1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 『退職金1,120万円』を受け取った60代女性→「一番安全だから」普通預金に入れるが…2年後、銀行で告げられた“思わぬ事実”

『退職金1,120万円』を受け取った60代女性→「一番安全だから」普通預金に入れるが…2年後、銀行で告げられた“思わぬ事実”

  • 2026.11.4
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。20年にわたる金融機関窓口での経験から、資産運用や家計のお悩みに役立つ知識をお届けしている、おがわ163です。

「リスクが怖いから、退職金は全額普通預金に入れておけば一番安全だ」

そう思って口座にそのまま放置していませんか?確かに普通預金は引き出しも自由で安心感がありますが、低金利のまま据え置くことで、本来得られるはずだった利息を逃す「機会損失」につながってしまいます。

今回は、退職金を普通預金のまま2年間放置した60代女性の事例から、安全かつ賢い退職金の運用術をお伝えします。

「とりあえず普通預金に入れておけば大丈夫!」

短大卒業後、ずっとメーカーで事務職として働き続けたAさん。

2024年9月に定年退職を迎え、退職金1,120万円を受け取りました。
「投資は元本割れのリスクがあって怖い。老後の大切なお金だから、安全な預金に入れておこう」と考えたAさん。特に手続きをすることもなく、退職金をそのまま普通預金口座に入れておきました。

「普通預金なら安全だし、何かあればすぐに引き出せる」という安心感もあり、そのまま約2年が経過しました。
しかしある日、資産運用の相談で銀行窓口を訪れたAさん。担当者から資産状況を確認していただく中で、思わぬ言葉をかけられました。

「1,120万円が普通預金のままになっていますね。もったいないですよ。それに、銀行が破綻したときに預金保険で守られるのは、1つの銀行につき元本1,000万円とその利息までなんです」

「普通預金のままでは損をしていた?」

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「Aさんが退職金を受け取られた2024年9月当時の普通預金金利は0.1%程度でした。その後、日銀の利上げを受けて金利は段階的に上昇し、Aさんが相談に来られた2026年6月には0.3%前後まで上がっていました。しかしその間、退職直後に有利な運用先を選んでいれば、もっと効率よく資産を増やせていたんです」と担当者。

「それに対して、退職後一定期間内に手続きをすると使える退職金専用の特別金利定期預金や、国が発行する個人向け国債という選択肢もあったんですよ」と担当者から説明を受けたAさん。二つの運用先を初めて知りました。

1.退職金専用の特別金利定期預金

退職後一定期間内(金融機関によって異なり、1年以内とするところも多くあります)に手続きをすると、通常より高い金利が適用される定期預金です。ただし、高い金利は最初の数か月だけのものや、投資信託とのセット購入が条件のものもあるため、中身をよく確認することが大切です。

2.個人向け国債(変動10年)

国が発行する債券で、半年ごとに金利が変動します。2024年9月当時の初回適用利率は0.61%でしたが、その後の金利上昇に連動して利率も上がり続け、2026年6月は年1.74%(税引後約1.39%)まで上昇しています。

国が元本と利息の支払いを保証しているため、元本割れはしません。購入後1年間は換金できず、1年経過後に換金する場合は直前2回分の利息にあたる額(税引後)が差し引かれますが、元本はそのまま戻ります。

「退職直後に相談していれば、もっと有利な条件で運用できていたんですね」とAさん。「知らなかった…もっと早く相談すればよかった」と肩を落としていました。

優遇定期や個人向け国債で効率的に運用しよう

退職金を普通預金に預けっぱなしにしていると、元本割れは防げても本来得られたはずの利息を逃す大きな機会損失を招きます。

投資のリスクを避けたい場合でも、退職後一定期間内に限って優遇金利が適用される「退職金専用定期預金」や、金利上昇に合わせて利率が上がり元本割れしない「個人向け国債(変動10年)」といった安全性の高い選択肢が存在します。特に退職金プランは申込期限が定められているため、退職後は速やかな行動が重要です。

「運用=危険」と決めつけず、自身の許容度に合った運用法を選ぶためにも、早めに金融機関の窓口へ相談して賢く資産を守り育てましょう。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ