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20年前の“金”を査定に出した60代男性→“300万円”で売れて喜ぶが…数日後、判明した予想外の事実に「確認しておけばよかった…」

  • 2026.10.13
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

昔買った金が300万円で売れたら、うれしいものです。ただ、売却後の税金の計算で困る場合があります。

その原因の一つが「購入額が分からない」という問題です。20年前に金を購入した60代男性も、売却後に古い書類を探し回ることになりました。

金が300万円で売れた! 喜びの後に待っていた問題

60代のUさんが金地金を買ったのは、約20年前のことです。40代の会社員だった当時、賞与の一部を将来のために残そうと考え、購入しました。

「老後まで持っていればいい」。そう考え、金地金を自宅の金庫に保管。購入時の領収書を見返すこともありませんでした。

その後、引っ越しで書類を整理したこともありました。領収書は取っておいたはずですが、保管場所が分からなくなっていました。

60代になり、自宅の設備交換にまとまった費用が必要になったUさん。ニュースで金価格の上昇を知り、「今なら修繕費の足しになる」と買取店へ持ち込みました。

提示された金額は300万円。「こんなに高くなったのか」と驚き、その場で売却を決めます。一部を修繕に使い、残りは老後資金として残す予定でした。帰宅後は家族にも売却額を伝え、設備交換の費用に余裕ができたと安心していました。

売却時の明細も受け取ったため、Uさんは「これで手続きは終わり」と考えていました。しかし、数日後に確定申告について調べると、気になる説明を見つけます。

「買った値段が必要?」20年前の書類を探しても見つからず

 

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

金を売ったときの利益は、売った金額から購入代金などを引いて計算すると知ったのです。

「昔はもっと安かった。でも、何万円で買ったんだろう」。Uさんは押し入れの箱を開け、領収書や通帳を探しました。しかし購入額を示す書類は見つからず、当時の店名もはっきりと思い出せません。

通帳にある古い出金記録を見ても、金を買うために使ったお金なのか判断できませんでした。「だいたいの金額なら覚えているつもりだったのに」と、Uさんは焦り始めます。

税金に詳しい専門家に相談すると、調べても購入額が分からない場合、売却額の5%を購入費用として計算する方法があると説明されました。

300万円の5%は15万円です。「実際は15万円以上払ったかもしれないのに」。Uさんは、購入記録がないことで、税金の計算に使う利益が大きくなる可能性を初めて知りました。

「売る前に確認しておけばよかった」。金を高く売れた喜びの一方で、Uさんには思わぬ事態に絶句しました。

300万円すべてに税金がかかるわけではない…計算の仕組み

金地金を売った利益は、原則として「譲渡所得」に分類され、給与などと合わせて税金を計算します。

まず、売却額から購入代金や売るために直接かかった費用を引きます。例えば、300万円で売った金を35万円で購入し、売却費用が0円だったとすると、利益は265万円です。

金地金などの売却益には、ほかの対象となる売却益と合わせて年間最高50万円の控除があります。さらに5年超保有した金なら、控除後の半分を給与などの所得に加えます。

この例では「(300万円-35万円-50万円)÷2=107万5,000円」です。107万5,000円は納める税金ではなく、税額を計算するときに加える所得の金額です。

購入額が分からないと、どれくらい変わる?

一方、購入額が分からず、売却額の5%に当たる15万円を購入費用として計算した場合は、「(300万円-15万円-50万円)÷2=117万5,000円」となります。

購入額35万円が分かる場合より、税金の計算に加える所得が10万円多くなる計算です。実際の税額が10万円増えるという意味ではありません。

だからこそ、金地金を売る前に、領収書だけでなく、古い通帳や購入店の取引記録も探しておくことが大切です。購入額を確かめられない場合は、税務署や税理士に相談するとよいでしょう。

また、金地金を扱う業者に1回で300万円分を売ると、原則として業者から税務署へ「支払調書」が提出されます。ただし、200万円を超えて売ったからといって、それだけで確定申告が必要になるわけではありません。

例えば、1か所から給与を受け、年末調整を済ませた一般的な会社員は、給与・退職所得以外の所得が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。今回の計算例はこの金額を超えますが、実際の要否は本人の所得状況で異なります。

長く保管していた金ほど、売却前に「いくらで買ったか」を確かめておきたいところです。


※事例は制度を分かりやすく説明するため、内容を一部調整しています。計算例は売却費用0円、同じ年にほかの対象となる譲渡益がない場合です。


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