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「何かあっても安心」愛犬に“1,000万円”を残そうと遺言書を作った60代女性→法律の無料相談で突きつけられた“思わぬ落とし穴”

  • 2026.10.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

亡くなった後に財産を相続するのは配偶者や子どもなどの法定相続人です。

しかし、法定相続人以外にも財産を残したいと遺言書を作成するケースがあります。

今回は、愛犬に財産を残そうと遺言書を作成したが、その内容では愛犬に財産を残せないと知った女性の体験談です。

愛犬に1,000万円の財産を残そうと遺言書を作成したけど

60代の女性・Aさんは夫に先立たれ、家族は2人の息子と1歳の愛犬です。

息子たちは独立しており心配はいりません。唯一心配なのは、愛犬だったそうです。

「もし、自分になにかあったら…」

そう思ったAさんは遺言書を作成。

「自分の死後、預金3,000万円のうち1,000万円は愛犬に相続させる」

これで何かあっても安心のはずでした。ところが遺言書を作成したと息子たちに報告。

しかし、息子の返答に「ん?」となりました。

「そもそも、犬に相続させることできるの?」
「…」

愛犬は相続人にはなれない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

法律の無料相談に行ってAさんはショックを受けました。

愛犬は家族の一員であっても、法律上は財産を受け取る相続人(相続犬?)にはなれないのです。

相続できるのは、原則として配偶者や子どもなど民法で定められた相続人です。そのため、「愛犬に1,000万円を相続させる」と遺言書に書いても、愛犬自身が財産を受け取ることはできません。

愛犬に財産を残す方法

犬自身に財産を相続させることはできませんが、愛犬のために財産を残すにはいくつかの方法があります。

たとえば、愛犬の世話をすることを条件として、財産を遺贈する「負担付遺贈」という方法があります。また、愛犬の飼育費などに使うために財産を信頼できる人に管理してもらう方法として、「ペット信託」を選ぶ人もいます。

Aさんの息子たちの住まいは賃貸マンションであり、ペットを飼うことができませんでした。

そこでAさんは、長年付き合いのある愛犬仲間のBさんに相談。

「もし私に何かあったら、この子をお願いできないかな?」

Bさんは快諾。Aさんは「愛犬の世話をしてもらうことを条件として、Bさんへ1,000万円を遺贈する」という内容で遺言書を作り直しました。

「1,000万円を遺贈すると相続税は?」

BさんはAさんの法定相続人ではありません。

しかし、遺贈によって財産を受け取った場合は相続税の対象になります。

さらにBさんは、配偶者や一親等の血族などに当たらず、原則として算出された相続税額に20%が加算されます。

ただし、相続税は3,000万円+(法定相続人×600万円)までの基礎控除があります。Aさんの場合は2人の息子が法定相続人になり、基礎控除は4,200万円です。

Aさんの財産は預金3,000万円だけであったことから、相続税の心配はありませんでした。

ペットに財産を残すには生前の準備が重要

ペットには直接、財産を残すことができません。そのため、事前にどのような方法で残すのかを決めておくのが重要です。

法律上はペットも動産として「財産」です。財産であり家族であるペットが幸せに暮らせるよう、託す相手にどれくらいの費用や税負担が生じるのかも含めて、あらかじめ試算しておくとよいでしょう。

ペットに財産を残すのは、法律や税金について専門的な判断が必要な場合があるため、弁護士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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