょうか。

ただし、購入時の金額がそのまま続くとは限りません。将来の修繕に必要なお金が十分に積み立てられていなければ、毎月の支払いとは別に、まとまった負担が生じることもあります。

今日は、月額8,000円の修繕積立金に安心して中古タワーマンションを購入したものの、3年後に届いた総会資料をきっかけに、家計の見直しを迫られたご夫婦のお話を紹介します。

月額8,000円の修繕積立金が、購入の決め手に

ある日、40代の会社員Aさんが、購入したマンションの修繕費について相談にいらっしゃいました。妻と子どもの3人で暮らすAさんは、3年前、別の不動産会社の仲介で中古タワーマンションを購入したそうです。

物件選びでは、通勤の便利さや眺望に加え、購入後の毎月の支払いも比較していました。なかでも安心材料になったのが、安いと感じた“修繕積立金”です。修繕積立金とは、外壁や屋上、エレベーターなど、住民が共同で使う部分の修繕に備えて積み立てるお金です。日常の清掃などに使う管理費とは別に支払います。

当時、妻は資金計画の表を見ながら、こう話したといいます。

「修繕積立金が月8,000円なら、無理なく買えそうだね」

Aさんも、毎月の支払総額を確かめて答えました。

「住宅ローンと管理費を合わせても、この金額なら何とかなるよ」

頭金や購入時の諸費用、引っ越し代で貯金の大半を使う予定だった夫婦にとって、毎月の負担を抑えられることは、購入を後押しする大きな理由になっていました。

過去の総会資料に「積立金の増額を見送った」という記録が

購入時には、将来の工事時期や費用の見通しをまとめた「長期修繕計画」と、過去の総会資料も渡されていました。実は、その総会資料には、修繕積立金の増額が検討されながら、見送られた経緯が記されていたのです。

しかし、Aさん夫婦は、その内容を十分に確認できていませんでした。

「ちゃんと読んだほうがいいとは思っていたんですが、どこを見ればいいのか分からなくて…」

Aさんは、当時をそう振り返ります。

資料には、見慣れない工事項目や大きな金額が並び、「収支計画」「積立残高」といった言葉も出てきます。仕事や子育ての合間に、住宅ローンの手続きや引っ越し準備も進めていた夫婦は、資料を開いても数ページで手が止まってしまったそうです。

「引っ越しが終わって、落ち着いたら読もう」

そう話してファイルにしまったものの、入居後も忙しい日々が続き、読み返す機会を持てずにいました。

月額8,000円という目の前の支払いは確認していても、その積み立てで将来の工事費を賄えるのか、増額がなぜ見送られたのかまでは、把握していなかったのです。

3年後、総会資料にあった一時金100万円の徴収案

購入から3年後。管理組合から届いた総会資料を見て、妻が声を上げました。

「ねえ…この100万円って、うちが払うお金なの?」

資料には、大規模修繕工事に必要な積立金が不足しているため、各住戸から一時金を徴収する案が記載されていました。Aさんの住戸に求められる金額は、なんと100万円。毎月の修繕積立金とは別の負担です。

「こんな大金…修繕積立金は毎月払ってきたのに、それでも足りないのか?」

驚いたAさんは、購入時の資料をしまったファイルを取り出しました。

過去の総会資料を読み返して初めて気づいたのが、修繕積立金の増額を見送った経緯です。毎月の負担が増えることへの反対などから増額が見送られ、必要な工事費を十分に積み立てられていなかったことが分かりました。

月額8,000円という支払いの少なさに安心していた夫婦は、その背景にまで目を向けられていなかったのです。

「毎月の支払いが少なくても、あとからこんなに必要になるなんて…」

妻の言葉に、Aさんも戸惑うばかりでした。夫婦は資料を前に、100万円をどう用意すればよいのか、頭を悩ませたそうです。

貯金では払えず、親に借りて用意することに

夫婦は総会に出席し、不足額や工事内容について説明を受けました。その後、一時金の徴収が決まり、Aさんの住戸にも100万円の負担が生じました。

しかし、購入時に貯金の大半を使い、その後も住宅ローンや教育費の支払いが続いていたため、すぐに用意できるお金はありません。

「100万円なんて、今の口座にはないよ…」

「だからといって、払わずに済むわけでもないし…」

夫婦は家計を見直しましたが、日々の節約だけで納期限までに用意できる金額ではありませんでした。最終的には、Aさんの親に事情を説明し、100万円を借りて支払ったそうです。

「無理なく暮らせると思って買ったのに、今は親への返済まで考えないといけません」

Aさんは、そう話していました。

この100万円は、建物を維持するための修繕費です。しかし、夫婦の家計では見込んでいなかった支払いであり、購入後の暮らしを大きく変える負担となりました。

修繕積立金は、将来の負担まで説明を受けて確認する

修繕積立金は、月額が安いからといって、必ずしも不足しているとは限りません。必要な金額は、建物の規模や設備、今後の工事内容によって異なります。

購入前には、毎月いくら払うかに加え、次の点も確認しましょう。

  • マンション全体でいくら積み立てられているか
  • 予定している工事に足りるか
  • 値上げや一時金の話が出ていないか

過去に値上げが見送られている場合は、不足するお金をどう用意する予定なのかも大切です。

ただし、専門的な資料を買主だけで読み解くのは難しいものです。中古マンションの売買では、修繕積立金に関する規約の定めや、すでに積み立てられている金額などは、契約前に不動産会社が行う「重要事項説明」の対象になります。

将来の工事費や一時金を購入時点ですべて確定できるわけではありませんが、不動産会社も、把握している値上げの検討状況などを分かりやすく伝える必要があります。資料を渡すだけでなく、購入後の負担を理解できるよう説明することが大切です。

分からないときは、「次の工事に向けて、お金は足りていますか」「今後、支払いが増える可能性はありますか」と尋ねてください。その説明を受けたうえで、住宅ローン以外の負担や、手元に残す貯金も含めて、無理のない購入予算を考えましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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