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「この物件がいいんです」2,800万円のマンションを買った70代父→相場より高いのになぜ…5年後、遺言書で発覚した“驚きの理由”

  • 2026.10.23
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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

不動産を購入するとき「相場より安いお得な物件がほしい」と考えますよね。ところが、Bさん(40代・男性)の父は「相場より高く割高な物件」を購入しました。

不動産会社に騙されたわけではありません。高値で購入したのには“ある理由”がありました。

「もっとおすすめの物件ありますよ」と言われたのに

70歳の父がその物件を購入したのは5年前。

当時、不動産会社の担当者と父が話す内容が不思議だったとBさんは振り返ります。

「こちらの物件は2,800万円、周辺の相場より数百万高いですよ。もっとお得な物件を紹介できますけどよろしいんですか」

そう話す営業マンに父は一言。

「この物件がいいんです」

なぜ、父がわざわざ相場より高いマンションを購入したのか。その答えが判明したのは5年後に父が亡くなってからでした。

答えは遺言書の中にあった

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

父の葬儀の後に、母とBさんと妹で遺言書を確認することになり疑問が解明されます。

「預貯金と自宅は母に。2戸の賃貸マンションはBさんと妹にそれぞれ相続させる」旨、記載されていました。

「遺言書を読んだ時にはすぐ気づきませんでした。でも、相続税評価をするために物件の詳細を確認していって分かりました。私と妹が相続したマンションは、築年数、広さ、間取り、立地エリア、家賃収入がほぼ一緒だったんです。なぜ相場より高い物件を購入したのかそれでようやく理解できました」

兄妹に平等に財産を残したかった

父が重視していたのは、安く買うことではありませんでした。
Bさんと妹、それぞれに同条件の賃貸マンションを1戸ずつ残すこと。

先に購入していた2,500万円のマンション1戸と、築年数や広さ、間取り、立地、家賃収入まで近い物件はなかなか見つかりませんでした。ようやく条件に合う物件を見つけたものの、売出価格は周辺の相場より数百万円高め。

たとえ相場より高くても、子どもたちに平等に財産を残すために、父は購入を決断。

「現金を半分ずつ残すより、それぞれに同じような収入を生む物件を残したかったんだと思います」

相続時に兄妹で争いが起きないように考えていたのでしょうねと、寂しそうな様子で話すBさん。

不動産は“買った値段”で相続税を計算するわけではない

不動産を相続したときの相続税評価額は、原則として購入価格や現在の売却相場をそのまま使うわけではありません。

土地や建物は相続税上のルールに従って評価します。特に賃貸中のマンションは、土地・建物について賃貸している事実が評価額に影響します。

そのため、購入価額が300万円違うマンションであっても条件がほぼ同じであった兄妹のマンションの相続税評価額はどちらも約1,500万円と近い金額になりました。

“税金を減らす”だけが相続対策ではない

相続対策と聞くと「いかに税金を安くするか」だけ考えてしまいがちですが、いかに平等に財産を分けるかも相続でもめないためには必要です。

割高に物件を購入したBさん父は、損な買い物をしたように見えます。しかし、兄妹に公平に財産を残し、相続でもめないことを優先した選択だったのでしょう。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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