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「何もしなくていい」父の死後、“母の500万円の終身保険”を放置した50代娘→3ヶ月後、実家に届いた“1通の封書”に青ざめたワケ

  • 2026.10.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務し、営業や営業所長、企画、事務などを経験してきた「あしふみ」です。

 「母の保険なのだから、父が亡くなっても関係ない」

親の保険について、そう考える方は少なくないでしょう。ところが、保険の対象が母でも、契約者が父になっている場合は、父が亡くなったときに手続きが必要になります。

今回は、父の死から3か月後に届いた1通の通知で、そのことを初めて知った55歳女性の事例をご紹介します。

※個人が特定されないよう、内容の一部を変更しています。

「母の保険だから、うちは何もしなくていい」

Aさん(仮名・55歳)は、82歳の父を亡くしました。実家には79歳の母が一人で暮らしています。

父は生前、母のために死亡保険金500万円の終身保険に入っていました。保障の対象は母。ただ、契約をしたのも、毎月の保険料を払っていたのも父で、保険料は父の口座から引き落とされていました。

「母の保険なんだから、父が亡くなっても何も変わらない」

Aさんはそう考え、葬儀や役所への届け出、年金や銀行の手続きを優先しました。銀行に父の死亡を伝えると、父の口座は取引が止められました。 

3か月後に届いた1通の通知

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ようやく落ち着いたころ、実家に保険会社から封書が届きます。中には「保険料が引き落とせませんでした」という案内が入っていました。

青ざめて保険会社に連絡すると、担当者はこう説明しました。

「ご契約者のお父さまがお亡くなりになったため、相続人の方の中から新しいご契約者を決めていただき、名義を変更するお手続きが必要です。あわせて、保険金の受取人もお父さまのままになっております」

「母の保険なのに、父の手続きが必要なのですか?」

さらに、保険料を払わないまま一定の期間が過ぎると、契約が失効するおそれがあることも知りました。もし失効すれば、79歳の母が今から同じ保障を同じ保険料で用意し直すのは、年齢や健康状態によっては難しいかもしれません。Aさんは血の気が引く思いだったといいます。

 「契約者」「被保険者」「受取人」の違い

生命保険には、立場の異なる3人が登場します。

  • 契約者:保険会社と契約を結び、保険料を支払う義務を負う人。契約内容の変更や解約ができる
  • 被保険者:その人の生死や病気が保障の対象になる人
  • 受取人:保険金を受け取る人

Aさんの家では、契約者が父、被保険者が母、受取人が父でした。被保険者の母が元気なので、契約そのものは続きます。しかし、契約を動かす権限を持つ父がいなくなったため、その立場を誰が引き継ぐかを決める必要があったのです。

新しい契約者は、一般的に相続人の話し合いで決めます。名義の変更には、被保険者の同意と保険会社の承諾も必要です。手続きでは、死亡の事実や相続関係がわかる戸籍の書類、相続人全員の同意書などを求められることが多く、必要書類は保険会社によって異なります。

引き落とせないと、どうなるのか

月払いの保険料が引き落とせなかった場合でも、すぐに契約がなくなるわけではありません。一般的には1〜2か月程度の「猶予期間」があり、その間に払い込めば契約は続きます。ただし長さは保険会社や契約によって異なるため、「数か月放っておいても大丈夫」というわけではありません。

また、解約返戻金がある契約では、保険会社が保険料を自動的に立て替える仕組みが働くこともあります。ただし、これは保険会社からの借り入れにあたり、利息がかかります。いずれにしても、放っておいてよいものではありません。

保険も「相続」の話し合いの対象に

もうひとつAさんが知らなかったのは、この保険の契約者としての権利が、父の相続財産として扱われるという点です。

被保険者が生きている保険でも、相続の話し合いの対象になる場合があり、税務上の扱いが関係する可能性もあります。具体的な税金については、税務署や税理士に確認するよう保険会社から案内されました。

Aさんは母と兄を交えて家族で話し合い、母を新しい契約者にすることを決めました。保険料の引き落とし口座も母の口座に切り替え、受取人もあわせて見直しています。猶予期間のうちに手続きを終え、契約は無事に続けられることになりました。

「父が亡くなったとき、真っ先に保険会社にも連絡すればよかった」とAさんは振り返ります。

 親が元気なうちに確認しておきたいこと

親の保険は、子どもが内容を知らないことも多いものです。次の3点を、親が元気なうちに一緒に確認しておきましょう。

  1. 契約者は誰か:保障の対象(被保険者)と、契約者が違う人になっていないか
  2. 保険料はどの口座から払っているか:契約者が亡くなると、口座が止まることがある
  3. 受取人は誰か:亡くなった人や、今の家族状況に合わない人になっていないか

    「誰の保険か」だけでなく「誰の名義で、どこから払っているか」まで知っておくこと。それが、家族を亡くした直後の慌ただしさの中で、「思っていたのと違った」を一つ減らすことにつながります。

※契約者が亡くなった場合の手続き、必要書類、猶予期間、保険料の自動振替貸付の有無、相続や税務上の取り扱いは、保険会社・商品・契約内容や家族の状況によって異なります。詳しくは加入先の保険会社へお問い合わせください。税務については、税務署や税理士にご確認ください。

執筆:あしふみ

大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務。個人・法人営業、営業所長、企画・販売促進、事務部門などを経験。FP2級の知識と保険実務の経験を生かし、保険や家計に関する情報を分かりやすく伝えている。

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