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80代女性「まとまったお金がいる」定期預金を解約しに銀行へ→担当者「何に使うか」確認すると…判明した“恐ろしい事実”

  • 2026.11.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「うちの親はしっかりしているから、特殊詐欺になんて騙されるはずがない」

そう思って安心していませんか?

「還付金がある」という甘い言葉や役所を名乗る電話に誘導されるトラブルは後を絶ちません。役所や年金事務所が還付金の手続きのためにATM操作やお金の準備を指示することは絶対にありませんが、本人は「家族に心配をかけたくない」と一人で抱え込み、疑わずに指示に従ってしまうのです。

今回は、定期預金の解約寸前で詐欺を防いだ事例と、元気なうちに親子で進めるべき防犯対策をお伝えします。

「母が、定期預金を解約したいと窓口に来まして」

きっかけは、Aさんの母親が取引先の銀行の窓口を訪れたことでした。

80代の母親は「まとまったお金がいる」と、定期預金の解約を申し出ました。普段はATMで少額を引き出すくらいで、窓口で大きな金額を動かすことはほとんどありません。応対した担当者は、いつもと違う様子に気づきました。

「差し支えなければ、何にお使いになるか教えていただけますか」とたずねても、母親ははっきり答えず、「ちょっと必要なの」と繰り返すばかり。手元には、電話番号らしきものを走り書きしたメモを握っていました。

担当者は無理に問いただすことはせず、『念のため、ご家族にも確認させていただけますか』と伝え、母親の了承を得て、教えてもらった番号に電話をかけました。それが、離れて暮らす娘のAさんでした。

「急に銀行から電話が来て、驚きました。母がまとまったお金を下ろそうとしている、と」

「電話の相手を、確かめないまま」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

駆けつけたAさんが母親から話を聞くと、経緯が少しずつ見えてきました。

数週間前、母親のもとに「還付金がある」という電話がかかってきていました。『還付金を受け取る前に、手続きの保証金を先に納める必要がある。現金で用意してもらえれば、後日職員が自宅に受け取りに行く』と言われ、指示されるまま用意しようとしていたのです。

「役所や年金事務所が、還付のためにお金を振り込ませたり、用意させたりすることはありません」「それに、還付のお金を受け取るのにATMを操作する、ということもないんです」と担当者。

Aさんは青ざめました。

「母は『あなたに心配をかけたくなかった』と。相手を疑いもせず、言われたとおりにしようとしていたんです。うちの親に限って、と思っていました」

幸い、今回は窓口で気づけたため、大きな被害には至りませんでした。あと一歩のところでした。

「元気なうちに、できる備えがあります」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

落ち着いたところで、担当者はAさんに、いくつかの備えを伝えました。まずは、ATMの利用限度額をあらかじめ低くしておくことです。

「普段、高額の振り込みや引き出しをされない方なら、1日に使える上限をあらかじめ低く設定しておくと安心です。もし指示されるまま操作しようとしても、大きな金額はその場では動かせません」

実際、近年は多くの銀行が、一定年齢以上の方などについてATMの引き出しや振り込みの限度額を引き下げる取り組みを進めています。変更は窓口で相談できます。

「それから、通帳の記帳をときどきしていただくこと。お金の動きを親子で見ておくだけでも、いつもと違う出金に早く気づけます」
「そして、ご本人の同意のうえでご家族の連絡先を前もって届け出ておいていただくと、今日のようなときに私どもからご連絡しやすくなります。ご本人が言い出しにくいことでも、ご家族になら確認できることがあるんです」と担当者。

Aさんは、こう話してくれました。
「これまで、母のお金のことに立ち入るのは失礼だと思っていました。でも、今日のことがなかったらと思うと、ぞっとします」

担当者は、最後にこう伝えました。
「お金の話は切り出しにくいものですが、『こういう電話があったら、いったん私に相談してね』と一言決めておくだけでも違います。ご本人を疑うのではなく、二人で気をつけようね、という形でお話しされるのがよいと思います」

「あやしい電話は一人で判断しない。それを母と約束します」とAさんは前向きに話してくれました。

親が元気なうちから「家族ルール」で詐欺に備えよう

還付金を名目にした詐欺では、役所や公的機関がATM操作や振り込み、現金の受け渡しを求めることは一切ないため、不審な電話があった際はその場で判断せず家族へ確認するルールが不可欠です。

被害を未然に防ぐ具体的な対策として、ATMの1日あたりの利用限度額をあらかじめ低く設定しておくことや、本人の同意のうえで、金融機関に家族の連絡先を届け出ておくことが大切です。定期的な通帳記帳で異常な出金を早期に察知する体制も整えましょう。

「親を疑う」のではなく「家族で一緒に防ぐ」という姿勢で日頃からコミュニケーションを取り、元気なうちから資産防衛を進めていきましょう。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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