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医師「絶対に見逃してはいけない」→実は『心筋梗塞』のサインかも…見逃せない「危険な前兆」とは?

  • 2026.11.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「心筋梗塞は寒さで血管が縮む冬の病気だから、まだ本格的な寒さではない時期は安心だ」

そう思って油断していませんか?実は、寒暖差だけでなく、空気の乾燥や水分不足による『かくれ脱水』も、自覚症状のないまま血液をドロドロにし、突然の血栓形成を招く見落としがちな重大要因です。

今回は麻酔科専門医の松岡雄治さんの解説のもと、これからの季節に知っておくべき心筋梗塞のメカニズムや、絶対に見逃してはいけない緊急サインである「理由のない冷や汗」、正しい水分補給と予防策をお伝えします。

寒暖差だけじゃない?乾燥と「かくれ脱水」が引き起こす心筋梗塞のメカニズム

---心筋梗塞は冬の寒暖差で起きるイメージがありますが、乾燥や脱水も関係しているのでしょうか?その原因を教えてください。

松岡雄治さん:

「心筋梗塞の発症には、寒さによる血管の収縮だけでなく、乾燥や水分不足による『血液のドロドロ化(脱水)』も深く関わっています。 空気が乾燥し始める季節や暖房の効いた室内では、自覚のないまま皮膚や呼気から水分が失われる『不感蒸泄』が増加します。

さらに、寒さで喉の渇きを感じにくくなり水分補給の回数が減ると、全身を巡る血液量が減少することになります。また、水分が失われると血液中の水分が減り、赤血球などの割合が高くなって血液が粘度を増し、血の塊(血栓)ができやすくなってしまいます。この血栓が心臓を栄養する冠動脈に詰まってしまうことで心筋梗塞を起こすおそれがあるのです。

ここで特に注意すべきは、自覚のない『隠れ脱水』です。秋から冬にかけては汗をダラダラとかく実感が乏しいため、体から水分が失われていることに気づきにくくなります。喉が渇いた頃には、すでに体内では血液が濃縮されているのです。

他に、暖房器具をつけたまま寝て室内が極度に乾燥していたり、厚着をして寝ている間に寝汗をかいたりすると、朝方に深刻な脱水状態に陥って血栓ができやすくなる危険もあります。

若い方の場合には、動脈硬化はそれほど進行していないことがほとんどですが、血管の内側にできたわずかな傷に脱水が重なると、ドロドロになった血液によって急激に血栓が形成されて心筋梗塞に至るケースがあります。喫煙などの生活習慣の乱れも、これを誘発する強力な要素です。」

見逃してはいけない緊急サイン!突然の「冷や汗」に隠された危険

---運動もしていないのに突然「冷や汗」が出る場合、どのような危険が体に起きているのでしょうか?

松岡雄治さん:

「運動もしていないときに、暖かい室内や安静時に突然『冷や汗』が出る場合、それは単なる体温調節の汗ではなく、体内で一刻を争う事態が起きている緊急のサインかもしれません。

心筋梗塞の発作時に見られる冷や汗の最大の原因は、心臓の血管(冠動脈)が塞がり、心筋への血流が途絶えて細胞が壊死し始めることで生じる『強烈な痛み』です。この激痛によって体が命の危険を察知し、交感神経が極度に緊張・興奮するため、全身から一気に冷たい汗が噴き出します。

しかし、さらに恐ろしいのは、高齢者や糖尿病の方などで神経障害があり『痛みを感じにくい』ケースです。この場合でも、心筋が壊死して心臓のポンプ機能が突然落ち、血圧が急低下すると、体はショック状態(命の危機)から血圧をなんとか保とうとして交感神経を猛烈に働かせます。その結果、胸の痛みがなくても全身からじっとりとした冷や汗が噴き出すのです。無痛性の心筋梗塞において、この『理由のない冷や汗』は臨床的に重要なサインといえます。

特にこの時期は、『ただの疲れや風邪のひき始めだろう』と思い込んでしまい、温かくして横になり様子を見てしまう方が少なくありません。しかし、休んでも治まらない冷や汗や、胸を激しく締め付けられるような痛み・圧迫感だけでなく、肩、背中、のど、歯、みぞおちなどに生じる『放散痛』に伴って現れる冷や汗は、心臓が限界を迎えているサインです。また、冷や汗に加えて『めまい』『吐き気』『息苦しさ』を伴う場合は、血圧が下がりショック状態に陥りかけている極めて危険な状態の可能性があります。

発症直後は急激に意識を失う危険があるため、自力での車の運転や自転車での移動は絶対に避けてください。我慢せず、直ちに119番通報をして救急車を呼んでください。」

命を守る正しい水分補給法と、これからの季節を乗り切るための「予防策」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---心筋梗塞の引き金となる脱水を防ぎ、心臓を守るために、私たちはどのようなことに気をつけて生活すべきでしょうか?効果的な対策を教えてください。

松岡雄治さん:

「心筋梗塞を防ぐための最も効果的かつ重要な予防策は、正しい水分補給の習慣を身につけることです。 まず大前提として、『喉が渇いてから水を飲む』のでは遅いことをぜひ知っておいてください。摂取した水分が体に浸透し、実際に血液の濃度を改善するまでには約20分近くの時間がかかると言われています。汗をかきにくい季節であっても、のどの渇き(口渇感)を感じた時には、すでに体は水分不足と血液の濃縮に陥っています。そのため、『時間を決めてこまめに飲む』ことが命を守るコツです。特に血流が滞りやすい就寝中への対策として、寝る前と起床後には必ずコップ1杯の水を飲む習慣をつけてください。(※ただし、心不全や重い腎臓病などで医師から水分制限の指示を受けている方は、自己判断で水分を増やさず、適切な飲水量について主治医に必ずご相談ください)

また、暖房器具を使用する際は加湿器などを併用して室内の湿度を保ち、厚着のしすぎで寝汗をかいて脱水にならないよう、寝具や室温を適切に調整することが大切です。

また、晩酌や宴席での『お酒』にも危険な罠が潜んでいます。アルコールには強い利尿作用があるため、水分補給のつもりで飲んでいても、実際には摂取した以上の水分が尿として体の外へ排出され、かえって脱水を加速させてしまうことがあります。お酒を楽しむ際は、必ず同量のお水(チェイサー)を一緒に飲むように意識してください。 さらに、急激な温度差にも気を配りましょう。暖かい部屋から冷え込んだ脱衣所やトイレ、屋外へ移動する際は上着を羽織るなどして血管への刺激を和らげてください。少しでも具合が悪い、息切れがすると感じたら無理をせず、暖かく安全な場所で安静にしましょう。」

「まさか自分が」を防ぐために。今すぐできる夏の健康習慣

心筋梗塞は、寒暖差だけでなく、空気の乾燥や水分不足による『かくれ脱水』で血液がドロドロになり、血栓が詰まることでも発症します。

喉が渇いた時点ではすでに水分不足が進んでいるため、就寝前後を含め時間を決めた事前補給が不可欠です。暖房使用時は室内の加湿を意識し、飲酒時は同量の水(チェイサー)を並行して飲み、脱水の加速を防ぎましょう。

また、胸の痛みがなくても安静時に突然噴き出す「冷や汗」は、心臓の異常を知らせる命の危険信号です。単なる体調不良と自己判断して放置せず、体調変化を感じたら無理せず安静にし、異常を感じた際は自力運転を避け、迷わず救急車を呼んで大切な命を守りましょう。


監修者:松岡雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。

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