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産後のしこりを放置され26歳で「乳がん」に。新生児を抱きながらの宣告、人工閉経に直面した3児の母の壮絶な真実

  • 2026.9.29
ScottishPower X CRUK

「あまりのショックに、言葉を失いました。一体どうしてこんなことが起きるのだろう、と」

当時、3人目の子どもを妊娠中だったネリー・ガデボさんは、脇の下に小さなしこりがあることに気づいた。実は、胸の異変を感じたのはこれが初めてではない。海外の医療現場で彼女が直面した現実と、そこから立ち上がった一人の女性の挑戦に耳を傾けてみよう。

助産師の「よくあること」という言葉を信じた結果

2022年、前回の妊娠中にも胸にしこりを意識していたネリーさん。出産後に助産師へ相談したものの、「母乳育児をしていないから胸が張っているだけ。よくあることよ」とあっさりあしらわれてしまったという。医療のプロである専門家の言葉を信じた彼女は、その数ヶ月後に再び妊娠。しかし、胸の違和感や嫌な予感が消えることはなかった。

 

生後3ヶ月で言い渡された「ステージ2の乳がん」

3人目の出産後、不安が拭えなかった彼女は意を決して医師に直訴。検査(生検)を行った結果、リンパ節に転移したステージ2の乳がんであることが判明した。さらに、そのがんは女性ホルモン(エストロゲン)の影響で増殖するタイプであり、進行を止めるためには人工的に閉経を誘発する治療が必要だと告げられたのだ。

26歳で直面した過酷すぎる試練と激痛

当時わずか26歳。生後3ヶ月の赤ちゃんを含む3人の子育て、産後うつ、がん治療、そして人工閉経による劇的な体調の変化が一気に押し寄せた。「一晩で人生がひっくり返りました」と彼女は振り返る。数ヶ月に及ぶ抗がん剤治療(「レッド・デビル=赤い悪魔」と呼ばれる強力な抗がん剤を使用)、腫瘍の摘出手術、そして毎日の放射線治療。その痛みは「1週間毎日出産する方がマシ」と感じるほど壮絶なものだった。

Nellie Gbadebo

医療現場で感じた「肌の色による情報格差」

さらに彼女を苦しめたのは、黒人女性としての「医療情報の少なさ」だった。放射線治療で肌がどう変化するか尋ねた際、医療陣からは「日焼けでピンク色になるようなものだから心配いらない」と言われたという。しかし、黒人の肌は日焼けでピンクにはならず、紫や茶色のあざのようになる。「私の肌に何が起きるのか、誰も教えてくれなかったのです」と彼女は語る。

救いとなったSNSの温かいコミュニティ

過酷な治療と、もう子どもを授かることができないという現実を受け入れる中で、彼女を支えたのは家族とSNSの存在だった。10年以上コンテンツクリエイターとして活動していた彼女は、ありのままの闘病生活を発信。「誰かの役に立てば」と始めた投稿には、同じように悩む世界中の女性たちから温かい支援の声が寄せられた。

Nellie Gbadebo

偏見をなくすために立ち上げた「Touchy-Feely」

自身が深い孤独を感じた経験や、黒人コミュニティにおけるがんへの強い偏見(スティグマ)を知ったネリーさん。彼女は有色人種の人々を支援するコミュニティ「Touchy-Feely」を立ち上げた。文化と医療の架け橋となり、誰もが自分らしい体験を発信し、適切な医療ケアを受けられる社会を目指して活動を開始したのだ。

Nellie Gbadebo

 

イギリス政府や医療機関をも動かす存在へ

彼女たちの活動は大きな反響を呼び、イギリスの国民保健サービス(NHS)や政府機関と提携。より多様性に配慮した医療情報の作成や、政府の10か年がん対策計画への提言を行うまでに発展した。「自分の辛い体験があったからこそ、同じ思いをする人を減らしたい」という強い使命感が、彼女を突き動かしている。

Scottish Power

泥まみれになりながらつないだ希望の支援

英がん研究機構の資金集めイベントであり、泥まみれの障害物を越えるチャリティラン「Pretty Muddy」にも参加したネリーさん。協力企業であるスコティッシュパワー社などを通じて4,500万ポンド(約88億円)以上の研究資金寄付に貢献した。「恐怖を行動に変えることができました。命を救う研究のために一歩前進できたことを誇りに思います」と語る彼女の姿は、多くの人に勇気を与えてくれるはずだ。

Scottish Power

※この記事はイギリス版『Good Housekeeping』の翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。

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