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「定期預金より有利」1,000万円を“米ドル建ての終身保険”に入れた70代女性→3年後、解約を申し出るが…窓口で知った“思わぬ事実”

  • 2026.10.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、定期預金の満期金を外貨建ての保険に替えた70代のAさんの体験談です。

「預金と同じように、必要なときはいつでも1,000万円を引き出せる」

そう思っていたAさんでしたが、3年後、解約を申し出た窓口で、戻ってくる金額が1,000万円を下回ると知ります。契約する前に確かめておきたいポイントをご紹介します。

満期の手続きで勧められた保険

70代女性のAさん(仮名)は、夫を見送ってから一人で暮らしています。

3年前、長く預けていた定期預金1,000万円が満期を迎えました。手続きのため銀行を訪ねると、担当者から米ドル建ての一時払い終身保険を紹介されます。

「定期預金より有利ですよ。米ドルの金利で運用されて、相続のときにも役立ちます」

担当者は、為替の動きによって受け取る額が変わることも説明し、書面を渡しました。Aさんは説明を聞き、申込書に署名します。

ただ、Aさんの心に強く残っていたのは、「定期預金より有利」という言葉でした。

銀行で契約したこともあり、預金の一種のように受け止めていたのです。

修繕費のために解約を申し出ると

ある日、自宅の屋根と外壁の修繕に300万円ほどかかることが分かりました。

Aさんが窓口で保険の解約を申し出ると、担当者から示された解約返戻金は、円に換えて約940万円でした。

「1,000万円を預けたのに、減っているのですか?」

Aさんは言葉を失いました。担当者は、その理由を順に説明します。

  • 契約から一定期間内の解約では、積立金から「解約控除」が差し引かれる
  • 解約時の市場金利が契約時より上がっていると、「市場価格調整」で解約返戻金が減ることがある
  • 円に換えるときの為替相場によっては、さらに目減りする

Aさんの契約は、10年間は解約控除がかかる内容でした。契約から3年がたち、クーリング・オフの期間もとうに過ぎていました。

保険は預金保険の対象ではない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんがもうひとつ驚いたのは、保険は預金ではないため、銀行で加入しても預金保険制度では保護されないことでした。

保険会社が破綻したときは、生命保険契約者保護機構により、原則として責任準備金等の90%までが補償されます。受け取る保険金などの90%が補償されるという意味ではありません。

国民生活センターによると、外貨建て生命保険の相談は2018年度に538件あり、70歳以上が約半数を占めていました。銀行などの代理店で新たに契約した外貨建ての保険・年金に関する苦情も、2019年度の2,822件から大きく減ったものの、2025年度に744件ありました(生命保険協会の集計をもとに金融庁が作成)。

一方で、すべてを解約せずに済む方法もありました。

商品によっては、保険金額を減らして一部だけを解約したり、解約返戻金の一定範囲内でお金を借りる「契約者貸付」(利息がかかります)を利用したりできます。

Aさんは、修繕に必要な分だけを一部解約し、残りはそのまま持ち続けることにしました。

「いつ使うお金なのか、契約する前に考えていませんでした」

契約の前に、戻る額を確かめる

外貨建ての保険は、長く持つことを前提にした商品です。数年で使うかもしれないお金を入れると、Aさんのように、戻る額が払い込んだ額を下回ることがあります。

契約する前に、次の点を確かめておきましょう。

  • いつまでに使う予定のお金なのか
  • 解約控除がかかる期間と、年ごとに戻る額の目安
  • 円に換えるときの為替手数料

一人で判断するのが不安なら、家族に同席してもらうのもひとつの方法です。

外貨建ての保険は、預金と同じ感覚で選ばず、途中で解約した場合にいくら戻るのかまで確かめてから契約することが大切です。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。


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