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父から“使い道のない土地”を相続した50代息子→「国に渡せば無料」と思いきや…後日、法務局で告げられた“予想外の費用”に困惑

  • 2026.10.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

もし、親から使う予定のない土地を相続したら、みなさんはどうしますか。

売りたくても買い手が見つからず、持っているだけで税金や管理費がかかることもあります。「国に引き取ってもらえれば安心」と考える方もいるかもしれません。

実は、相続した土地を国に引き渡せる制度があります。しかし、手続きは無料ではなく、条件によっては引き取ってもらえない場合もあります。どのような費用がかかり、何に注意すればよいのでしょうか。

「国に渡せば無料」のはずが…父の土地を相続した50代男性

50代の会社員Kさんは、昨年父を亡くし、実家から離れた場所にある土地を受け継ぎました。広さは約150平方メートル。建物はありませんが、自宅から車で約2時間もかかります。将来、その土地を使う予定もありません。

父の生前は土地の管理を任せていたため、Kさん自身は維持費をほとんど意識していませんでした。

ところが、相続して初めての夏に問題が起こります。近隣住民から、雑草が伸びているので早く手入れをしてほしいと連絡が入ったのです。

慌てて業者を探したところ、草刈りには年間約2万円かかる見込みでした。固定資産税も年8,000円ほどとすると、維持費は年間約2万8,000円です。

同じ負担が続けば、10年で約28万円、20年では約56万円に達します。さらに、手入れを怠れば近所とのトラブルにつながる不安もありました。Kさんはすでに50代です。年齢を重ねても、遠方まで通って管理を続けられるのか心配になりました。

そこで地元の不動産会社に売却を相談しましたが、立地がよくないため、買い手を探すのは簡単ではないとの返答でした。

「売ることもできず、この先ずっと管理費を負担するのか……」

途方に暮れていたKさんが見つけたのは、「相続土地国庫帰属制度」という仕組みでした。条件を満たせば、相続で取得した土地を国に渡せると知り、ようやく解決できると感じたそうです。

しかし、法務局で確認すると、想像していた話とは違いました。土地1筆の申請に1万4,000円かかるうえ、審査を通過した後にも、基本20万円の負担金があると知ったのです。

仮にKさんの土地が20万円の基本負担金に該当するなら、審査手数料と負担金だけで21万4,000円が必要になります。これは年間約2万8,000円の維持費に換算すると、約7年8か月分に相当する金額です。

費用をかけずに手放せると思っていたKさんは、予想外の負担に戸惑いました。

「お金を払っても土地が残る?」さらに判明した落とし穴

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

費用の説明を聞いたKさんには、もう一つ気になる点がありました。それは、申請にお金をかけても、国が引き取りを認めるとは限らないということです。

途中で手続きをやめたり、審査で認められなかったりしても、納めた1万4,000円は返ってきません。さらに、建物がある土地や、隣地との境目がはっきりしていない土地などは、申請の段階で対象外となります。

仮にKさんの土地が条件を満たさなければ、手元に残り、税金や草刈り代も引き続き必要です。更地なら問題ないと考えていたKさんですが、それほど単純な話ではないと気づきました。

結局、その場では申請を決めず、土地の状況と必要な費用を改めて調べることにしました。

申請だけで1万4,000円?FPが解説する審査手数料

相続土地国庫帰属制度を利用する場合、最初に必要なのが審査手数料です。金額は土地1筆につき1万4,000円。「筆」は登記された土地を数える単位で、2筆を申請する場合は2万8,000円になります。

ここで注意したいのは、審査に通らなくても支払ったお金は戻らないという点です。また、土地の境界も確認されます。申請には土地の範囲を示す図面や、境界の位置がわかる写真などが必要です。

ただし、必ず専門業者に測量を依頼しなければならないわけではありません。現地で境界を確認でき、隣地の所有者と争いがないかなどが重要になります。

承認後も20万円以上?土地を手放すために必要な負担金

審査を通過しても、それで手続きが終わるわけではありません。次に納める「負担金」は、国がその土地を10年間管理する場合の標準的な費用を基に決まります。

基本は1筆20万円ですが、土地の種類や所在地、面積によっては、さらに高くなる場合もあります。例を挙げると、市街化区域にある100平方メートルの宅地では、負担金は54万8,000円です。

また、隣り合う土地が同じ区分に該当する場合、条件を満たせば、申し出によって負担金をまとめて計算できる特例もあります。支払いは毎年ではなく一度だけです。ただし、負担金の通知が届いた翌日から数えて30日以内に納めなければ、承認は効力を失います。

つまり、審査に通っただけでは土地を手放せません。 負担金を支払った時点で、所有権が国へ移る仕組みです。

最初に法務局の事前相談を利用し、その土地が制度の対象になりそうかをまず確かめてみましょう。その後、今後かかる税金や管理費と、国に渡すための支出を比べてみることが大切です。

売却や譲渡も選択肢に入れると、費用を抑えられる方法が見つかるかもしれません。土地を持ち続ける負担だけでなく、手放す際の出費も把握したうえで、将来を見据えた判断をしておきたいところです。

※草刈り代や固定資産税などは仮定の金額であり、実際の費用や国庫帰属の可否は土地の条件によって異なります。

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