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「現金にしておこう」母が遺した“金貨”を査定に出した50代娘→320万円で売れて喜ぶが…翌年、税務署からの連絡に“青ざめたワケ”

  • 2026.10.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、母から相続した金貨を売った50代のAさんの体験談です。

「現金で受け取ったのだから、税務署には分からないはず」

そう思っていたAさんでしたが、翌年、税務署から連絡が届きます。金を売ったときに知っておきたい仕組みをご紹介します。

母の金貨を売ると320万円に

会社員のAさん(50代)は、2年前に母を亡くし、実家の金庫にあった金貨を相続しました。

母が30年ほど前に少しずつ買い集めていたもので、1枚ずつケースに入り、母の字で購入した年が書かれていました。

金の値上がりを知ったAさんは、「眠らせておくより、現金にしておこう」と考えます。昨年、金貨を買取店へ持ち込んだところ、査定額は320万円。代金はその場で現金で受け取りました。

手続きの際には、本人確認書類とマイナンバーの提示を求められましたが、深くは考えませんでした。

「給料は会社が年末調整をしてくれるし、確定申告はいらないはず」

Aさんは、そう思ったまま翌年の春を迎えました。

1回200万円を超えると税務署に記録が届く

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

翌年の秋、税務署から、金貨を売った年の所得について確認したいという連絡がありました。

「どうして知っているのですか?」

Aさんは青ざめました。

金地金や金貨を買い取る事業者は、1回の支払いが200万円を超えると、「金地金等の譲渡の対価の支払調書」を税務署に提出します。そこには、売った人の氏名やマイナンバー、金額が記載されます。

現金で受け取ったかどうかは関係ありません。「現金なら分からないはず」という思い込みは通用しないのです。

また、金貨を売って利益が出た場合は、原則として「譲渡所得」になります。1か所から給与を受けて年末調整を受けている会社員でも、給与と退職金以外の所得が20万円を超えると、確定申告が必要です。

明細が見つかり、利益は260万円に

税理士へ相談すると、最初に母が金貨を買ったときの金額を尋ねられました。

相続した金貨は、母が買ったときの金額と時期を引き継いで計算します。購入金額が分からない場合は、売った金額の5%を取得費とする方法があり、320万円なら16万円です。

また、相続税を納めた場合は、その一部を取得費に加えられる特例があります。Aさんの家には相続税がかからなかったため、この特例は使えませんでした。

Aさんが実家を探すと、母の購入時の明細が見つかりました。買った金額は合計60万円です。

・売った金額:320万円

・取得費(母が買った金額):60万円

・利益:260万円

明細がなければ取得費は16万円となり、利益は304万円になるところでした。明細があったことで、利益は44万円少なくなりました。

売るための費用はかからず、同じ年にほかに売ったものもありません。母が持っていた期間を合わせて5年を超えているため、利益から特別控除50万円を引いた210万円の2分の1、105万円が給与と合わせて課税されます。

税理士からは、給与の所得と合わせて計算するため、給与が多いほど税率も高くなると説明されました。さらに、期限を過ぎてから申告したため、本来の税金に加えて、加算税や延滞税がかかる場合があると伝えられました。

金を売る前に確かめたいこと

金を売ると決めたら、次の点を確認しておきましょう。

  • 買ったときの明細や領収書があるか
  • 同じ年に、ほかに売って利益が出たものがあるか
  • 確定申告が必要になるか

特別控除の50万円は1年ごとの枠です。一度にすべてを売るか、年をまたいで分けて売るかによっても、税金の額は変わります。

相続した金は、明細の有無で税金が大きく変わります。売る前に資料を探し、利益が出たら期限内に申告することが大切です。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。


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