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「今なら高く売れる」家にあった“110gの金地金”を売った60代男性→250万円になって喜ぶが…買取店で告げられた“想定外の事実”

  • 2026.10.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

長年保管していた金地金を売るとき、その取引内容が税務署に伝わる場合があることをご存じですか。実は、金地金を買取業者へ売却した際、金額が200万円を超えると、業者から税務署へ書類が提出される仕組みがあります。

ただし、200万円を超えたからといって、必ず税金がかかるわけではありません。

約10年前に購入した金地金を250万円で売却した60代男性も、店頭で初めてこの仕組みを知りました。いったい何があったのでしょうか。

高額査定に喜んだ男性、店頭で思わぬ説明が

60代男性のKさんは、約10年前に購入した金地金を自宅で保管していました。購入したのは100グラムと10グラムの金地金で、当時の購入額は合計50万円。将来まとまったお金が必要になったときに売ろうと考えていました。

そんなKさんが売却を考え始めたのは、自宅の修繕がきっかけです。浴室や給湯器などの交換で、約180万円の費用がかかる見込みとなりました。預貯金から支払うこともできましたが、今後の生活費を考えると、なるべく手元のお金を減らしたくありません。
ちょうど金価格の上昇をニュースで知り、「今なら高く売れるかもしれない」と考えました。

数日後、Kさんは金地金を持って買取店を訪れます。査定の結果、提示された金額は250万円。購入時より200万円も高くなっていたのです。税金などを考えなければ、修繕費を払っても70万円ほど残ります。予想以上の査定額に喜んだKさんは、その場で売却を決めました。

ところが、手続きを進めていると、店員から思いがけない説明がありました。

「今回のお取引は200万円を超えるため、マイナンバーの確認が必要になります」

Kさんは戸惑いました。

「金を売るだけなのに、マイナンバーも必要なんですか」

理由を尋ねると、200万円を超える金地金の売却では、買取業者が税務署へ「支払調書」という書類を提出する決まりがあると説明されました。支払調書とは、誰がいくらで売却したのかなどを税務署へ知らせる書類です。

Kさんは、金地金の売却は買取店と自分の間で終わる取引だと思っていました。250万円で売ったことが税務署に伝わると知り、受け取ったお金すべてに税金がかかるのではないかと不安になったのです。

幸い、マイナンバーカードを持参していたため、店員の案内に従って必要な確認を進められました。

「200万円以下なら安心」は勘違い?

Kさんは、もう一つ気になることがありました。もし200万円以下で売っていたら、税務署への報告は不要だったのか。その場合、税金の心配も必要なかったのかという疑問です。

帰宅後に調べると、買取業者が税務署へ支払調書を提出することと、自分で確定申告をすることは別だとわかりました。確定申告の必要性は、売却額ではなく、実際の利益やほかの所得などによって変わります。

そこでKさんは、約10年前の購入明細を探すことにしました。受け取ったお金を使う前に、税金の扱いも確認しておこうと考えたのです。

売却すると税務署に何が伝わる?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

金地金や金貨などを、その売買を仕事として行う業者へ売却した場合、1回の支払金額が200万円を超えると、原則として業者は税務署へ支払調書を提出します。書類には、売却者の氏名や住所、マイナンバー、金の種類や重量、支払金額などが記載されます。

つまり、Kさんが250万円で売却したことは税務署に伝わります。ただし、購入額は記載されないため、支払調書だけで利益がわかるわけではありません。

なお、200万円の判定は買取手数料などを差し引く前の金額が基準です。ちょうど200万円なら、原則として提出対象にはなりません。

大切なのは、200万円という金額は業者が税務署へ報告する基準であり、税金がかかる基準ではないという点です。

税金は250万円すべてにかかる?FPが解説

金地金の売却では、一般的に売却額から購入額や売却費用を差し引き、利益を求めます。

Kさんに売却費用がなかった場合、計算は次のとおりです。

250万円(売却額)-50万円(購入額)=200万円(利益)

この利益は通常「譲渡所得」として扱われ、年間最高50万円の特別控除があります。ただし、同じ年にほかにも対象となる譲渡益があれば、合わせて50万円が上限です。

さらに、5年を超えて保有した金地金は、特別控除後の金額を半分にして、ほかの所得と合算します。

Kさんにほかの対象となる譲渡益がなく、売却費用もなかった場合は、次の計算になります。

(200万円-50万円)÷2=75万円

この75万円は納税額ではなく、税金を計算する際にほかの所得と合算する金額です。

※実際の税額や確定申告の必要性は、給与や年金などの所得、控除などによって異なります。

また、200万円以下の売却でも、利益などの状況によっては確定申告が必要です。売却前に購入時の領収書や明細を探し、購入金額と保有期間を確かめましょう。売却後の明細も保管しておくと、税金の計算に役立ちます。

金価格が上昇すると査定額に目が向きがちですが、売却後に慌てないためにも、受け取る金額だけでなく、利益と税金まで考えておくことが大切です。

※プライバシー保護の観点から内容を一部調整しています。税額や確定申告の必要性は個別の条件によって異なります。また、マイナンバーの確認方法や提出時期は買取業者によって異なります。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定


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