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「利子がつきます」銀行員の勧めで1,000万円を“年7%の債券”に入れた70代女性→1年後、自宅に届いた“1通の通知”に青ざめたワケ

  • 2026.10.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、銀行の紹介で利率の高い債券を購入した70代女性のAさんの体験談です。

「債券なら、満期には1,000万円が戻ってくるはず」

そう考えていたAさんでしたが、1年後に届いた通知で、お金ではなく株式で返ってくることを知ります。利率の高い債券を買う前に、確かめておきたい点をご紹介します。

定期預金の満期に勧められた「年7%」

70代女性のAさん(仮名)は、2022年の春、1,000万円の定期預金が満期を迎えました。

銀行の窓口で預け直しについて相談すると、担当者から系列の証券会社を紹介されます。そこで勧められたのが、利率が年7%の債券でした。

「1年で70万円の利子がつきます」

株価によっては株式で償還されるという説明も受けました。しかし、Aさんは「債券なのだから、満期には元本が戻ってくる」と受け止めていたのです。

Aさんは、1,000万円すべてをこの債券に入れました。

1年後に届いた「株式で償還」の通知

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

1年後、Aさんのもとに証券会社から自宅に1通の通知が届きます。

そこには、満期のお金に代えて、ある会社の株式を2,000株渡すと書かれていました。満期の判定に使われた株価は1株3,000円。この株価で計算すると600万円です。

「1,000万円が、600万円になったということですか?」

Aさんは青ざめ、証券会社へ電話をかけました。

Aさんが購入したのは「仕組債」の一種で、「他社株転換可能債(EB債)」と呼ばれる商品です。債券を発行した会社とは別の会社の株価に、償還方法が連動します。

この債券には「ノックイン」という条件がありました。期間中に株価が一度でも当初の7割(3,500円)を下回り、満期の判定日の株価も当初の5,000円を下回ると、株式で償還されます。Aさんは、その両方に当てはまったのです。

利子70万円を足しても、330万円のマイナス

Aさんが受け取った利子は70万円(税引き前)でした。

株式の600万円と合わせても670万円です。元の1,000万円から、330万円減った計算になります。

担当者は、さらに次の点を説明しました。

・株価がさらに下がれば、損失は広がる
・預金ではないため、預金保険の対象ではない
・発行した会社が破綻した場合などは、償還金を受け取れないおそれがある
・途中で売ろうとしても、売れない、または大きく値下がりした価格になる場合がある

年7%という高い利率は、株価が下がったときの損失を引き受ける対価でもありました。

「預金と同じように考えていました」

Aさんは家族と相談し、株式をすぐには売らずに持ち続けることにしました。

なお、日本証券業協会は2023年に販売のルールを見直しました。複雑な仕組債については、各社が勧誘を始める基準を設ける際、一定の投資経験がない人を勧誘の対象に含めないよう求めています。

金融庁の資料では、取扱いをやめたり販売の態勢を見直したりする会社もあり、個人向けの販売額は減少傾向にあります。

買う前に「どの株で、いくらで返るか」を確かめる

利率の高い債券を勧められたら、次の点を確認しておきましょう。

・償還の条件に関わる株式は、どの会社のものか
・ノックインの条件と、当初の株価はいくらか
・株式で償還されると、何株を受け取ることになるか
・途中で売るときは、どう扱われるか

高齢の親が同じような債券を持っていないか、家族で確認しておくことも大切です。

利率の高さには、それに見合ったリスクがあります。預金とは仕組みが違うことを理解し、損失が出た場合の金額まで確かめてから判断することが大切です。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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