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「そのうち使えばいい」転勤先で作った“地方銀行の口座”を放置した50代男性→10年後、実家に届いた“1通の通知”に青ざめたワケ

  • 2026.10.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPで預貯金と家計の相談を数多く受けてきた柴田です。

就職や転勤のときに作った銀行口座を、そのままにしている方は少なくありません。「お金が入っているから、そのうち使えばいい」。そう考えて何年も放っておくと、ある日、思わぬ通知が届くことがあります。

今回は、転勤先で作った口座を放置していた50代のAさんのお話です。

実家に届いた1通の通知

Aさん(50代男性)は40代のころ、地方の支店へ5年間転勤しました。

そのとき、地元の地方銀行で口座を作り、ボーナスの一部を貯めていました。東京に戻る直前の2017年3月に入金したのを最後に、その口座は一度も使っていません。

今年の夏、実家のお母さんから電話がありました。「あなた宛てに、銀行から『長い間お取引のない預金についての何とか』みたいな通知が来てるよ」。口座を作ったとき、届け出の住所を実家にしたまま、変更していなかったのです。

郵送物の写真を送ってもらったところ、通知には「休眠預金」という言葉もありました。「このままだと、預金がなくなってしまうのか」。残高は30万円近くあったはずです。Aさんは青ざめて、相談に来られました。

10年取引がないと「休眠預金」になる

相談を受けて、私はAさんと一緒に休眠預金の仕組みを確認しました。

休眠預金等活用法では、2009年1月1日以降に最後の取引があった預金のうち、10年以上入出金などの取引がないものを「休眠預金」としています。休眠預金は、金融機関から預金保険機構に移され、子どもや若者の支援といった民間の公益活動に使われます。

移される前には、金融機関がインターネットで公告を出す決まりです。さらに残高が1万円以上の口座には、最後の取引から9年が経ったあと、公告に先立って届け出の住所へ通知が郵送されます(メールで届くこともあります)。Aさんに届いたのは、この通知でした。

注意したいのは、通知が届かなくても休眠預金になる点です。届け出の住所が古いままだと、通知は手元に届きません。残高が1万円未満なら、そもそも通知は送られません。

休眠預金になってもお金は消えない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「では、もう引き出せないのでしょうか」と心配するAさんに、私は「お金が消えるわけではありません」とお伝えしました。

届け出の住所に送られた通知が届き、銀行に返送されなかった場合は、取引があったのと同じ扱いになり、その時点から10年のカウントがやり直しになります。Aさんの場合も、通知が届け出の住所である実家に届いたことで、休眠預金への移行はいったん避けられました。ただし、口座を使い続けるには、入出金や住所変更などの手続きが必要です。

なお、手続きには通帳やキャッシュカード、本人確認書類が必要です。Aさんは引っ越しのときに通帳を処分しており、届け出の印鑑もどれだったか覚えていませんでした。銀行に問い合わせると、届出印がわからない場合は窓口での手続きが必要とのこと。その銀行の支店は東京にはなく、Aさんは有給休暇を取って、新幹線で手続きに向かうことになりました。

「そのうち」と放置した口座ほど手間がかかる

地方銀行の普通預金金利をもとに私が計算してみると、10年近く置いていた30万円に付いた利息は、税引前で合わせても数十円程度にしかなりません。一方で、引き出すための交通費と1日分の休みがかかりました。「そのうち使う」口座は、使わないまま、手間だけが増えていくのです。

就職や転勤、進学で作った口座は、「使う口座」と「使わない口座」に分けてみてください。使わない口座は解約してお金をまとめ、残す口座は引っ越しのたびに住所を変更しておくと安心です。

まとめ

Aさんは銀行で手続きを済ませて口座を解約し、普段使っている銀行にお金を移しました。「消えないとわかってほっとしましたが、休みを取って取りに行くことになるとは思いませんでした」と話していました。

休眠預金になっても、お金は戻ってくるので慌てる必要はありません。ただし、放っておくほど手続きの手間は大きくなります。眠っている口座がないか、今のうちに一度確かめておきましょう。


参考:
長い間、お取引のない預金等はありませんか?(金融庁)
長い間お取引のない預金(休眠預金)(預金保険機構)

執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,500記事以上の執筆実績あり。


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