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「元本は減らない」“国債500万円”を買おうとした60代男性→銀行窓口に向かうと…担当者から告げられた事実に“耳を疑ったワケ”

  • 2026.10.25
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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

「国が発行する国債だから、500万円は減らずに戻ってくる」。そう思っていたのに、途中で売ると490万円になってしまう可能性があるとしたら、驚く方も多いのではないでしょうか。

実は、同じ国債でも、途中で現金に戻す方法は異なります。知らずに購入すると、必要なときに思わぬ損失が生じるかもしれません。

老後資金を増やそうとした60代男性が、銀行窓口で知った意外な違いとは何だったのでしょうか。

「500万円は減らないはず」63歳男性が銀行で知った誤算

63歳のOさんは、退職後の生活に備え、貯金の一部を定期預金に預けていました。しかし、利息は思ったほど増えず、もう少し有利な預け先を探していました。

老後資金を減らしたくないため、株式など値動きの大きい商品には慎重でした。そこで関心を持ったのが、国が発行する国債です。

なかでも目に留まったのが、2026年10月募集の「新窓販5年国債」でした。表面利率は年2.4%。額面500万円分を購入すれば、半年ごとに6万円(税引前)の利子を受け取れます。

満期までに受け取る利子は合計60万円(税引前)です。ただし、税金や購入時の調整額などがあるため、60万円がそのまま利益になるわけではありません。

Oさんは、預金より高い利息が期待できることに魅力を感じました。ただ、一つ気がかりなことがありました。築30年近い自宅では水回りの設備が古くなり、2~3年後には150万円程度の修繕費が必要になるかもしれません。

それでもOさんは、必要になれば国債を売ればよいと考えていました。国債なら途中で売っても、元本は減らないと思っていたからです。

ところが、銀行窓口で担当者から思いがけない説明を受けます。

「途中で売る場合、購入時より安くなることがあります」

Oさんは耳を疑いました。新窓販国債は、満期まで持てば額面の500万円が支払われますが、途中で売る場合は、そのときの価格によって受取額が変わるというのです。

例えば、額面100円当たりの価格が98円まで下がると、額面500万円分の売却価格は490万円になります。自宅の修繕が必要になった際、国債の一部を売ろうとしても、価格が下がっていれば予定していた金額を用意できないかもしれません。

Oさんは、老後のために守ってきたお金が減る可能性を知り、不安を感じました。

「500万円の国債」なのに、購入には500万円以上必要?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

さらにOさんが驚いたのは、購入時の金額でした。今回の新窓販5年国債は、額面100円につき100円38銭で募集されています。つまり、額面500万円分の購入価格は501万9,000円です。

初回の利子を調整するためのお金も加わり、購入時の支払額は約503万6,400円になります。

これは、初回の利払いで半年分の利子を受け取るため、実際には保有していない53日分の利子を購入時に精算する仕組みです。手数料とは異なります。

※2026年10月募集分の発行予定日(同年11月12日)を基準に、初回利払日の6か月前(同年9月20日)からの53日分を、年365日として計算しています。利子の調整額は円未満切り捨てです。

一方、満期に戻る金額は500万円。ただし、保有中に利子を受け取るため、購入代金との差額だけで損失が決まるわけではありません。

Oさんは、同じ国債でも購入価格や換金方法が異なると知り、その場での購入を見送ることにしました。

FPが解説 同じ国債でも元本割れする場合がある理由

国債にはいくつかの種類がありますが、今回のポイントは「個人向け国債」と「新窓販国債」の違いです。

個人向け国債は、原則として発行から1年が過ぎれば、国に買い取ってもらう形で現金に戻せます。市場価格が下がっても額面金額は減りませんが、所定の利子相当額が差し引かれます。

一方、新窓販国債には、国が買い取る中途換金制度がありません。途中で現金に戻したい場合は、市場で売る必要があります。

そのため、売却する時期によって価格が変わり、購入時より高く売れる場合もあれば、安くなる場合もあるのです。今回の例では、売却価格が490万円になると、募集価格の501万9,000円より11万9,000円低くなります。

※490万円は説明のための仮定です。実際の損益は、受け取った利子や購入時の調整額、税金などによって変わります。

金利だけで選ぶと危険?老後資金で確認したいポイント

国債を選ぶ際は、表示されている利率だけで判断しないことも大切です。

2026年10月15日に財務省が公表した条件では、新窓販5年国債の表面利率は年2.4%、応募者利回りは年2.312%(税引前)となっています。

今回の国債は、発行予定日が2026年11月12日、満期が2031年9月20日で、実際の期間は5年より短くなっています。応募者利回りは、この期間や額面より高い募集価格などを考慮した数字です。

一方、同じ2026年10月募集の個人向け国債「固定5年」の利率は年2.39%。今回の条件では、個人向け国債の方が税引前の利回りは高くなっています。

それらを踏まえて、金利を比較する前に、そのお金をいつ使う予定なのか確認しましょう。

Oさんのように、2~3年以内にまとまった支出が見込まれるなら、満期前に売却する可能性も考えておく必要があります。老後資金では、利息を増やすだけでなく、急な出費に備えて預金を残しておくことも重要です。

国債を購入する際は、満期まで持てるか、途中で現金に戻すときはどのような条件になるのか。この2点も確認しておきたいところです。

※金融機関によっては、別途口座管理手数料などがかかる場合があります。

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