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「それなりの金額になる」“1カラット超のダイヤの指輪”を売った70代女性→買取店で告げられた驚きの査定額に“言葉を失ったワケ”

  • 2026.10.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!ライターの現役鑑定士Sです。

「主人もいなくなったし、そろそろ身の回りを整理しようと思って」そう言って買取店のカウンターに5つの指輪を並べたのは、74歳の女性でした。どれも1カラットを超えるダイヤモンドの指輪です。

「ダイヤが好きでね。お店ですすめられて、気に入ったら買う。それを繰り返してきたの」一番古いものは30年ほど前、新しいものでも15年前の購入。1本あたり100万〜200万円、5本合わせると780万円ほどになるといいます。

女性の表情からは、「それなりの金額になるはず」という期待が伝わってきました。

「4C」で見ると、評価は大きく変わる

ダイヤモンドの価値は「4C」と呼ばれる4つの基準で決まります。重さ(カラット)・色(カラー)・透明度(クラリティ)・研磨の出来(カット)の4つです。

ルーペでのぞくと、5本のうち3本には「カーボン」と呼ばれる黒い点が見えました。透明度を大きく下げる内包物です。残りの2本も、カットがやや甘く、ダイヤ本来の輝きが十分に出ていませんでした。1カラットという大きさはあっても、グレードは決して高くなかったのです。

女性は、買うときに4Cを気にしたことはなかったそうです。「すてきね」と思えば、それで決めていたのです。

値段を言う前に、聞いたひと言

期待の大きさを感じた私は、すぐには金額を伝えませんでした。代わりに、こう聞きました。

「この指輪を、またお使いになる機会はございませんか?」

「どうして?」と聞き返す女性に、私は正直に伝えました。

「おそらく、お客様が思っていらっしゃる金額には届かないと思うんです」

女性は少し考えてから、こうおっしゃいました。

「でも、せっかくここまで来たし、やっぱりお値段は聞きたいわ」

そこで、査定額をお伝えしました。

5本の査定額は、26万円・19万円・14万5,000円・7万8,000円・4万2,000円。

合計71万5,000円でした。女性は言葉を失った様子で、指輪を見つめていました。

なぜ、ここまで下がるのか

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

理由は大きく3つあります。

1つ目は、お店に並ぶまでに、何重にも利益が上乗せされていること。宝石は、製造元から問屋(卸業者)、そして宝石店へと渡るたびに、それぞれの利益が乗っていきます。間に入る業者が1社増えるごとに、価格は1.5〜2倍になるとも言われます。そこに、お店の家賃や人件費、広告費、デザイン料なども加わります。

2つ目は、買取では、石そのものの価値が値段の中心になること。デザインが評価されることもありますが、30年前のデザインに上乗せがつくことはほとんどありません。

3つ目は、鑑定書があっても、そのまま信用できるとは限らないこと。鑑定する機関によって評価の厳しさに差があり、甘めに出ている鑑定書は、業者の間では割り引いて見られることがあります。

「あなたに買ってほしい」

私は最後に、「ほかのお店と比べていただいても、もちろん大丈夫です」とお伝えしました。納得できないまま手放すより、そのほうが後悔がないからです。

すると女性は、少し笑ってこう言いました。

「理由までちゃんと説明してもらえて、すっきりしたわ。あなたに買ってもらいたいわ」

女性は4本を売り、一番思い出のある1本だけを持ち帰りました。

宝石は、買った時の値段で売れるものではありません。これから宝石を買う方は「4C」を、売る方は「なぜこの金額なのか」を、ぜひ店員に聞いてみてください。その答え方で、信頼できるお店かどうかが分かります。


執筆:現役鑑定士S
現役の宝石・貴金属鑑定士。買取の現場で、これまで数千点の宝石・貴金属を査定してきた。


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