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“1,400万円”を2つの口座に分けた60代男性→「預金なら安全だ」と思いきや…2年後、FPに告げられた事実に“立ち尽くしたワケ”

  • 2026.10.30
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!マネーシップス代表の石坂です。

「預金保険は1,000万円まで保護されるから、別々の支店に700万円ずつ分けて預ければ安心だ」

そう思い込んで預金口座を管理していませんか?

今回はファイナンシャルプランナー/IFAのわたしが、同一銀行・複数支店に1,400万円を預けていた66歳男性の事例から、預金保険制度の正しいルールをお伝えします。

退職後に残した1,400万円 「減らさないこと」を最優先にしたAさん

Aさんが会社を退職したのは64歳のときです。それまでの貯蓄や退職金を整理した結果、老後に備えて手元に残しておきたいお金は1,400万円ほどありました。

66歳になった現在は、年金などで月約20万円の収入があります。生活費は月22万円ほどで、毎月大きく不足しているわけではありません。ただ、今後10年、20年と生活していくことを考えると、自宅の修繕費や医療費、介護費なども気になります。

そのためAさんは、「この1,400万円は積極的に増やすお金ではない」と考えていました。株や投資信託は値下がりすることもあるため、まずは銀行に置いておこうと決めたそうです。

一方で、以前どこかで聞いた「預金は1,000万円まで守られる」という話が頭に残っていました。

そこでAさんは、1,400万円をそのまま1つの口座に置かず、A支店の普通預金へ700万円、B支店の定期預金へ700万円と分けました。

「1つ700万円なら1,000万円を超えていない。しかも支店も違うから、両方とも守られるはず」

この考えで安心し、その状態を約2年間続けていたといいます。

「支店が別なら大丈夫?」 相談時に分かったAさんの勘違い

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんから老後資金の相談を受けた際、「預金は1カ所にまとめず、700万円ずつに分けています」と聞きました。

一見すると資金を分散しているように見えます。しかし、どこへ預けているのかを確認すると、A支店もB支店も同じ銀行でした。

そこで、「預金保険では支店の数ではなく、どの金融機関に預けているかで見るんです」と説明しました。

Aさんはしばらく考えたあと、「では、700万円ずつにした意味はなかったんですか」と立ち尽くしていました。

今回のポイントは、「2つの口座があること」と「2つの金融機関に分けていること」は同じではない、という点です。

Aさんの場合、普通預金と定期預金に分かれていても、預け先そのものは1つの銀行です。そのため、預金保険上は700万円と700万円を別々に見るわけではありません。

1,400万円のうち、保護の基準になるのはいくら?

利息が付く普通預金や定期預金などは、金融機関が破綻した場合、預金者1人につき1金融機関あたり元本1,000万円までと、その利息等が保護されます。

今回のAさんなら、普通預金700万円と定期預金700万円を合わせた1,400万円が判定の対象です。このうち元本1,000万円までと利息等が保護され、残る400万円は別の扱いになります。

ただし、「400万円がそのまま消える」という意味ではありません。1,000万円を超えた部分については、破綻した金融機関に残っている財産などに応じて支払われるため、結果として全部戻る場合もあれば、一部が戻らない場合もあります。

Aさんが思っていた「700万円ずつなら両方とも全額保護される」という考え方とは、ここが大きく異なります。

確認したいのは「口座数」より「預け先」

ペイオフ制度による元本1,000万円とその利息の保護は、「1金融機関あたり」で判定されるため、同じ銀行の別支店や普通・定期預金に分けても名寄せされて合算されます。

合算で1,000万円を超えた超過分は破綻時の財産状況に応じた弁済となり、全額戻らないリスクが生じます。全額を預金保険の枠内で安全に管理したい場合は、同一銀行内の支店を分けるのではなく、完全に別の金融機関へ資金を分散して預け入れることが必須です。

口座を分けただけで満足せず、同一金融機関に総額いくら置いているかを定期的に点検し、確実な資産防衛を行いましょう。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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