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「え?そんな…」父の死後に“残高800万円”の通帳を見つけた40代娘→後日、銀行窓口で告げられた思わぬ事実に“耳を疑ったワケ”

  • 2026.10.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

元金融機関OLでFPのかきまりです。

相続の手続きが一通り終わり、ホッと一息ついたころに見慣れない通帳が出てきたらどうするでしょうか。しかも、開いたページに「残高800万円」の記載があったら……。

今回ご紹介する40代女性のAさんも、亡き父の遺品整理中にそんな思いがけない通帳を発見しました。「これで家族旅行に行ける!」と色めき立ったのも束の間、銀行窓口で告げられたのは予想もしない事実でした。

実の家族への疑念にまで発展してしまった今回の出来事を通して、相続後に見つかる預金トラブルや、生前のお金の動きを確認する重要性をFP目線で分かりやすく解説します。

遺品整理で見つかった「残高800万円」の通帳

父が亡くなり、相続などの手続きが一通り終わってようやく一段落した40代女性のAさん。涼しくなってきた秋、遺品整理を兼ねて実家の大掃除を手伝っていました。

すると、片付けの最中に1冊の通帳が出てきました。母に見せても心当たりがない様子。

「あら?そこの銀行の通帳なんて、お父さん持ってたんだ?」

気になって開いてみると、亡き父名義の普通預金通帳には残高800万円の記載がありました。思いがけない大金の発見に、家族はびっくり。

「お父さんには悪いけど、これでみんなで旅行に行けるね!」

そんな話で盛り上がり、思いがけず見つかった800万円に、家族の期待も膨らみました。

窓口で告げられた「思いもよらない事実」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

後日、Aさんは他の金融機関で使用した戸籍謄本などの必要書類を揃え、該当の銀行窓口へ向かいました。

待ち時間にATMで記帳を試みたものの、画面には「窓口へお越しください」の表示。「亡くなった方の口座だから記帳できないのかな」と気に留めず、番号が呼ばれるのを待ちました。

窓口で通帳を差し出すと、行員から「お取引内容を確認してまいりますので、少々お待ちください」と案内されます。待っている間、Aさんはスマートフォンで旅行先を検索しながら胸を躍らせていました。

しかし、戻ってきた行員から告げられたのは予想外の言葉でした。

「こちらの口座はすでにご解約されております。お父様名義のお取引は当行にはございません」

思いもよらない説明に、Aさんは耳を疑いました。

「え?そんな…。でも、通帳には出金した形跡もないのに…。いつ、どこで解約したの? 本人が手続きしたの?」

次々と疑問が浮かびましたが、思わず問い詰めたくなる気持ちを抑え、Aさんは落ち着いて確認することにしました。

兄への疑念と、生前贈与をめぐる懸念

父の相続人は、母、Aさん、そして兄の3人です。

「まさか、お父さんは生前にお兄ちゃんへ800万円を渡したのでは……?」

母とAさんの脳裏に疑念がよぎります。しかし、兄にお金を渡す理由に心当たりはありません。事実を確認するため、Aさんは銀行に取引履歴の開示を相談しました。

相続人であれば、ほかの相続人の同意がなくても、亡くなった方の口座の取引履歴の開示を求めることができます。解約済みの口座でも、銀行が記録を保存している期間内であれば、調べてもらえることが一般的です(手数料や回答までの日数は金融機関によって異なります)。

もし口座から引き出されたお金が家族へ贈与されていた場合、相続税の「生前贈与加算」に関わる可能性があります。加算対象となる期間は死亡時期によって段階的に延長されており、2026年12月31日までは原則「死亡前3年以内」、以降は法改正により順次延長され、2031年1月1日以降は「死亡前7年以内」の贈与が対象となります。申告漏れを防ぐためにも、使途不明金の確認は欠かせません。

今回は解約済みの口座だったため、確認に時間がかかり、後日、回答をもらえることになりました。

800万円の行方は、まさかの車の購入代金!

銀行に調査を依頼した結果、思いもよらない真相が判明しました。

父は生前、通帳を紛失したため、銀行に紛失の届け出をしたうえで口座を解約し、その資金を自動車ディーラーへ直接振り込んでいたのです。

「あっ、そういえばお父さん、車を買い替えていたわね……。相続のときに車は手放したから、どのお金で買ったかまでは気にしていなかったわ」

母の言葉で、すべてのつじつまが合いました。兄への疑いは完全に思い過ごしだったのです。

家族を疑ってしまった苦い後味

事実が分かって安心したものの、Aさんたちの気持ちは複雑でした。

通帳を見つけたときは、思いがけず800万円が手に入るかもしれないと期待し、家族旅行の計画まで話していたのです。

ところが、実際には父が生前に車を購入した代金。もともと自分たちのお金だったわけではないので、損をしたわけではありません。それでも、なんだか800万円を失ったような気分になってしまいました。

しかも、真相を確かめるために銀行へ足を運び、取引履歴を取り寄せるための手数料まで支払うことに。結局、分かったのは、父が生前に車を購入していたという事実でした。

もちろん、事実を確認できたことには意味がありました。それでも、期待してしまった分だけ、なんとも言えない気持ちになったAさんたちでした。

それにしても、800万円の行方が分からないというだけで、実の兄まで疑ってしまった自分たちの思考回路には、Aさんも驚かされました。

お金が絡むと、普段なら考えもしないようなことまで疑ってしまうものなのかもしれません。思いがけない通帳の発見は、Aさんたちにとって、なんとも複雑な気持ちが残る出来事となったのでした。

相続後に通帳が見つかったら

相続手続きのあとに亡くなった方の通帳が見つかったら、まずはその銀行に、口座が残っているかどうかを問い合わせましょう。

口座が残っていて預金があった場合は、相続人全員で分け方を話し合う必要があります。相続税の申告をしていた場合は、申告のやり直し(修正申告)が必要になることもあります。

また、元気なうちに、使っている口座や大きな買い物の記録を家族と共有しておくと、今回のように家族が疑心暗鬼になることを防げます。


執筆:かきまり|元金融OL・現役FP

金融機関で14年間勤務した後、Webライターに転身。銀行業務、保険業務では、預金や資産運用、保険商品の提案をはじめ、相続対策や資産形成、ライフプランに関するアドバイスなど、多くのお客様の相談に携わってきた。専門的な内容も読者目線でかみ砕いて伝え、「読んで終わり」ではなく、実際の行動につながる実用的なコンテンツを目指している。FP2級/AFP資格保有。

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