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「金の価格も上がってるし…」“プラチナのアクセ3点”を買取に出した60代女性→鑑定士に告げられた“査定額”に「えっ、嘘でしょ…」

  • 2026.10.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役鑑定士のSです。

「プラチナカード」「プラチナチケット」など、プラチナと聞くと“金よりも上”というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
ここ数年は、「金の価格が過去最高に」というニュースがたびたび流れています。

今回は、そのニュースを見て「プラチナも上がっているはず」と期待して来店されたお客様のエピソードを紹介します。

「プラチナも上がってるんでしょ?」

1年半ほど前、私が働く買取店に、60代の女性・Mさんがいらっしゃいました。

「金がすごく上がってるって、ニュースで見たの。プラチナも上がってるんでしょ?」

Mさんがカウンターに並べたのは、プラチナのアクセサリーが3点。
石のついた指輪と、平打ち(幅が広く平らな形)の指輪、それにネックレスです。

「シルバーの色の方が服に合わせやすくて、ずっとプラチナばかり買ってきたの。プラチナカードっていうくらいだし、金より上でしょ?」

言いづらい査定額

刻印を確かめると、指輪2本は「Pt900」(プラチナが90%ふくまれたもの)、ネックレスは「Pt850」。

指輪の石は小さなもので、残念ながら値段はつきません。はかりに載せると、3点あわせて約8.8グラムでした。

当時の買取相場(1グラムあたりの買取価格)は、Pt900が約4,000円、Pt850が約3,700円。
期待が大きいお客様ほど、金額をお伝えするときは気をつかいます。

「大変申し上げにくいのですが……プラチナは今ですね、全部で3万4,000円ほどになってしまいます」

同じ重さの金なら3倍

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「えっ、嘘でしょ…プラチナってそんなに安いの?」

同じ重さの18金なら、当時は約10万6,000円。
プラチナの3倍ほどの金額です。

「プラチナの方が高かった時代も長かったんです。ただ、ここ数年は金の値段がどんどん上がって、逆転しているんですよ」

Mさんは、並べたアクセサリーをじっと見つめています。
そこで私から、ひとつご提案を。

「もし今すぐお売りになる必要がなければ、このままお持ちいただいてもいいと思いますよ」

Mさんは少し考えてから、うなずきました。

「そうね。この金額なら、私が使っていた方がいいわよね。それか、欲しい人にあげた方がいいわね」

3点を大事そうに袋へ戻し、Mさんはそのまま持ち帰られました。

金とプラチナの上下は入れ替わる

プラチナは、金よりも採れる量が少ない金属です。そのため、かつては金より高い値段がつくのが当たり前でした。

ところが、プラチナは車の部品など工業用に使われることが多く、景気の変化で値段が大きく動きます。
一方の金は、世の中が不安定になると「安全な資産」として買われやすく、ここ数年で大きく値上がりしました。

その結果、今は金の方がずっと高い状態が続いています。「プラチナ」という名前のイメージだけで、金より高いとは限らないのです。

売る前に確かめたい2つのこと

1つ目は、売る日の相場を、金属ごとに確かめること。
金とプラチナは、それぞれ別々に値段が動きます。
地金(金属のかたまり)を扱う会社のホームページなどで、その日の価格を見ておくと安心です。

2つ目は、どこに値段がついているのかを聞くこと。
小さな石は、値段がつかないことも少なくありません。
「何に、いくらついたのか」を聞けば、金額にも納得しやすくなります。

ニュースの「金が高い」は、すべての貴金属が高いという意味ではありません。金額に納得できなければ、使い続けたり、家族に譲ったりするのも1つの選択です。
手元のアクセサリーが何でできているのかを知ってから、どうするかを考えてみてください。


執筆:現役鑑定士S
現役の宝石・貴金属鑑定士。買取の現場で、これまで数千点の宝石・貴金属を査定してきた。

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