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父が遺した“国債1,000万円”を相続した50代娘→「買ってから1年は換金できない」はずが…銀行窓口で告げられた“想定外の事実”

  • 2026.10.13
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、亡くなった父の国債を相続した50代のAさんの体験談です。

「個人向け国債は、買ってから1年は換金できないはず」

そう思っていたAさんでしたが、銀行の窓口で、亡くなった場合に利用できる特例を知ります。相続のときに知っておきたい国債の扱いをご紹介します。

父が遺した1,000万円分の国債

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

50代女性・Aさん(仮名)の父は、この春に80代で亡くなりました。

遺品を整理していると、取引のある銀行から届いた書類が出てきます。確認すると、父は亡くなる半年前に、個人向け国債を1,000万円分買っていました。

「国が発行するものだから安心だ」

父が生前そう話していたことを、Aさんは思い出しました。

相続人は、Aさんと弟の2人です。自宅と預金を合わせると、相続税がかかる見込みでした。

相続税の申告と納付の期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

「国債は、買ってから1年は換金できないと聞いたことがあります。納税に使えるのは預金だけですね」

Aさんは、手元の預金だけで足りるのか不安になりました。

「お亡くなりになった場合は、換金できます」

相続の手続きを進めるため、Aさんは銀行の窓口を訪ねました。国債について尋ねると、担当者からこう説明されます。

「個人向け国債は、発行から1年間は原則として換金できません。ただ、口座名義人の方がお亡くなりになった場合は、その期間中でも相続人の方が換金できます」

これは「中途換金の特例」と呼ばれる仕組みです。

Aさんは驚き、思わず聞き返しました。

「まだ半年しかたっていないのに、換金できるのですか?」

申請には、相続人であることを証明する書類などが必要です。手続きの進め方は、金融機関によって異なります。

また、換金するときには「中途換金調整額」が差し引かれます。ただし、国が買い取る仕組みのため、これまでに受け取った利子と合わせれば、元本の1,000万円を下回ることはありません。

担当者は、さらにこう付け加えました。

「発行から1年以内の換金では、初回の利子が支払われる前か後かなどで、差し引かれる額の計算が変わります」

600万円を換金し、400万円は引き継ぐ

国債は換金するだけでなく、相続人の口座へ移して、そのまま持ち続けることもできます。満期まで持てば、額面の金額が戻ります。

Aさんと弟は、次の3つを並べて話し合いました。

・相続税の納付に必要な金額

・すぐに使える預金の残高

・国債を満期まで持った場合に受け取れる利子

その結果、国債のうち600万円分を換金して納税に充て、残りの400万円分は、弟が同じ銀行に口座を作って引き継ぐことにしました。

換金の手続きでは、父の戸籍謄本や、相続人2人の印鑑証明書などを求められました。必要な書類をそろえてから、2週間ほどで代金が振り込まれます。

「1年は動かせないと思い込んでいました。窓口で聞いてみてよかったです」

Aさんは、国債の一部を換金して納税資金に充てられたことにほっとしました。

親の国債は、どこにあるかを把握しておく

もし特例を知らなければ、預金だけで納税しようとして、家族の生活費が足りなくなるところでした。

国債は、通帳のように手元に残るものではありません。どの金融機関で、いくら買っているのかが分からなければ、相続の手続きが遅れてしまいます。

親が元気なうちに、次の点を家族で確認しておきましょう。

・国債を買っている金融機関

・種類(変動10年・固定5年・固定3年)と金額

・取引の報告書やお知らせの保管場所

相続税の申告期限は10か月です。国債を換金できるかどうかを早めに確かめて、納税資金の準備を進めることが大切です。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。


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