1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「1日休んだだけなのに、どうして…」事務職から派遣に転職した30代女性、2か月後に日本年金機構から届いた“1通の封書”に驚き

「1日休んだだけなのに、どうして…」事務職から派遣に転職した30代女性、2か月後に日本年金機構から届いた“1通の封書”に驚き

  • 2026.10.9
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!社会保険労務士法人に勤めていたライターの原典屋です。

「次の職場に移る前に1日だけ有休を使わず休んでリフレッシュしよう」そう考えて退職日を「月末の前日」に設定してはいませんか?

実は、社会保険(健康保険・厚生年金)は「月末時点で加入しているか」によってその月の保険料の支払い先が決まるルールが存在します。今回は元社労士の私が、退職日の損する選び方と正しい有休活用法をお伝えします。

突然届いた日本年金機構からの封書

「1日休んだだけなのに、どうして私に国民年金の案内が来るんですか…」

顧問先の総務の方から、こんな問い合わせを受けたのは11月の終わりでした。声の主は大阪に住む32歳の女性で、9月29日に事務の仕事を辞め、10月1日からは派遣社員として次の職場で働いていました。

その彼女のもとに日本年金機構から「届出はお済みですか」と書かれた封書が届き驚いたというのです。あいだの9月30日は、新しい職場に移る前に1日休みたいと本人が自分で選んだ休みでした。

9月30日、どこの保険にも入っていない1日

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

理由は、その1日にありました。会社の健康保険と厚生年金からは、退職日の翌日に外れます。9月29日に辞めると外れるのは9月30日で、次の会社の保険に入るのは10月1日です。つまり9月30日は、どこの保険にも入っていない1日になっていました。

国民年金と国民健康保険は、月末の日にどこに入っているかでその月の扱いが決まります。9月の月末に会社の保険に入っていなかった彼女は、9月分の国民年金と国民健康保険を自分で納めることになりました。年金機構は会社を辞めて届出をしていない人に2か月ほどで案内を送り、それでも届出がなければ自動的に加入させる仕組みになっています。

たしかに最後の給料からは9月分の保険料が引かれず、月の給料が26万円ほどの彼女なら、手取りは厚生年金の分で2万3,790円、健康保険と合わせて3万7,000円ほど増えていました。けれどもそのあとで納める国民年金は当時月1万6,410円で、国民健康保険もたとえば当時の大阪市の料率でざっと計算すると1か月2万4,000円ほどになります。増えた手取りと後から払う額はほぼ同じか、後から払うほうが多いくらいです。しかも9月は厚生年金に入っていない月として記録に残るので、将来の年金もその分少なくなります。

私は総務の方に、市役所で国民健康保険と国民年金の届出をして9月の1か月分を納めるよう、本人に伝えてほしいとお願いしました。電話口での総務の方の返事は、「本人に伝えます」の一言だけでした。電話を切ってから、退職の手続きをした段階で一言添えていればと思いました。

彼女が休んだのは1日でしたが、その1日が、9月まるごと1か月分の国民年金と国民健康保険になっていたのです。

「月末の前日」を勧めてくる会社もある

実はこの「月末の前日」という退職日を、会社のほうから勧めてくることもあります。

私が担当していた別の顧問先では、総務の方が退職する社員に「月末に辞めると保険料が2か月分引かれます。前日にすれば1か月分で済みますよ」と勧めていました。その月の保険料は、会社が負担する分も払わずに済むからです。

1日休みたいなら、月末の日を退職日にして最後の日を年次有給休暇にすれば、会社の保険から外れるのは翌月1日になり、次の会社の保険に入る日とぴったり重なります。有給休暇なのでその日の給料も減らず国民年金や国民健康保険の届出に市役所へ行く必要もありません。今の国民年金保険料は月1万7,920円です。

月末の前日を勧められても「月末で辞めたい」と伝えて問題ありません。社会保険の仕組みを理解したうえで退職日を検討しましょう。


執筆:原典屋
社会保険労務士法人に5年勤務し、顧問先30法人以上の人事労務を担当。社会保険労務士試験合格(現在は未登録)。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ