1. トップ
  2. 住まい
  3. 隣人「駐車はやめて」40代男性「何が悪いの?」まさかの“開き直り”…月1万円の駐車場代を渋った末路

隣人「駐車はやめて」40代男性「何が悪いの?」まさかの“開き直り”…月1万円の駐車場代を渋った末路

  • 2026.10.6
undefined
出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

家族の通勤や買い物のために、車をもう1台購入したいと考えることはありませんか。車が増えると便利になる一方、保険料や駐車場代など、維持費の負担も増えます。

今日は、月額1万円の駐車場代を惜しみ、自宅前の私道を駐車場代わりに使うようになった40代男性のエピソードをご紹介します。

駐車場まで歩くのが面倒…次第に家の前へ停めるように

Aさんは、妻と子どもとともに戸建て住宅で暮らしていました。自宅前には、奥にある住宅の住民も通行する私道があります。私道とは、個人や法人が所有する道路のこと。Aさんも、その道路の持分(共有する土地について、自分が所有する割合)を持っていました。

あるとき、家族が使うために2台目の車を購入することになりました。ただ、自宅の駐車スペースは1台分しかありません。

そこで購入前に、近所の月極駐車場を月額1万円で契約。その駐車場を保管場所として、正規の手続きで車庫証明を取得し、納車後も実際に利用していました。

ところが、しばらくすると、Aさんは駐車場から自宅まで歩くことを面倒に感じ始めました。特に雨の日や買い物の荷物が多い日は、自宅前に停められれば楽なのにと思うように。

「この道路は自分にも持分があるし、家の前に停めても大丈夫だろう…」

最初は荷物を降ろす間だけだったものの、次第に車を移動しなくなり、帰宅後から翌朝まで私道に停めるようになったのです。月極駐車場の契約は続けていましたが、使う機会が減るにつれ、Aさんは駐車場代も惜しくなってきました。

「月1万円、年間12万円か。このまま家の前に停められるなら、駐車場を解約してもいいんじゃないか」

便利さを優先して始めた駐車が、いつの間にか駐車場代を節約するための算段に変わっていました。

道路への駐車を注意されても、まさかの“開き直り”

ある朝、Aさんが車に乗ろうとすると、私道の奥に住む住民から声をかけられました。

「ここに停められると、車を出すときに邪魔になるんです。駐車はやめてもらえませんか」

Aさんの車を避けるため、住民は何度もハンドルを切り返していました。車同士が接触しないよう、慎重に出入りしなければならなかったのです。

ところが、Aさんは車を移動させるどころか、こう言い返しました。

「私にも持分があります。自分の土地に停めて、何が悪いんですか」

住民は戸惑った様子で、「でも、ここは皆が通る道路ですよ」と返します。それでもAさんは、「まったく通れないわけではないでしょう」と取り合いませんでした。

その後も、Aさんの車は毎晩のように同じ場所に停められました。やがて、ほかの住民からも「曲がるときにぶつけそうで怖い」「駐車場を借りているなら、そちらに停めてほしい」と苦情が寄せられるようになります。

妻も状況を知り、Aさんに車を移動するよう求めました。

「皆さんが困っているんだから、借りている駐車場に戻してよ」

しかし、Aさんは「こちらにも権利がある」と譲りません。自分の車が周囲の生活を妨げていることよりも、「自分にも持分がある」という思い込みを優先し、注意を受けても駐車を続けてしまったのです。

家の購入時の契約書には“駐車禁止”の記載が

「本当に停めていいのか、家を買ったときの書類を確認してみて」

妻に促され、Aさんは住宅購入時の売買契約書や、私道の共有者間で交わされた取り決めを読み返しました。すると、売買契約書には次のような特約が記載されていたのです。

「前面道路の私道は通行のために使用し、車両を駐車しない」

購入時にも説明を受けていましたが、当時は2台目の車を持つ予定がなく、Aさんは自分に関わることとして受け止めていませんでした。持分があっても、道路の一部を自分専用の駐車場として使えるわけではない。そのことを確認し、ようやく自分の思い込みに気づきました。

さらに、近隣住民への態度についても反省しました。

「困っていると言われたのに、自分の権利ばかり主張してしまいました。言い返したのは、私が悪かったです」

Aさんは私道への駐車をやめ、契約していた月極駐車場を再び利用することに。駐車場を解約して月1万円を浮かせようという考えも、取り下げました。

謝っても戻らない近隣との距離

結局、駐車場代は月額1万円、年間12万円のままです。これは本来、2台目の車を持つために必要な費用でした。Aさんはその負担を避けようとして、近隣住民に迷惑をかけてしまったのです。

妻からは、厳しい言葉を向けられました。

「これからもここに住み続けるのに、どうして揉めるようなことをしたの!」

Aさんは迷惑をかけた住民に謝罪しました。しかし、注意を無視して駐車を続けた事実は消えません。顔を合わせても以前のように会話が続かず、妻も近所でのあいさつに気を使うようになりました。

「失敗しました。お金を惜しんで、周りの人の生活を軽く考えていました。妻まで気まずい思いをさせて、本当に申し訳ないです…」

車を移動すれば通行の支障はなくなります。それでも、開き直った言葉で傷つけた関係まで、すぐに元に戻るわけではありませんでした。

駐車する前に確認したい「私道の利用ルール」

私道付きの住宅では、持分の有無だけでなく、その道路の利用目的や取り決めを確認することが大切です。

東京高裁平成10年2月12日判決でも、共有の土地を自分専用の駐車場所として使うことは、共有持分に基づいて許される使用の範囲を超えると判断されています。加えて、不特定の人や車が自由に通行できる私道の場合、地域によっては、同じ場所に夜間8時間以上続けて駐車すると車庫法違反として罰金の対象となる可能性もあります。「自分にも持分がある」という理由だけで、自由に駐車できるとは限りません。

住宅購入時には、売買契約書や重要事項説明書とあわせて、私道の利用に関する取り決めも確認しましょう。内容が分からない場合は、自己判断で車を停めず、購入を担当する不動産会社に確認することが必要です。

また、車を増やす際は、継続して使える駐車場所を確保し、駐車場代も含めて無理なく維持できるかを考えておきましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ